日本のエンジニアではなく、海外のエンジニアに開発を委託するオフショア開発は、その特徴から「本当にトラブルなくプロジェクトを進められるのか?」という不安が付きまとってしまいがちです。
また、過去オフショア開発に取り組もうとして、うまくいかなかったという企業や担当者の話を耳にすることも、もしかしたらあるかもしれません。
そこでこの記事では、過去に起こってしまった失敗事例をまとめ、その予防策をご紹介することで、これからオフショア開発を検討しているあなたが同じ轍を踏まないようなお手伝いをさせていただきます。
成功した事例だけではなく、失敗事例からも次に活かせる学びは多くありますので、ぜひご覧になってみてください。
オフショア開発の失敗事例①納期に間に合わない
まず、オフショア開発においてよくある失敗事例の一つは、システムやプロダクトの完成が想定していた納期に間に合わず、各方面でビジネスの滞留を起こしてしまうという例です。
特に、プロジェクト終盤になって、「このままじゃ間に合わない!」ということが判明すると、巻き返しや修正も厳しくなるので、かなり多くの労力とストレスを抱えてしまうこととなるでしょう。
こうした失敗の原因にあるのは、コミュニケーション不足と、指揮系統の混乱だと言えます。
現場のエンジニアが詰まっている部分があっても、「疑問や不安点をどこに言えばよいか分からない」という状況に陥ってしまうことで、結果的に最後の納期にしわ寄せがきてしまうのです。
また、指揮系統が混乱していることによって、少しの遅れやトラブルに対して適切な処置・改善を行うことが出来ず、ズルズルと納期が延びてしまうということもあり得ます。
いずれにせよ、発生してしまった問題を放置しておかないという姿勢が大いに重要となりますね。
納期を守るための予防策とは?
では、こうした失敗事例を起こさずに、トラブルの原因を摘み取るためには何が必要なのでしょうか。
一つは、地味に見えるかもしれませんが、綿密なコミュニケーションが重要だと言えるでしょう。オフライン・オンラインに関わらず、日頃から綿密なコミュニケーションを取っておくことによって、いざという時に相談のしやすい関係性や状況が生まれ、早め早めの修正が可能となるのです。特に、リモートによる開発である場合も、SkypeやZoomなどのオンライン通話ツールを使ったコミュニケーションが取れると、より良い関係性が築けるかもしれません。
また、締め切りの際にまとめてプロダクトをリリースするのではなく、プロダクトの開発進捗を見ながら定期的にリリースをしていくことも、大きな失敗を防ぐ予防策となります。
例えば3ヶ月間のプロジェクトの場合、最後の最後まで完成品を出さないよりも、機能ごとにクライアントと開発側でコンセンサスを取りつつ、1ステップずつ実装をしていくと、大きな納品の遅れにも繋がりにくいですし、トラブルも少なくなるでしょう。
オフショア開発の失敗事例②想定していた仕様と違う
次によくある失敗事例としては、当初想定していた仕様やデザインと異なるアウトプットが出てきてしまうというケースです。
社内システムやtoB向けプロダクトである場合、見た目上のデザインは良くても、中身の設計が少し異なるだけで、大きなバグやトラブルの元となってしまうので、こうした開発ミスはどうしても避けたいところですよね。
そして、こうした失敗事例も先ほどのよう、にコミュニケーションミスや齟齬による発生が多いということが言えます。
発注側としては「最初に言ったつもりだった」と思っていても、開発側は「そんなこと聞いていない」というすれ違いになってしまうことがあるのです。
仕様が違うことへの予防策とは?
こうした開発ミス・仕様ミスを防ぐ予防策として一つは、通常よりも分かりやすい仕様書づくりに徹するということが挙げられます。
言語の違いなどによって、どうしても伝わりづらい部分はより丁寧な記述を行ったり、図やデザイン・遷移図などを用いたりして説明を行うことで、実装の段階でのミスを防ぐことが出来るのです。
また、先ほどの予防策と同じように、コミュニケーションという要素も予防策としては非常に重要となります。
コミュニケーションが活発に行われていないと、疑問点があった際にも「このままでいいか」という判断の下、現場のエンジニアの方が開発を進めてしまう可能性があるため、そういった芽をしっかり潰していく必要があるのです。
失敗事例と予防策で事前対策を行おう!
以上が、オフショア開発における過去の失敗事例と、それに対する予防策のご紹介となります。
テクニカルな部分だけではなく、コミュニケーションや関係性作りなど、一見地味に見える点も失敗やトラブルを防ぐための重要な観点の一つだということがお分かりいただけたでしょうか。
今、実際にオフショア開発を検討している企業の方は、ぜひこうした失敗を無視することなく記憶にとどめ、同じ失敗をしないような心がけと仕組みづくりを行なった上で、オフショア開発を進めていってくださいね!