現代の日本では、企業経営においてITの活用が必要不可欠となりました。しかし、ITを十分に活用するには、少なからずコストがかかります。「ITコストを削減しつつ、便利な技術を活用できないだろうか」と考える方は多いのではないでしょうか。
本記事では、ITコストを削減するための方法を説明し、コスト削減の選択肢としてのオフショア開発について紹介します。「ITコストの削減をしたいものの、オフショア開発には不安がある」という方に向けて、概要やメリットをわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ITコストを削減するための4つのSTEP
まずは、ITコストを削減するための手順を紹介します。ITコストを削減するには、次に解説する4段階で行ないましょう。
まずはITコストの内訳を知る
「ITコスト」と一口にいっても、そこにはさまざまな種類の費用が含まれています。まずはこの内訳を把握することで、コスト削減の目星を付けましょう。
ITコストの内訳の1つめは、「ものにかかる費用」です。ハードウェアやソフトウェアの購入費用・保守費用・バージョンアップ費用、システムの運用に必要な消耗品の費用がここに含まれます。
2つめは、「サービス利用にかかる費用」です。ネットワークの初期セットアップ費用や回線使用料、あらゆる機器の設置場所にかかる費用がこのカテゴリに入ります。
3つめは、「人にかかる費用」、つまり技術者に支払う費用です。システム環境やアプリケーションの開発、日常的な運用管理、トラブル時の対応、問い合わせなどにかかる費用がここに含まれます。
ITコストを可視化し、代替か削減かを考える
先述の内訳に沿って、自社で発生しているIT機器・サービスとそれにかかるコストを書き出しましょう。ITの利用状況とコストの現状を可視化・棚卸しします。
すべてリストアップできたら、一つひとつの項目を「ムダなもの(こと)」と「そうでないもの(こと)」に分けていきます。ムダかどうかは、「有効性」と「効率」の2つの側面から考えてください。
例えば、使わなくなった機器にかかっている維持コストは、有効性の面から「ムダなもの」だといえるでしょう。また、より新しい機器があるにも関わらず、古い機器を使っているために高額な維持費用が発生しているケースは、効率の面から「ムダなこと」だと判断できます。
【導入】代替の場合、購入かリースかを考える
既存のIT機器に代わるものを導入する場合には、購入だけでなくリースも視野に入れましょう。
新たな機器の導入時には、大きく投資して長期的に回収しようと考える企業も多いでしょう。しかし、技術の進歩が速いIT分野では、高額な機器の購入直後により性能のよい後発機が発売される可能性もあります。
こうしたリスクを回避するためには、リース契約をうまく取り入れるのが効果的です。リースなら、比較的低コストで最新機器を利用できます。高性能な機器を活用することで、業務効率もアップするでしょう。
【運用】アウトソーシングでコスト削減が可能かを確認する
ITコストというと機器の導入時にかかるコストを一番に考えるかもしれませんが、先述のとおり、運用時にも費用は発生します。機器のコストだけでなく、人件費などの管理コストもしっかりと見直しましょう。
近年、便利で運用コストの低いクラウド型サービスが多数登場しています。サーバーをクラウド化して、保守管理に必要な人件費を減らすのも、効果的なコスト削減策でしょう。また、業務の一部をアウトソーシング(外注)することで、大幅な人件費削減につながるケースも多いです。
そこで次項では、アウトソーシングの可能性について確認します。
【ITコストの削減】アウトソースできる業務の一例
企業のIT業務には、アウトソースでコスト削減を狙えるものが多数あります。そのなかでも代表的な例を以下にピックアップしました。
こういった業務を専門の企業にアウトソースすることで、自社のコア業務に集中できます。したがって、アウトソーシングの活用は組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。
IT業務を海外委託でコスト削減!オフショア開発という選択肢
ITコスト削減に有効な手法の一つが「オフショア開発」です。ここでは、オフショア開発とはどのようなものなのか、基本事項を解説します。
オフショア開発とは?
オフショア開発とは、人件費の安い海外の企業にシステム開発や運用をアウトソースして、ITコストの削減を図る手法のことです。世界中の優秀な技術者の手を借りることで、より高品質なシステムの開発・運用が可能になるなど、コスト削減以外のメリットもあります。
特に近年では、クラウドシステムが普及したことによって、離れた場所でも常に最新の情報を共有しやすい環境が整っています。こうした背景も、オフショア開発の活用を後押しする一つの要因といえるでしょう。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査によると、2012年の時点ですでに日本企業の約45.6%がオフショア開発を導入しており、そこから8年が経った現在ではさらにオフショア開発の活用が進んでいると思われます。ITの活用が必要不可欠となった現代の日本で、多くの企業から注目されている開発手法です。
オフショア開発のおもな依頼先
グローバル化が進み、IT先進国の数も増えている現代では、優秀なIT技術者が世界中にいるため、オフショア開発の依頼先もさまざまです。中国やインドなどの老舗から、ベトナム・タイ・ミャンマーなどの比較的新しい国まで、幅広い選択肢があります。
依頼する国によって、人件費の相場や情報通信技術の整備・活用状況などが異なります。また当然ですが、コミュニケーションに使用できる言語も依頼先によって違います。したがって、それぞれの国の特徴を把握して依頼先を決めることが大切です。
オフショア開発先の選び方や最新情報については、以下の記事も参考にしてください。
『オフショア開発の会社の賢い選び方とは?4つの企業タイプもあわせて紹介』
『【2020版】オフショア開発の最新動向!ブームの背景と市場の状況を解説』
ITコスト削減を叶える!オフショア開発の4大メリット
最後に、オフショア開発が持つおもなメリットを4つご紹介します。
大幅な人件費削減につながる
オフショア開発が持つ最大のメリットは、やはりITコストの削減です。依頼先の国によって差はありますが、開発や保守管理などを海外にアウトソーシングすれば、人件費を大幅に減らせます。
オフショア開発をうまく活用すれば、日本でエンジニアを雇うのと比較して1/2以下の人件費で済む場合もあります。例えば、ベトナムの会社に依頼した場合なら、人月単価の相場は20万円~30万円ほどです。
コストが安いとはいっても、エンジニアのスキルは日本と変わりません。エンジニアの人件費が高い現代の日本において、オフショア開発はITコスト削減を叶える有力な手段だといえます。
なお、ベトナムでのオフショア開発のメリットに関しては、こちらの記事で詳しく紹介しております。
『ベトナムでのオフショア開発のメリットとは?人気の背景と注意点も紹介』
社内の人材不足を解決できる
日本のIT人材不足は深刻です。ITを活用するために優秀なエンジニアを探しているものの、採用に苦労している企業も多いのではないでしょうか。また、無事に採用できたとしても、育成に膨大な時間とコストがかかるという課題もあるでしょう。実際に、日本国内では多くの会社がエンジニア不足に陥っています。
しかし、海外に目を向ければ、優秀なエンジニアたちがたくさんいます。オフショア開発を行なえば、世界の優れたエンジニアが有する高いスキルを、育成の手間なく自社に取り込むことができます。
自社で開発や運用の環境を整備する必要がない
オフショア開発では業務を一括して海外に委託するため、オフィスの準備など自社で行なう環境整備も不要です。社内での開発では、こうした環境整備のために多くの手間と時間がかかることは少なくありません。
また、環境整備の必要がなくなることによって、工数削減も実現できるでしょう。ムダのない開発・運用で生産性を向上させたい場合にも、オフショア開発は有効です。
プロジェクト完了にかかる期間を短縮できる
オフショア開発では人件費が安い分、多くのエンジニアを雇うことが可能です。多くのエンジニアが同時に開発作業を行なうことで、プロジェクト完了までの時間が大幅に短縮できるケースもあります。
ただし、プロジェクトの完了を急ぐあまりに、依頼先との間で認識のズレが起こると本末転倒です。どれほど急ぎの案件であっても、要件などのすり合わせは慎重に行ないましょう。
国が違えば、言語も文化も異なります。コミュニケーションに不安がある場合には、日本語と現地語を自在に操れて、それぞれの国の文化を理解し、IT技術にも造詣が深いブリッジSEを確保しましょう。
ブリッジSEについて、さらに詳しい情報は以下のコラムで紹介しております。
ブリッジSE(ブリッジエンジニア)とは?仕事内容と有能な人材の見分け方を解説
まとめ
ITコストの削減では、「ものにかかる費用」や「サービス利用にかかる費用」だけでなく、「人にかかる費用」のムダをなくすことも重要です。オフショア開発なら人件費が大幅に削減でき、人材不足の課題も解決できます。短期間でプロジェクトを完了させたいときにも、オフショア開発は有効です。
「ITコストを削減したい」「オフショア開発に興味がある」という方は、ぜひレリパにご相談ください。レリパは、日本企業に特化したベトナムのオフショア開発会社です。日本人スタッフも在籍しているので、コミュニケーションに不安がある方にも安心してご利用いただけます。
また、レリパはパイロット契約(お試し契約)も可能です。最初の1ヵ月間は、エンジニアの人月単価(25万円~30万円)のみでサービスを体験でき、ブリッジSEの人件費とその他の管理費用は完全無料となります。日本の1/3~1/2程度の費用でご希望の開発が実現できますので、ぜひ活用をご検討ください。