ITに関わる業務をアウトソーシングするならベトナムの企業がおすすめです。
若くて優秀なエンジニアやITリテラシーの高い人材が数多く育っており、日本企業とは比較にならないほど安価にIT業務を幅広く委託することが可能となります。Appleやサムスンといった巨大テック企業からもIT分野におけるベトナムのポテンシャルや将来性が高く評価されています。
そこで今回は、ITアウトソーシングの意味や種類、ベトナムのITアウトソーシングを利用する8つの大きなメリットについて解説します。
ITアウトソーシングとは
「ITアウトソーシング」とは、企業がITに関する業務を専門業者に外部委託することを意味し、「ITO(Information Technology Outsourcing)」ともいわれます。
システム開発やソフトウェア開発にはじまり、サーバー、セキュリティ、OSの運用業務や保守にいたるまで、その範囲や種類は多岐にわたります。
ITの世界は進歩が速く、変化もめまぐるしいため、業界内で見劣りしないシステムを維持し、トレンドにキャッチアップし続けることは容易ではありません。といってそのためのIT人材を社内で確保したり育成したりするのは、大変なコストと時間がかかります。しかもIT業務にリソースを投入しすぎると、本業がなおざりになり本末転倒にもなりかねないでしょう。
そこでIT業務を外部委託できれば、コスト削減や業務の効率化、競争力向上などに寄与します。
IT分野はアウトソーシングがもっとも活用されている領域
もともとアウトソーシング自体は、さまざまな業界や業種で行われてきたことで、決して珍しくはありません。
例えば建設業界なら、建設会社や工務店が自分たちでは手が回らない設備や内装業務などを下請け、孫請けをつかって仕上げます。ファッション業界でも、染色や縫製を中小の専門業者に委託する例が珍しくありません。ただ、これらの例の多くはあくまで自分たちの仕事に付帯する関連業務を必要に応じてアウトソースするのが一般的です。
しかし、ITアウトソーシングとなると、パソコンやインターネット、クラウドなどを使用するすべての会社が対象となります。業界は関係ありません。上記のような建設やファッション以外に、食品や鉄鋼、化学といった製造業、スーパーやコンビニ・百貨店などの流通業、倉庫や運送といった物流業、政府や自治体などの官公庁、医療施設、商社、農林水産業、燃料や通信をはじめとするインフラ関連、エンタメなどと、実に広範囲にわたります。
現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が世界中のあらゆる業界で強く叫ばれています。デジタルの力を有効利用して業務の効率化を図り、かつてない次元にまで製品やサービスを向上させるべくビジネスモデルを変革し、競争優位に立つことを目指します。ところがDXは、口で言うほど容易いことではありません。
1日も早くDXに取り掛からなくては、顧客ニーズを満たすことができず将来が危ういとわかっていても、何から手をつけて良いかわからない経営者が相当数にのぼると考えられます。あるいは、構想があってもその実現方法がわからないケースも少なくありません。そう考えると、DXの実現は、豊富な専門知識と経験を有するIT専門企業の力なくして成り立たないといっても過言ではないのです。
ITアウトソーシングの種類
ITアウトソーシングには、さまざまな種類があります。
具体的には、以下の通りです。
- フルアウトソーシング
- オフショア開発
- 運用アウトソーシング
- ホスティング
- ハウジング
- 常駐サービス
- ヘルプデスク
それぞれについて解説しましょう。
フルアウトソーシング
ITシステム全般について外部に委託するのが、「フルアウトソーシング」です。
発注元となる企業の現状やシステムのニーズ、導入の目的などを十分に理解した上で、企画、設計、開発、テスト、さらに運用と保守にいたるまでトータルで業務を担います。
社内にIT人材と呼べる存在がないか、極めて少ないため自前での開発や運用が不可能な場合にこの形式をとることが多いです。場合によっては、初期の企画を発注元が自ら行ったうえで、その先の業務をアウトソースするケースもあります。
オフショア開発
「オフショア開発」は、フルアウトソーシングの一種で、主にベトナムをはじめとする東南アジアのIT企業に開発業務や運用・保守を委託する手法のことです。
近年、東南アジアでは、インドや中国のように開発経験が豊富で優秀なエンジニアが急激な勢いで増加している国が目立ってきています。ところがこの両国は人件費の高騰が著しいため、オフショア開発の強みである安さの面で、かつてのようなメリットが薄れてきているのです。そこで、世界的に注目されているのが、ベトナムです。その理由は、自国内に高いレベルのIT教育機関が多数存在し、国をあげてエンジニアの育成に注力していることもあって、非常に開発力の優れたIT企業が増えているからです。
物価水準が高いだけでなく、IT人材不足が原因で日本国内の開発費用は非常に高騰しており、安ければその半分以下という価格で開発ができるオフショアのニーズが、大変高まっています。
運用アウトソーシング
ITシステムの運用部分だけを外部委託するのが「運用アウトソーシング」です。基幹システムや業務システムを開発、導入したものの社内人材だけでは使いこなせないケースが少なくありません。さらに近年は、サイバー攻撃がますます巧妙になり、高度化、悪質化しているため、セキュリティ関連の対策も無視できません。そこでシステムのアップデートも含めて、運用と保守を専門業者に委託できれば、不安やリスクから解放されるでしょう。
ホスティング
外部サーバーを借りるのが、「ホスティング」です。自社でサーバーを構築すると運用と管理に多くの費用や人手が必要になります。ストレージが許容量に達すれば増設を検討しなければなりません。
そこでベンダーのサーバーを借りることができれば、必要に応じて好きなだけデータを増やすことができる上、管理やアップデート、メンテナンスの手間も省けます。
ハウジング
「ハウジング」は、サーバーや通信機器を自社で用意してサービス会社に預けることを意味します。ホスティングと異なりリソースは自前で、管理やメンテナンス、保守などを任せます。
常駐サービス
「常駐サービス」は、発注元の企業に出向いてIT企業の社員が常駐するスタイルです。基幹システムが稼働したばかりとか、新規事業立ち上げに際してシステムを一新するといった場合、想定以上にトラブルが多かったり、発注元では解決できない問題が多発したりすることがあります。その度に現場に駆けつけるのは非効率ですし時間がかかるため、ユーザーの損失と発注元の売上や企業価値の低下を招きかねません。そこで常駐サービスを活用するとリスクが大幅に回避できるのです。
ヘルプデスク
ITシステムや機器の使い方に関するユーザーからの問い合わせを発注元に代わって行ったり、発注元の社員にシステムや機器の使い方、トラブル解決方法についての疑問に応えたりするのが、「ヘルプデスク」です。
電話で直接応対することもあれば、メールやチャットを利用するケースもあります。コールセンターもヘルプデスクの一種です。また、昼間は発注元の社員が対応し、夜間や休日に限ってアウトソーシングする例もあります。
ベトナムでITアウトソーシングを利用する8つの大きなメリット
ITアウトソーシングの8つのメリットについて解説します。なかでも特にベトナムのオフショア開発を利用することで得られる利点を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
具体的なメリットは、以下の通りです。
- 人件費の削減
- 優秀なエンジニアが多彩で豊富
- 整備されたITインフラ
- 多様なテクニカルスキルセット
- 政治的安定性
- コミュニケーションの容易さ
- アジャイル・スクラムの積極活用
- 誠実さと透明性に長けている
1. 人件費の削減
ベトナムの物価水準は、日本と比べると20〜30%前後です。この水準は、ITアウトソーシングにもほぼそのまま当てはまります。
つまり日本で100万円かかる開発費用が、ベトナムだと20〜30万円ほどで済むということです。
ITアウトソーシングの費用は、エンジニアやブリッジSEという発注元と委託される企業の橋渡し役となるエンジニアなどの人数と単価、そして開発期間を掛け合わせたり合算したりした金額で算出されます(例外もあり)。
基幹システムやソフトウェアの開発は、長ければ数ヶ月〜1年以上かかるものもあり、コストは数百万〜数千万円に達することも珍しくありません。これが20〜30%前後で済むとしたら、コスト削減効果は極めて高いといえるでしょう。
2. 優秀なエンジニアが豊富
ベトナムには、ハノイ工科大学やホーチミン市工科大学をはじめとする、非常にレベルの高い情報技術系大学が多数存在します。学生たちには、世界の名だたるIT系の大学と交流したり、業界でトップクラスの企業のエンジニアから直接講義を受けたり、企業でのインターンシップを通じて、ソフトウェアの開発、AIやIoTといった最先端技術について学べる環境が与えられています。その結果、極めて優秀なエンジニアが多数輩出されているのです。
特筆すべきは、ベトナムの年齢別の人口比率です。人口の約70%が35歳以下、しかも15〜35歳までの人口が、全体の約45%を占める点です。2020年の国連の統計によると平均年齢は約32歳という驚異的な若さです。ちなみに日本は、約48歳ですから、いかにベトナムの若者比率が高いかがわかるでしょう。
これらの状況を鑑みると、ベトナムでは今後も若くて優秀なエンジニアたちが多数育成され、ベトナム経済を牽引する役割を果たすのは間違いありません。もちろん経験豊富な熟練エンジニアも多数存在するので、その開発力の高さは世界中から注目されているのです。
3. 整備されたITインフラ
ベトナム政府は、GDPに対するデジタル経済の比率を2025年までに約20%、2030年までに約30%にする方針を打ち立てています。
フィンテック、Eコマース、教育テクノロジー、さらにAIやブロックチェーンというWeb3.0にいたるまで、ベトナム国内でのデジタル化は目を見張る勢いで進んでいます。それを証明するかのように、海外からこれらのデジタル分野への投資が飛躍的に高まっています。
その中で大きな活躍を見せているのが、システム開発などを手がけるIT企業です。国際的に見ても先進国に引けを取らない高レベルのITインフラを備え、さまざまな開発ニーズに果敢に応える姿勢は、海外からも高く評価されているのが現状です。
したがって、オフショア開発を利用すれば、期待かそれ以上の成果を望むことも可能といってよいでしょう。
4. 多様なテクニカルスキルセット
ベトナムのエンジニアは、多様なスキルセットを持ち合わせています。
基幹システムや業務システムにはじまり、ゲームやブロックチェーン、メタバースといった最先端のプロダクトを開発するためのプログラミングの知識。
また、クライアントの意図を深く汲みとって理想通りのUIやUXを実現する論理的思考力から高いデザイン力、集客のノウハウに至るまでさまざまな技能を有するため、多彩な開発ニーズに対応することが可能です。
5. 政治的安定性
ベトナムは長らくベトナム共産党による一党独裁が続いており、政治面で比較的安定している点もメリットといえるでしょう。
地政学的に見ても、どこかの国と紛争や強い軋轢があるわけではなく、平和で落ち着いている傾向にあります。そのため、突然政変が起きてビジネスにおける取引が立ち行かなくなるといったリスクは低いと考えてよいでしょう。
6. コミュニケーションの容易さ
ベトナムは基本的に親日派が多いため、日本人にとっては非常に仕事がしやすい利点があります。エンジニアやブリッジSEの中には、日本語が堪能な人材が多く、通訳も豊富です。よってコミュニケーション面での心配はさほど必要ないでしょう。
ちなみにベトナムと日本の時差は、わずか2時間しかありません。よって、ほぼリアルタイムで連絡を取り合える点もメリットでしょう。システム開発において、業者に丸投げするのは危険です。相手を信じ切ってしまい、要所において進捗状況を確認しないでいると、開発の終盤になって大きな勘違いや考え方の相違が見つかることがあるからです。そこから修正をするのは、時間的にもコストの面でも大きなロスが生じます。そのため、まめにコミュニケーションがとれることは、開発を成功に導くうえで欠かせない強みとなるのです。
7. アジャイル、スクラムの積極採用
ベトナムにおけるオフショア開発は、アジャイルやスクラムを積極的に採用する「ラボ型」が主流です。ラボ型というのは、開発を発注する企業の専属チームを結成し、決められた期間、求められる業務を高い柔軟性をもって進める手法のことです。途中で不具合や理想と違う面があれば、何度でも仕様変更をすることができます。
目的は、プロダクトの完成ではありません。特定の業務や行為に対して報酬を支払うのがルールです。そのため、テストやユーザーの反応、フィードバックの様子を見ながら臨機応変に開発の方向性を変えることができる点が、大きな強みです。
システムやアプリの開発が、何の問題もなく一度でうまくいくというケースはほぼありません。修正点が生じることは多々ありますし、開発途中でライバルに先を越されることもないとはいえません。そのため、アジャイルやスクラムでなければ現実的な対応が難しいことが多いのです。
8. 誠実さと透明性に長けている
ベトナム人の国民性は、非常に真面目で誠実です。裏表が少ないので、口で言うこと と実際の行動が一致しています。そのため、ビジネスパートナーとして信頼しやすい でしょう。
ITアウトソーシングを検討する際の注意点
最後にITアウトソーシングを検討する上で注意しておくべきことについて解説しましょう。
実績を調べる
ITアウトソーシングの相手となる開発業者は、規模や種類、得意分野などがまちまちです。そのため、自社の目的に合った適切な外注先を選択しなければ、プロジェクトの成功はおぼつかなくなるでしょう。
候補となる相手が、過去にどのような開発をしてきたのか、その実績やプロセスなどもできるだけ詳しく確認してください。できれば、自社と同じ業界の似たシステムの開発を手がけたことのある企業だと、こちらの意図や理念を確実に汲み取ってもらえるので安心でしょう。
担当者の人柄を確認する
プロジェクトが上手くいくかどうかは、最終的に人間関係にかかってくる面が強くあります。担当者の知識や経験はもちろんですが、人柄も重要です。
こちらの話にしっかりと耳を傾け、開発を決断した背景や目的をしっかり汲み取ってくれるか、自分たちの都合を優先して押し付けてくるような面がないかがポイントです。
複数の見積もりを取る
アウトソーシングが初めての場合、勝手がわからないことをいいことに、高い報酬を要求される恐れがあります。決して安ければ良いというわけではありませんが、最初から1社に絞らず、できれば3社以上の見積もりを取るようにしましょう。その中で、予算とその他の要素を総合的に考慮してアウトソーシング先を決めるのがおすすめです。
日本語能力をチェックする
オフショア開発を検討する場合は、相手企業のスタッフやエンジニアの日本語能力をチェックしておきましょう。英語が通じるケースが多いので、こちらが英語に問題なければそれでもよいかもしれません。
しかし、できれば日本語でのやり取りが可能な方が、より確実かつスムーズに業務を遂行することができるでしょう。単語だけのカタコトなのか、文章にして話すことができるのか、またヒアリングや表記はどの程度できるのか、といった点も大切です。
自社にとってこの上なく適切で使い勝手のよいシステムを開発するには、機能やUIについて意図する微妙なニュアンスを伝える必要が出てくることもあるでしょう。そこがきっちり日本語で伝わるのとそうでないのとでは、完成度に差が生じるので注意してください。
保証の範囲を確認する
契約をする前に、アウトソーシングする業務の範囲を明確にして共有することを忘れないでください。
例えば、オフショア開発のラボ型であれば、期間を決めてその間に発生する報酬が確定し、途中で仕様変更を依頼しても決まった期間内であれば追加費用は発生しません。ただし時間が余った場合は、その期間も何らかの作業を依頼しなければならないので要注意です。もし追加依頼しなくても報酬は発生するので気をつけてください。
ラボ型に対して「請負型」という契約もありますが、この場合は、プロダクトを完成のうえ納期内に納品することがミッションとなります。よって基本的に仕様変更は不可能です。ただ途中でやむを得ず方針を変えざるを得ないことがあるかもしれません。その場合の追加費用についても事前によく確認しておきましょう。
さらにリリース後の保守やトラブルの解決についても可能なのか、そうであればその範囲と費用はどれくらいかという点の確認も大切です。サブスクリプションで月ごと定額なのか、それともその都度、料金が発生するのか、はっきりとさせておくようにしましょう。
Webシステム、業務システム、各種アプリの開発、さらにブロックチェーン開発からクラウド移行まで、日本企業の皆様のITアウトソーシング先として数多くの実績がございます。
「こんなシステムを作りたい」「コストが気になる」「どれくらいの時間がかかるのか」など、どんな些細なことからでもご相談いただけます。どうぞお気軽にご連絡ください。
まとめ
ITアウトソーシングを行うならベトナム企業がおすすめです。
・優秀なエンジニアが豊富
・コストが格段に安い
・ITインフラが充実している
・親日派が多い
・日本語が堪能なスタッフやエンジニアが多い
・性格が温厚で誠実
など、日本企業の皆様にとって大変多くのメリットがあります。