2023.02.20

2023年に注目すべき SaaS トレンドのトップ4 

序論 

近年、 SaaS の普及率は年々高まっています。SaaS 市場の拡大に伴い、1社あたりで利用されている SaaS の数は拡大し続けており、日本国内での増加速度はすさまじく、2018年から2022年の年平均伸び率は130%に及びます。もはや、SaaS は企業にとって切り離せないものになり、今後もその拡大は続くものでしょう。 

この記事では、SaaS 業界の近年の動向から今後の展開に始まり、2023年も注目すべき SaaS の4トレンドを紹介します。 

日本の SaaS 市場の簡単な概要 

日本の SaaS 市場は年々拡大しています。 SaaS とは、ビジネスの中核をなすクラウドベースのソフトウェアです。日本のSaaS市場は、2025年は2020年の2倍1.5兆円規模まで成長する想定です。2020年からコロナの流行を機に、リモートワーク需要が増して、SaaSの導入が急増しました。企業が業務効率やビジネスの拡大に利用しています。今後は、日本でもSaaS市場がさらに加速していきます。 

日本の最新の SaaS トレンドを知ることの重要性 

そして、近年 SaaS トレンドの重要性が増しています。 企業の業務効率やコスト削減が期待でき、多くのメリットがあるからです。 日本の最新のSaaSトレンドを知ることで、特に下記の事項で役立ちます。  

  • 1つ目は、プロジェクト管理(生産性向上)です。 タスク管理やスケジュール管理だけでなく、進捗と課題管理などのリソースを一元管理できます。  
  • 2つ目は、セキュリティです。 SaaSのセキュリティは、提供者側で管理されているため、常に最新のセキュリティ対策を実施しています。  
  • 3つ目は、顧客の満足度が高まります。 顧客管理ツールを活用することで、あらゆる問い合わせにスムーズに対応することができます。顧客が安心してサービスを利用できます。  
  • 4つ目は、データの共有が簡単です。 インターネットが接続する環境であれば、簡単に誰でもデータにアクセスできます。同時に複数人に共有できるため、保存先が複雑になることなく一元管理できます。  

日本企業がSaaSトレンドを導入することで、テクノロジー進化とともにビジネスの拡大が期待できます。 

クラウドベースソリューションの普及 

次に、クラウドベースのソリューションの概要、メリットと使用例について詳しく解説します。 

SaaS トレンド1位:クラウドベースソリューション
SaaS トレンド1位:クラウドベースソリューション

クラウドベースのSaaSソリューションについて 

クラウドベースのSaaSソリューションは、インターネット経由で利用できるソフトウェアサービスです。サーバの保管が不要のため、コスト削減につながります。特に、どこからでもデータにアクセスできるため、ファイル同期や共有に最適です。また、バックアップや復元が容易でカスタマイズができます。ネットがつながる環境で使用できるため、使いやすさや柔軟性があります。 

アジアで最も早く SaaS を採用しているにもかかわらず、日本企業はコア業務のほとんどをクラウドに委ねることには依然として慎重です。 セキュリティ上の懸念は別として、確立された企業は、何年にもわたるデータをクラウドにアップロードするために、より多くのリソースを必要とすることがよくあります。 したがって、日本市場に参入する際にクラウドベースのソリューションを採用することは、競争に勝ち、間接費を削減し、参入時に迅速な意思決定を行うための賢明な方法です。 

クラウド エンタープライズ リソース プランニング (ERP) システムを使用すると、国境を越えたコラボレーションが容易になります。 貴社の母国の専門家は、日本のチームと連絡を取り、協力して、日本市場向けにさまざまなビジネス プロセスを迅速にカスタマイズできます。 

日本では人口の高齢化が進んでいるため、新しい支店ですべてのコア業務を管理するスタッフの採用が困難になる可能性があります。 クラウド ERP を使用すると、ローカル チームは、管理、人事、財務などの日常的な機能をローカルの代理店にアウトソーシングしたり、本社のチームにプッシュしたりしながら、生産、販売、マーケティングに関する日本の新たな現場の現実に対処できます。 

日本でのクラウドベースのSaaSソリューションの使用メリット 

そして、日本でクラウドベースのSaaSソリューションのメリットとして下記4つです。  

1つ目は、低コストです。  

サーバーの管理が不要で、コスト削減になります。初期投資が少なく、簡単に利用できます。 通常サービスの利用までには、長い期間を要します。 しかし、SaaSソリューションを利用することで、完成したサービスを使えるわけです。  

2つ目は、利用が容易です。  

インターネットがつながる環境で使用可能なため、在宅でもモバイルからも利用が可能です。 従来では、特定のデバイスでしかデータにアクセスができないことやソフトウェアを使えないなどの制約があります。 SaaSソリューションでは、インターネット経由でデータやサービスを活用できます。  

3つ目は、柔軟な対応が可能です。  

 利用者の増減にも容易に対応できます。 クラウドベースでは、インターネット上のサービスを利用し変更するだけです。 従来では、リソースの増強などの対応が必要でコストがかかります。 ニーズに合わせて、柔軟に対応可能な点はSaaSソリューションのメリットです。  

4つ目は、セキュリティ管理が不要です。 

 SaaSソリューションでは、セキュリティも利用者が管理する必要がないです。 提供者が、常にセキュリティの脅威に対するアップデートをしているからです。 利用者はセキュリティを考慮する必要がなく、作業コスト削減につながります。 同時に安心な環境で利用できます。  

クラウドベースのSaaSソリューションを活用することで、ビジネスにおいてメリットが多くあります。 

日本で人気のクラウドベースのSaaS ソリューションの例 

また、日本でも多くのSaaSソリューションサービスがありますが、主なクラウドSaaSソリューションを紹介します。 

  • Slackは、社内で利用するビジネスチャットツールです。音声通話にも対応しています。 
  • Microsoft Teamsは、Slack同様のチャットツールです。オンライン会議など、Office製品との連携もできます。 
  • Chatworkは、無料のビジネスチャットツールです。タスク管理やファイル共有に利用できます。 
  • Zoomは、2020年から多く利用され始めたオンライン会議ツールです。特徴は、主催者が招待URLを参加者に共有することができます。 
  • Notionは、仕事やプライベートのメモやタスク管理ツールです。自身の好みでカスタマイズでき、無料と有料があるが無料で十分です。 
  • Redmineは、プロジェクト管理ツールです。タスク管理やプロジェクトの情報共有を管理できます。 
  • Trelloは、見やすいデザインのタスク管理ツールです。かんばん方式を採用しており、一目で進捗がわかります。 

他にも多くのクラウドベースソフトがありますので、ニーズに合わせて使いやすいものを選ぶことが大切です。 

人工知能と機械学習の重視 

さらに、SaaSソリューションに欠かせない役割を果たす人口知能と機械学習について解説します。 

SaaS トレンド2位:人工知能 (AI)と機械学習 (ML)
SaaS トレンド2位:人工知能 (AI)と機械学習 (ML)

SaaS における人工知能 (AI)と機械学習 (ML)の活用

日本企業は、人工知能 (AI) と機械学習 (ML) をますます使用して、すべての機能部門にわたって運用を最適化しています。まず、SaaSにおけるAIとMLの活用について解説します。 SaaSにおいてAIとMLの活用は役立ちます。多くのソリューションで利用されています。 主にAIでは、「データの継続的収集」「製品需要の情報収集」「市場規模の情報収集」「参入障壁の情報収集」「顧客に関する情報収集」で役立ちます。 主にMLでは、「膨大なデータからパターンを特定」「データの予測」「データの分類」「自動的なタスク実行」で役立ちます。  

人材不足が加速している現代では、AIとMLが注目されています。 よって、AIとMLを活用することで、ビジネスにおいてのあらゆる決断を自動化できます。 

SaaS における日本のAIとMLの活用事例 

次に、日本でのSaaSソリューションにおけるAIとMLの使用事例をいくつか紹介します。  

  • 来客管理では、顧客の動向からニーズを分析し、商品の配置や改善施策を実施することで売上向上に役立ちます。  
  • SNS自動投稿では、特定のメッセージを送ってきたユーザーに対して自動でメッセージを送信します。 投稿者の労力を減らし、SNS運用を効率化可能です。  
  • コールセンター自動音声では、音声認識で自動で電話応対をすることで、多くのお客様の対応が可能です。 コールセンターの人材不足改善、業務効率化になります。 

その他にも多くの使用事例があり、AIとMLを活用することで業務改善化が期待できます。 特にサービス業や金融業、SNSでの利用が多いです。 

SaaS におけるAIとML市場をリードする企業 

次に、SaaSでのAIとMLを採用している代表的な企業をいくつか紹介します。  

1社目は、Googleです。  

Googleは、最大手の検索エンジンサービスです。その他にも、メールやYoutubeといった様々なサービスを提供するSaaS企業です。Googleでは、「Google翻訳」や「Google Pixel」などの身近な製品にAIが搭載されています。 世界的にも、GoogleはAIとMLをリードしている企業です。  

2社目は、Salesforceです。  

Saleseforceは、顧客一元管理システム(CRM)です。 Salesforce Einsteinは、CRMの効率を高めるAIです。 AIを活用することで、顧客分析やチャットボットでのやり取りの自動化を実施しています。 簡単な問い合わせへの回答から、顧客開拓を提供しています。  

3社目は、freeeです。  

freeeは、クラウド会計ソフトサービスです。 主にバックアオフィス業務で活用されています。 freeeでは、AIを活用し領収書の情報を読みとり自動入力を提供しています。 AIによる経理業務の効率化をリードしている企業です。  

他にも数多くのAIとMLを活用したSaaSソリューションがあり、業務効率化のために実装している企業が増えています。 

SaaS 企業向けの Web 3.0 とメタバース 

また、2022年から新たに出てきたWeb3.0とメタバースについて、SaaS企業向けに解説します。 

SaaS トレンド3位:Web 3.0とメタバース
SaaSトレンド3位:Web 3.0とメタバース

Web 3.0とメタバースを分かりやすく解説

2022年のトレンドとして、Web3.0やメタバースが流行しています。では、Web3.0とメタバースについて解説します。Web3.0を解説する前に、Web1.0とWeb2.0をおさらいします。Web1.0は、インターネットが普及し始め、主にWebの閲覧だけのサービスです。利用者は、ホームページの閲覧とメールサービスの利用のみです。Web2.0は、インターネットと双方向通信が可能になり画像や動画の閲覧からSNSでの発信ができます。SNSで気軽に情報発信ができ、利用者が閲覧だけでなくインターネットへ参加するのがWeb2.0です。Web3.0は、インターネットの次世代を指す用語で分散型インターネットです。 

Web2.0でのセキュリティのリスクや問題を解消するために、Web3.0が登場したのです。ブロックチェーン技術により、個人が情報を所有し管理することができます。提供者側が管理者ではなく、企業側に情報を預けるのではなく自己管理することで情報が分散されセキュリティレベルが上がります。自身の情報を各個人が管理するのがWeb3.0です。 

メタバースは、仮想世界の意味です。語源は、メタ(超越した)バース(宇宙)の2つを合わせた造語です。個人が自身のアバターを作り、インターネット上に作られた仮想世界で行動したり他者と交流できます。最近では、個人の作成物をNFTとして販売したりしてビジネスで稼ぐ人がいます。メタバースでできることは、仮想空間内のアイテムや土地をNFTとして販売したり、ユーザがNFTを構築して販売し利益を得られます。メタバースは、個人が仮想世界で遊んだり物を買ったり自由に移動できる空間のことです。 

SaaS 企業におけるWeb 3.0とメタバースの活用 

次に、SaaS企業がWeb3.0とメタバースを利用する機会について解説します。ブロックチェーン技術により、個人情報を分散して管理可能です。この機会にSaaS企業は、顧客のデータをより安全に管理できます。また、インターネットの分散化により、SaaSソリューションを最低限に使用してデータ収集や分析が可能になり、SaaSコスト削減につながります。メタバースを利用する機会としては、デジタルツインにより膨大なデータをリアルタイムに仮想環境に移し分析に利用します。現実世界の状況を再現することで、SaaS製品の工程やサービスの改善が可能です。 

SaaS におけるWeb 3.0とメタバースの活用のメリット 

さらに、SaaSにおけるWeb3.0とメタバースの実装のメリットは何か。 メリットを3つ紹介します。  

  • Web3.0の実装により、利用者の行動履歴や顧客属性を分析しサービスを提供することができます。 顧客満足度が向上し、ブランド力を上げられます。  
  • Web3.0とメタバースの実装により、ブロックチェーン技術を使うことで顧客情報を安全に管理できます。 データのセキュリティを高く保証します。  
  • メタバースの実装により、デジタルツイン(現実世界の情報をもとに、仮想世界にも構築)を活用し、さまざまなシミュレーションを行う技術を提供します。 よって、開発時間の短縮とコスト削減ができ効率よく開発が可能です。  

SaaS企業で、Web3.0とメタバースを実装することで顧客からの信頼とSaaSニーズを抑えながらビジネスの利益を上げられます。 

量子コンピュータの増加 

従来のコンピュータ処理では膨大なデータを処理できません。そのため、量子コンピュータにより処理できない問題を解決することができます。今後、量子コンピュータの需要が増えていくことは確実です。そこで、SaaSにおいての量子コンピュータについて解説します。 

SaaS トレンド4位:Web 3.0とメタバース
SaaS トレンド4位:Web 3.0とメタバース

量子コンピュータを分かりやすく解説

量子コンピュータとは、量子力学の原理にもとづいて計算する複雑な計算方法です。量子計算を元に開発されたのが「量子コンピュータ」です。従来のコンピュータと違い、高速に処理することができます。具体的に従来のコンピュータは、4通りの処理を行うには4回計算します。しかし、量子コンピュータは同じ処理を同時に計算可能です。従来のコンピュータでは、処理の限界が迎えるとされていますが、量子コンピュータの登場により大量のデータを処理できます。 

SaaS における量子計算の重要性 

SaaS市場において、量子コンピュータは重要です。量子コンピュータは、高速な処理から高度な暗号化が利用できます。 例えば、顧客データを暗号化技術で管理できます。 そのため、従来では破られていたセキュリティーホールを保護が可能です。 このことから、SaaSソリューションの業務効率を上げられます。 今後は、SaaSにおける重要な役割が量子計算を用いることで可能性が広がるでしょう。 

SaaS における量子コンピュータの潜在的なアプリケーション 

SaaSにおける、量子コンピュータの潜在的なアプリケーションはいくつか考えられます。以下、想定されるものを4つ紹介します。  

  • 1つ目は、データ分析です。 量子計算では、データを効率的に分析できます。 顧客データや行動履歴から、的確なデータを得られます。  
  • 2つ目は、データセキュリティです。量子計算では、高度な暗号化が可能です。 顧客情報や重要なデータを安全に管理することができます。  
  • 3つ目は、計算処理です。 量子計算では、従来のコンピュータとは異なり大規模な計算処理が可能です。 高速で正確な処理が期待できます。   
  • 4つ目は、機械学習です。 量子計算では、AIや機械学習にも活用されます。 膨大なデータを必要として、従来のコンピュータでは不可能でした。しかし、量子計算を活用することで機械学習の応用に期待できます。  

SaaSの潜在的なアプリケーションの可能性を一例としてあげましたが、量子コンピュータはSaaSの発展に必要でしょう。 

結論 

よって、最近は、企業でSaaS ソリューションを使う企業が増えています。SaaS ソリューションを利用することで、テレワークの普及により働き方が自由になりました。さらに、AIやMLの活用により開発の幅が広がります。AIとMLを活用することで、業務効率を上げることができます。Web3.0は、次世代の分散型インターネットであり、Web2.0のセキュリティリスクを解消するために登場しました。SaaS企業において、Web3.0とメタバースを利用することでビジネスのコスト削減と安全性が高まります。今後は、さらに注目が集まること間違いないです。SaaS企業において、最新のSaaS トレンドを知ることはビジネスにとって競争優位性を確保するために必要です。最新のSaaS トレンドは、常に需要が変化するため常にアンテナを張りましょう。ビジネス需要に対応するため、最新のSaaSトレンドを取り入れることが大切です。具体的にAIやMLなどの新しい技術は、SaaS ソリューションに重要です。SaaS トレンドを知ることで、ビジネスのニーズやトレンドに合わせてサービス開発できます。これにより、顧客満足度を高めビジネスの成長につながります。最新のSaaSトレンドを知ることで、顧客ニーズに合ったサービスを提供できます。 

レリパは、SaaS 開発の豊富な経験と熱心なコンサルティングにくわえ、迅速な対応スピードにより、お客様のニーズに最適なパッケージを提供します。SaaS 開発のご要望がありましたら、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。