AI技術の進化により、従来の自動化を超えた「AIエージェント」が注目を集めています。従来のAIは特定のタスクをこなすだけでしたが、AIエージェントは人間のように考え、推論し、自律的に意思決定することが可能です。これにより、企業の業務効率が飛躍的に向上し、従業員の負担を軽減しながら、より高度なビジネス判断をサポートできます。
本記事では、企業がAIエージェントを活用する具体的な事例を紹介し、レリパが開発した最先端のAIエージェントについて詳しく解説します。さらに、デモ動画の公開やオープンソースとしての提供情報もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
AIエージェント とは?
AIエージェント とは、人間の介入なしに顧客の問い合わせを理解し対応することができる人工知能(AI)システムの一種です。これらは、エージェントビルダーを使用して作成され、機械学習や自然言語処理(NLP)を活用して幅広いタスクを処理します。AIエージェントは、簡単な質問への回答から複雑な問題の解決、さらにはマルチタスクの処理まで、さまざまな能力を備えています。
特に重要なのは、AIエージェントが自己学習を通じて自らのパフォーマンスを継続的に向上させることができる点です。これは、特定のタスクに対して人間の入力を必要とする従来のAIとは異なります。

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どうしてAIエージェントは人間のように考え、推論し、自律的に意思決定できると言えるのか?
AIエージェントは、計算能力、データ処理、意思決定のスケールの大きさにより、特定の側面において人間よりも賢いと考えられます。この点を説明するために、Reasoning(推論)とChain of Thought(思考の連鎖)のアプローチを用いることができます。
Reasoning(推論)
Reasoning(推論)とは、情報を分析し、事実を結びつけ、合理的な結論を導き出す能力のことです。AIが推論能力を持つことで、単に命令に従って動作するのではなく、自ら考え、問題を理解し、適切な判断を下すことが可能になります。
簡単に言うと、AIは単に答えを出すだけでなく、その推論の過程を一つひとつ説明することができ、人間が問題を解決する際の思考プロセスに近い形で動作します。
一般的な生成AI(GenAI)と比較すると、AIエージェントは推論能力を持ち、さまざまなツールを適切に活用しながら、より複雑な問題を解決することができるという点で優れています。
情報処理能力とアクセスの速さ
人間は短期記憶や逐次的な処理能力に制限がありますが、AIは膨大なデータを短時間で処理・分析することができます。
例:
AIエージェントは、数百万件の科学論文を数秒で読み取り、分析することができます。これは人間には不可能な速度です。
思考力と意思決定
AIはChain of Thought Reasoning(思考の連鎖推論) を活用し、複雑な問題を解決することができます。
ある課題に直面した際、AIは単一の解決策を見るだけでなく、複数のシミュレーションを実行し、それぞれのシナリオの発生確率を評価し、最適な解を選択します。
例:
金融系AIは、数百万件の市場の変動データを分析し、人間には発見できない株価予測モデルを見つけ出すことができます。
最適化能力と感情に左右されない意思決定
人間は、感情や先入観、疲労によって意思決定が影響を受けることがあります。しかし、AIエージェントはそれらに左右されません。
例:
AIによる採用CVのスコアリングシステムは、性別、年齢、学歴などの先入観に影響されることなく、純粋に候補者のスキルや適性を評価します。
継続的な学習と適応力
AIは、強化学習(Reinforcement Learning)、少量データ学習(Few-shot Learning)、転移学習(Transfer Learning) を通じて、時間の経過とともにパフォーマンスを向上させることができます。
一方、人間は経験を積むのに何年も学習し続ける必要があります。
無制限の作業能力
AIは24時間365日疲れることなく稼働し、複数のタスクを並行処理することが可能です。
例:
AIエージェントは、カスタマーのメール対応、技術サポート、顧客データの分析を同時に行うことができます。
AIエージェントはどのように考えるのか?
例としてはAIがレストランのディナー予約をしたい場合AIエージェントがこの問題をどのように解決するのか見てみましょう。
ステップ1:リクエスト受け入れ
「19時に日本料理のレストランで2名分のディナー予約をしてください。」
ステップ2:実行方法を考える
・「近くの日本料理店を探す必要がある。」
・「そのレストランに空席があるか確認する必要がある。」
・「電話で予約するか、予約サイトを利用するべきか判断する。」
ステップ3:適切なツールを選択
・Google Maps を使用して日本料理店を検索する。
・予約API(例: TableCheck や OpenTable) を使って空席を確認する。
・APIがない場合は、自動的に電話をかけて空席状況を確認する。
ステップ4:意思決定を行う
・空席がある場合 → 予約を確定し、ユーザーに確認メッセージを送信する。
・空席がない場合 → 別のレストランを提案する。
・ポイント: AIは単に指示されたステップを実行するのではなく、状況に応じて「次に何をすべきかを自ら判断しながら動く」ことができます。まるで人間のように柔軟に考え、最適な解決策を導き出すのです!
Chain of Thought(思考の連鎖)– AIの推論能力とハルシネーション(幻覚)の抑制
人間が物事を考えるとき、個々のステップをバラバラに処理するのではなく、それらをつなげて論理的に結論を導き出します。AIエージェントも同様に、Chain of Thought Reasoning(思考の連鎖推論) を活用して、より合理的な意思決定を行います。さらに、この手法によりハルシネーション(幻覚)を抑え、生成AIモデルの信頼性と正確性を向上させることができます。
例: AIが数学の問題を解く場合
質問:「1個5,000ドンのリンゴを3個買うと、合計でいくらになる?」
・従来のAIの場合:
数式を直接適用し、即座に答えを出すだけ。
→ 「あなたが支払う金額は15,000ドンです。」
・AIエージェント(Chain of Thoughtを活用)の場合:
ステップ1: 「1個のリンゴは5,000ドン」
ステップ2: 「3個購入するので、計算式は 5,000 × 3」
ステップ3: 「結果は 15,000ドン」
この思考プロセスのメリット:
・なぜこの答えが導かれたのかを明確に説明できる。
・もし誤りがあった場合、各ステップを振り返って修正できる。
・「魔法のように」答えを出すのではなく、人間の思考プロセスに近い形で推論を行う。
このように、AIエージェントはChain of Thought Reasoningを活用することで、より論理的かつ信頼性の高い結果を提供できるのです。
AIエージェントはもはや理論上の概念や、単なるチャットボットやシンプルなAIにとどまりません。それは実際のアシスタントの代わりとなり、より賢く、迅速で、効率的に業務を遂行できる存在です。
今後、AIエージェントは人間のように思考し、プログラミング、金融、医療、ビジネスなど、より複雑な課題を解決するための強力なツールとして活躍していくでしょう。
>>> 関連記事:【実験】Deepseekと他の生成AI:ChatGPT、Gemini、NVIDIA、Claude・企業向けの最適なモデル?
AIエージェント開発 会社としてRelipaはどのようにAIエージェント技術を活用し、製品・サービスに応用しているのか?
AIエージェントの優れた能力を活かし、レリパは高度なAIエージェントシステムを開発しました。これにより、業務効率の向上、精度の最適化、コスト削減、人材不足の解決といった課題に対応し、さまざまな分野での活用が可能となっています。
特に、以下の3つの分野においてAIエージェントを導入し、実用化を進めています。
・Browser Agent(ユーザーのブラウザをアクセス)
・AI Sales support Agent(小売業向けAIトレーニング)
・AI Marketing Automation(マーケティング自動化 – Seeding & Auto Tweet Bot)
レリパは最先端技術を取り入れ、AIエージェントを活用した革新的なソリューションの提供に取り組んでいます。
Browser Agent: ユーザーのブラウザをアクセスするAIエージェント
レリパのAIエージェントは、ユーザーのブラウザに自動でアクセスし、インタラクションを行うことができるため、さまざまなリクエストに対応可能です。
リクエストを受け取ると、AIは自動的に分析し、問題を細かく分解し、ステップごとに推論しながら最適な解決策を導き出します。
また、単にコードを書くことにとどまらず、ホテルの自動予約やメールの自動送信など、さまざまな業務をAIが自律的に処理することも可能です。
AI Sales Support Agent – 小売業向けのAIエージェント
小売業の課題を理解し、解決へ:小売業における大きな課題の一つは、新人のセールススタッフがすべての商品情報を覚えきれず、正確で魅力的な接客ができないことです。
この課題を解決するため、レリパのAIエージェントは「トレーナー」としての役割を果たし、新人スタッフの学習をサポートし、販売スキルの向上を支援します。
AI Sales Support Agentの仕組み
・セールストレーニング用のカスタマイズAIチャットボットを構築
AIは企業のセールス用資料を分析し、独自のチャットボットを生成します。このAIチャットボットは、新人スタッフとチャットを通じて対話し、製品に関する質問に答えながら、知識の定着をサポートします。
・トレーナーのように対話型でサポート
AIは提供された知識をもとに、新人セールスと対話し、専門家のようにアドバイスを行います。これにより、新人スタッフは実際の接客のようなシミュレーションを通じて学習できます。
・新人スタッフの評価サポート
AIは企業の評価基準に基づいて質問を作成し、スタッフの理解度を測定します。これにより、教育の進捗を定量的に評価し、効率的な人材育成が可能になります。
AI Sales Support Agent の導入メリット
・新人トレーニングを自動化:セールスリーダーの教育時間を2週間からゼロに短縮。
・スタッフの自信向上:新人が自信を持って顧客対応できるようになる。
・運用コスト削減:教育コストの削減により、商品価格を抑え、競争力を強化。
レリパのAI Sales Support Agentは、小売業における人材教育を効率化し、企業の競争力を高める最適なソリューションです。
AI Marketing Automation(マーケティング自動化 – Seeding & Auto Tweet Bot)
マーケティングにおいて、Seeding(話題作りのためのコンテンツ投稿)は、顧客の関心を引き、ブランドの認知度を高めるための重要な手法です。
しかし、これを手作業で行うには時間と労力がかかります。そこで、UIPath・n8n・Dify AIを活用したオートメーションを導入し、Seedingや投稿を自動化しました。
AI Marketing Automationの導入メリット
・Seeding・投稿作業の時間と労力を削減:複数のプラットフォームでの投稿作業を一括自動化。
・人件費の削減・人手不足の解消:例えば、通常は1名のマーケターが1日1時間かけて20のプラットフォームに投稿する作業を、完全自動化により0時間に短縮。
AIを活用したマーケティングオートメーションにより、より戦略的なマーケティング活動に集中できる環境を実現します!
AIエージェントの 作り方・実際のデモ製品:レリパのAIエージェントオーペンソースと説明動画
AIエージェントの実力をより直感的に理解してもらうために、レリパは分かりやすいデモを開発しました。
レリパのAIエージェントの概要
・製品名:Browser Agent(Chrome拡張機能)
・機能:ブラウザを自動制御できるAIエージェント。ユーザーの操作なしに、自動的にWeb上のタスクを実行可能。
・Chatboxを通じたユーザーとの対話:ユーザーが指示を入力すると、AIが即座に解析し、最適な処理を実行。ChatGPT(OpenAI)、Deepseek などのAIモデルと連携し、ユーザーの要望に応じた回答や処理を実施。
このデモを通じて、AIエージェントの実用性と柔軟性を体感できます!
デモ動画の説明
レリパの開発者は、Browser Agentに以下の指示を与えました:
・「replit.comというブラウザにアクセスし、replit.comの AI Botと対話しながら、ユーザー名とパスワードでログイン画面を作成してください」
・すると、Browser Agentは自動的に推論を行い、最適なプログラミング言語を選択し、効率的かつ最短のプロセスでログイン画面を完成させました。さらに、他のAIとも連携しながら開発を進め、最適なコードを生成しました。
実際のRelipaのBrowser AgentというAIエージェントの動作プロセスを詳しく知りたい方は、以下のデモ動画をご覧ください!
備考:
・日本語のプロンプト入力にも対応 :RelipaのBrowser Agentは日本語での指示も理解可能。
・次のステップはRelipaのBrowser Agentが完全自動化が最適なツールを選択し、新しいタブを開いて処理を実行。
・19ステップでログイン画面を完成:指定された要件に基づき、パスワード入力可能なログイン画面を自動生成。
レリパのAIエージェントのオープンソースを公開
レリパは、上記の同様のAIエージェントを作成したい方のために、GitHubでオープンソースを公開しています。これにより、誰でもAIエージェントの仕組みを理解し、実際にデモを試すことが可能です。
GitHubリンクをチェックして、自分のAIエージェントを作成してみましょう!
レリパには、小売業、ビジネス、マーケティングなど、さまざまな業界でAIエージェントを応用する専門チームが揃っています。私たちは、AIエージェントについての専門的なコンサルティングや疑問解決を提供し、最適なコストでAIエージェント開発サービスを提供できる専門チームを用意しております。貴社のニーズに合わせたソリューションをご提案いたします!
AIエージェントをビジネスに導入したい企業様は、ぜひレリパにご相談ください。
まとめ
AIエージェントは単なるサポートツールではなく、真のインテリジェントアシスタントです。人間のように思考し、推論し、意思決定を行うことができます。推論能力(Reasoning)と業務自動化の力を活かし、AIエージェントは企業の業務スピードを向上させ、運用コストを削減し、サービス品質を向上させます。プログラミング、小売、マーケティングなど、あらゆる分野で新たな生産性と創造性の時代を切り開きます。AIエージェントを適切に活用できる企業は、デジタル時代において圧倒的な競争優位を確立し、飛躍的な成長を遂げることができるでしょう!
そこで、背景にはレリパは、最新技術の研究開発に特化したR&D部門を設立し、その中でもAIエージェントの開発に注力しています。特に2024年末から、企業向けのGenerative AI(生成AI)に関連するアプリケーションやソリューションの研究を本格化し、より実用的で高品質なAI技術の提供を目指しています。
当社のR&Dチームは、お客様のニーズに応じたAIソリューション(PoC)を迅速に開発できる体制を整えています。もし、AIエージェントを自社ビジネスに導入したいとお考えの企業様がいらっしゃいましたら、ぜひレリパまでお問い合わせください!