人事担当者必見!n8nで効率化する7つの人事ワークフロー事例

人事担当者必見!n8nで効率化する7つの人事ワークフロー事例

人事部は、すべての企業にとって欠かすことのできない存在です。直接的に収益を生み出す部署ではないものの、組織が円滑に機能し、社員一人ひとりの生活を支え、L&D(Learning & Development)活動を通じて個々の成長を促すという、企業の土台を支える重要な役割を担っています。

BambooHR「State of HR Report 2024」によると、63%の人事担当者が、オンボーディング・オフボーディング・社員研修・給与計算・人事データ管理などの定型業務に多くの時間を費やしていると回答しています。

この結果は、多くの人事部が依然として繰り返し発生する事務的な業務に追われ、本来注力すべき人材育成・企業文化の醸成・長期的な人材戦略の立案といった戦略的な取り組みに十分な時間を割けていない現状を示しています。

近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に広がり、多くの企業が人工知能(AI)を業務プロセスに導入し始めています。こうした中で、人事部の業務自動化(Automation)は、組織のスピードを高め、コストを削減し、戦略的業務にリソースを集中させるための不可欠な要素となっています。

従来のApplicant Tracking System(ATS)やLearning Management System(LMS)といったHR-Techツールは、確かに業務を効率化する助けになりますが、多くの場合、それぞれが独立しており、複数のツールを横断的に操作する必要がありました。そのため、異なる人事システム間の連携とワークフロー自動化のニーズが、これまでになく高まっています。

この課題を解決するのが、オープンソースのワークフロー自動化プラットフォーム「n8n」です。n8nは、スタートアップから大企業まで幅広く活用できる、柔軟で拡張性の高いソリューションとして注目を集めています。

本記事では、人事部がなぜn8nを導入すべきなのかを解説し、人事業務のほとんどを自動化できる7つの代表的なn8nワークフローを紹介します。人事担当者およびマネージャーの皆さまに、このオープンソース自動化ツールの具体的な活用イメージをお伝えします。

なぜ人事部はn8nを活用すべきなのか?

n8nとは?

n8n(エヌエイトエヌ)は、オープンソースのワークフロー自動化プラットフォームです。
プログラミングの知識がなくても、さまざまなアプリ・システム・サービスを直感的なドラッグ&ドロップ操作で連携し、自動化フロー(workflow)を構築することができます。

数百種類の「ノード(node)」があらかじめ用意されており、採用・勤怠管理・社員研修など、人事部の業務全般におけるルーチンタスクを簡単に自動化できます。

>>>関連記事:n8nとは?

人事部がn8nを導入すべき理由

ZapierやMakeなどのクローズドな自動化ツールとは異なり、n8nはデータを自社で保管(セルフホスト)でき、社内ポリシーに合わせて柔軟にワークフローを設計できます。

特に人事領域では、個人情報や機密データを扱うため、この「データ管理の自由度」と「セキュリティ確保」は非常に重要なポイントです。

以下に、人事部におけるn8nの主なメリットを紹介します。

多様なプラットフォームとの容易な連携

n8nは、BambooHR、Workable、Notion、Slack、Gmail、Google Sheetsなどの一般的な人事部のツールはもちろん、API連携が可能な社内システムとも接続できます。

これにより、複数のシステムを行き来する必要がなくなり、人事データを一元的に管理できるようになります。

繰り返し発生する業務の自動化

人事情報の更新、定期評価のリマインド送信、KPIレポートの作成など、繰り返し行われる業務を100%自動化できます。もうExcelで締切を追跡したり、手作業でデータを入力したりする必要はありません。

時間の節約とヒューマンエラーの削減

正しく設計されたワークフローによって、すべてのプロセスを一定のルールで実行できます。
これにより、勤怠・給与計算・社員データ更新などの作業で発生しやすいミスを大幅に減らし、業務の正確性と信頼性を高めることができます。

柔軟な拡張性とカスタマイズ性

オープンソースの利点を活かし、企業独自のノード開発やスクリプトの追加、社内APIとの連携も可能です。
そのため、スタートアップのようにスピード重視の企業から、複数部門を持つ大企業まで対応できる柔軟性があります。

人事部を「戦略的パートナー」へ変える

定型的で時間のかかる業務を自動化することで、人事担当者はより重要なタスク、つまり人材育成・企業文化の形成・人材戦略の立案に集中できるようになります。

これこそが、「Human Resources(人材資源)」を「Human Paperwork(事務作業)」から解放する、真の人事のデジタルトランスフォーメーションです。

人事部向けの代表的な7つのn8nワークフロー

候補者検索・ランキング

課題:
LinkedInで候補者を検索・選定する際、手作業でプロフィールを確認して評価するには多くの時間と労力がかかります。
スキルマッチや適性判断も担当者の主観に依存しやすく、採用プロセスの効率と一貫性が低下します。

解決策:
このワークフローは、GPT-4o を活用してLinkedInの候補者検索と評価を自動化します。

  • LinkedInから候補者情報を自動取得し、スキルや職歴を分析します。
  • GPT-4oがポジション要件に基づき候補者をスコアリングし、優先順位を付けます。
  • 評価結果はGoogle SheetsやNotionに自動保存され、人事部全体で共有可能です。
  • 最適な候補者リストを生成し、採用プロセスを迅速化します。

効果:

  • 候補者検索と評価の時間を大幅に短縮します。
  • 客観的なスコアリングにより採用判断の精度と公平性を向上します。
  • 採用パイプラインを自動化し、人事部の生産性を強化します。

テンプレート:
LinkedIn Talent Pipeline: AI-Powered Candidate Search and Ranking with GPT-4o

応募者分析

課題:
多数の応募者データを手動で整理・評価するのは非効率で、見落としのリスクが高くなります。

解決策:
「AI Automated HR Workflow for CV Analysis & Candidate Evaluation」テンプレートを使用します。

  • トリガー:応募フォームやファイルアップロードです。
  • CV情報(学歴・経験・スキル)を自動抽出します。
  • AIでスコアリングし、要件に合致する候補者を分類します。
  • 結果をGoogle Sheetsに保存し、採用チームへ共有します。

効果

  • 書類選考の精度が向上し、見落としを防止できます。
  • 評価データが構造化され、後続の分析に活用できます。
  • 採用スピードを向上させ、優秀な人材を逃さなくなります。

テンプレート:
AI Automated HR Workflow for CV Analysis & Candidate Evaluation

カスタマイズ面接質問生成

課題:
面接担当者は候補者の履歴書(CV)や求人票(JD)を確認しながら、適切な質問を考えるのに多くの時間を費やしています。
質問内容が面接官ごとにばらつくため、評価基準が不統一になりやすいという課題もあります。

解決策:
このワークフローは、GPT-4o を活用して面接内容を自動生成します。

  • 候補者の履歴書(CV)と求人票(JD)を入力します。
  • GPT-4が応募ポジションと面接ラウンドに応じた質問を自動生成します。
  • 面接目的に合わせて質問の深度を調整し、候補者評価を効率化します。
  • 質問リストを自動で保存・共有し、人事部の全体で一貫性を確保します。

効果:

  • 面接準備にかかる時間を大幅に短縮できます。
  • 面接の質と公平性が向上します。
  • 人事部が効率的に候補者の適性を判断できます。

テンプレート:
Generate Tailored Interview Questions with GPT-4 Based on CV, JD, and Round

新入社員オンボーディング

課題:
新入社員の入社手続きやアカウント作成、研修準備などを手動で行うと、タスク漏れや対応遅延が発生しやすく、スムーズなオンボーディングが難しくなります。また、関係部署間の情報共有にも時間がかかり、非効率的です。

解決策:
このワークフローは、GPT-4o、Jira、Notion、Gmail を連携させ、入社プロセスを自動化します。

  • 入社フォーム送信や契約完了をトリガーに、Jiraでタスクを自動生成します。
  • Notion上で新入社員情報やタスク進捗を管理します。
  • GPT-4oがオンボーディングメールや研修案内を自動作成し、Gmailで送信します。
  • 未完了タスクを自動でリマインドし、チーム全体の進行を可視化します。

効果:

  • 入社初日から必要な環境と情報をスムーズに準備できます。
  • 人事担当者の業務の負荷とミスを大幅に削減します。
  • 一貫したオンボーディング体験を実現し、社員の満足度を向上します。

テンプレート:
Automate Employee Onboarding with GPT-4o, Jira, Notion, and Gmail Integration

社員サポート・フィードバック対応

課題:休暇申請、社内ポリシーの質問、苦情・要望など、社員からの問い合わせ対応に時間がかかります。

解決策:「Automated HR Service System with WhatsApp, GPT-4 Classification and Google Workspace」を使用します。

  • トリガー:社員からのWhatsAppメッセージです。
  • GPT-4で休暇、FAQ、苦情など内容を分類します。
  • 定型案件は自動返信し、複雑な案件は人事担当者へ転送します。
  • 対応履歴をGoogle Sheetsに記録し、分析できるようにします。

効果

  • 社員からの問い合わせに即時対応でき、満足度が向上します。
  • 人事担当者の処理負荷を軽減できます。
  • 問い合わせ傾向を可視化し、制度改善に役立てることができます。

テンプレート:Automated HR Service System with WhatsApp, GPT-4 Classification and Google Workspace

給与処理自動化

課題:
給与計算を手動で行う場合、入力ミスや計算エラーが発生しやすく、従業員への支払い遅延や人事部門の負担増加につながります。
また、給与明細の作成・送信にも多くの時間がかかってしまいます。

解決策:
このワークフローは、GPT-4、Google Sheets、Slack を活用して給与処理を自動化します。

  • Google Sheetsから従業員データを取得し、GPT-4が給与計算を自動で行います。
  • 結果をもとにPDF形式の給与明細を生成し、各従業員に送信します。
  • Slackで支払い完了や処理状況を自動通知し、リアルタイムに進捗を確認できます。

効果:

  • 給与計算の精度とスピードが向上します。
  • 手動作業を削減し、人事担当者の負担を軽減できます。
  • 給与処理の透明性を高め、チーム内での確認・共有を効率化できます。

テンプレート:
Automate Payroll Processing with GPT-4, Google Sheets, PDF Payslips, and Slack Alerts

パフォーマンス評価プロセス自動化

課題:
従業員のパフォーマンス評価プロセスは、日程調整、評価データの集計、リマインダー送信など、
多くの手動タスクが発生しやすく、担当者の負担が大きくなります。
さらに、評価時期の管理ミスや連絡漏れが発生することで、評価の公平性や効率が低下してしまいます。

解決策:
このワークフローは、Google Sheets、Google Calendar、Email、Slack を連携し、パフォーマンス評価プロセスを自動化します。

  • Google Sheetsに登録された評価スケジュールをもとに、自動でGoogle Calendarに予定を作成します。
  • 期日が近づくと、Slackやメールで担当者・マネージャーへリマインダーを送信します。
  • 評価結果を自動集計し、チーム全体で確認できるようにします。

効果:

  • 評価スケジュールの管理と通知を自動化し、抜け漏れを防止できます。
  • 人事担当者の事務作業を削減し、戦略的な業務に集中できます。
  • 評価プロセスを統一し、チーム全体で効率的なレビューを実施できます。

テンプレート:
Automate Performance Review Process with Google Sheets, Calendar, Email, and Slack

>>>関連記事:

n8n 始め方

ワークフローテンプレート:AI Onboarding Assistant with n8n × Dify

課題

新入社員のオンボーディングは、企業文化を理解し、業務に早く慣れてもらうための重要なプロセスです。
しかし実際には、アカウント発行・社内ツールの権限設定・メール送信・社内ルールの説明など、多くの繰り返し作業が発生します。

特に採用人数が多い企業では、人事部が毎回同じタスクを手動で行うため、

  • 作業時間が膨大になる
  • 手続き漏れや連絡ミスが発生する
  • 社員ごとに対応内容にばらつきが出る
    といった課題が生じます。

解決策

この課題を解決するために、n8nとDifyを組み合わせたAIオンボーディングワークフローを導入します。

  • n8n は、アカウント作成やツール連携などの定型処理を自動化します。
    (Gmail、Slack、Notion、Google Driveなどの連携が可能です)
  • Dify AI は、AIエージェントとして新入社員に必要な情報を案内し、質問に回答します。

Flowchart

ワークフローの流れは次の通りです。

[1] 入力トリガー(Google Form / Notion)
├ 新入社員情報を取得
│ (氏名・部署・メール・入社日など)
↓
[2] n8n:アカウント作成・権限設定
├ Gmail / Slack / Notionのアカウント発行
└ 個人用フォルダをGoogle Driveに自動作成
↓
[3] Dify AIへ連携
├ 新入社員データを送信
└ 「AIオンボーディングアシスタント」を生成
↓
[4] Dify AI:ウェルカム対応
├ Slack / メールで挨拶メッセージを送信
├ 社内ルール・研修スケジュールを案内
└ よくある質問(FAQ)に自動回答
↓
[5] n8n:完了報告・記録
├ オンボーディング進捗を記録
└ 人事部へ通知(Slack / Google Sheets)

導入効果

AI Onboarding Assistant with n8n × Dify 導入効果

結果として、オンボーディング全体が効果的ーかつ一貫性のあるプロセスに変わり、新入社員はスムーズにチームへ溶け込み、人事部は戦略的業務へリソースを集中できるようになります。

>>>関連記事:

n8nとDifyの連携

まとめ

その中でもn8nは、ノーコードであらゆる人事ツールを連携し、採用・オンボーディング・評価・給与処理・社員対応といった繰り返し発生する事務作業を自動化できる強力なプラットフォームです。

スタートアップから大企業まで、限られたリソースの中で最大の成果を上げるための理想的なソリューションと言えます。人事部はn8nを活用することで、定型業務から解放され、より戦略的で人材育成・組織文化の醸成・長期的な人材戦略の立案などの価値の高い活動に注力できるようになります。

もし御社の人事部が、現在使用しているツールやプラットフォームでは業務の自動化がうまく機能していない、またはプロセス改善に課題を感じている場合は、ぜひRelipaにご相談ください。

Relipaは、Web3・ブロックチェーン開発をはじめ、DX推進・業務自動化分野で9年以上の実績を有し、
日本および世界中の多くの企業から信頼を得ています。
弊社は、御社の業務内容に最適化したn8nワークフローの設計・構築を行い、人事部が本来の使命である「人と組織の成長」に集中できる環境づくりをサポートいたします。
今すぐRelipaにお問い合わせいただき、AIと自動化による新しい人事の形を体験してください。