オープンソースのワークフロー自動化ツールn8nとは?メリット・仕組み・活用事例・Zapierとの比較・初心者向けの使い方を徹底解説

多くの企業にとって、業務の自動化は今や欠かせないトレンドとなっています。自動化は業務効率を大幅に向上させるだけでなく、ミスの削減、品質と作業スピードの向上にも貢献します。

McKinseyの調査によると、自動化は世界の労働生産性を年間0.8%から1.4%向上させる可能性があるとされています。

特に、多くの国で労働人口が減少傾向にある今、自動化は経済成長を維持するための重要なソリューションと言えるでしょう。こうした自動化を、一から大きなリソースを投じずにスピーディーに進める方法として、オープンソースの力を活用する選択肢があります。オープンソースは無料で利用できるリソースを提供し、新しい技術を学び、試すための理想的な環境を提供してくれます。特に、オープンソースとAI(人工知能)の組み合わせは、大きなイノベーションを生み出すと期待されています。

本記事では、近年注目を集めているオープンソースのワークフロー自動化プラットフォーム「n8n」についてご紹介します。なぜ他のツールではなく、n8nなのか。n8nのメリット、活用事例、仕組み、基本的な使い方まで、詳しく解説していきます。

n8nとは

n8nは、2019年にドイツでJan Oberhauser氏によって開発された、オープンソースの業務自動化ツールです。n8nという名称は「nodemation(ノードメーション)」の略で、「node(ノード・機能単位)」と「automation(自動化)」を組み合わせた造語です。

n8nの創設者


このツールを使えば、メール送信やAPIからのデータ取得、データ処理など、様々なタスクをノード単位で視覚的に配置し、ドラッグ&ドロップで簡単に自動化ワークフローを構築できます。n8nを活用することで、反復的な作業を効率よく自動化し、時間の節約と業務効率の向上が期待できます。

n8nのメリット

オープンソースの強み

  • 自由度と柔軟性
    n8nはオープンソースで提供されているため、ソースコードへのアクセスが可能です。これにより、企業や個人は必要に応じて機能をカスタマイズ・拡張・統合することができます。
  • 大きなコミュニテ
    世界中の開発者がn8nの発展に貢献しており、豊富なワークフローのサンプルやプラグインが公開されています。これにより、初心者でも簡単に学習や導入ができ、課題解決のヒントも得やすくなっています。
  • 低コスト
    個別にサーバー環境(セルフホスト)を構築する場合も、比較的低コストで運用可能です。

業務プロセスの最適化

  • 豊富な連携サービス
    n8nは350以上のアプリケーション、クラウドサービス、データベース、ツールと連携できます。これにより、データ収集から処理、レポート作成、通知まで、システム間をまたいだ自動化がスムーズに実現できます。
  •  人的ミスの削減
    手動による繰り返し作業を自動化することで、人的ミスのリスクを大幅に軽減できます。
  •  柔軟なカスタマイズ
    ノード単位の設定に加え、必要に応じてコードを追加することもできるため、複雑な条件分岐やループ処理、エラーハンドリングも柔軟に設計できます。

ユーザーフレンドリーなインターフェース

  • 直感的な操作性
    n8nは視覚的なドラッグ&ドロップインターフェースを採用しており、プログラミングの知識がない方でも簡単にワークフローの作成・編集・管理が可能です。
  • 見やすい構造
    キャンバス上にノードとその接続が明確に表示されるため、データの流れや処理条件、デバッグがしやすく、システム運用の複雑さを軽減します。
  • インターフェースのカスタマイズ
    さらに、ワークフローを好みに合わせて調整できるため、リアルタイムで自動化全体を把握・管理するのに役立ちます。
見やすい構造

コストと時間の削減

  • 手作業の削減
    自動化により、繰り返し発生する単純作業をシステムが代行するため、社員はより戦略的で創造的な業務に集中できます。
  • リーズナブルな導入コスト
    n8nはオープンソースで、自社のVPS(仮想サーバー)上にセルフホストできるため、他の有料自動化プラットフォームと比較しても、導入・運用コストを大幅に抑えられます。
  •  短期間での導入が可能
    直感的なUIと、豊富に用意されたサンプルワークフローを活用することで、ゼロから構築する必要がなく、短期間でスムーズに自動化を実現できます。

また、n8nには以上のメリットに加えて、ユーザーの立場ごとに異なる具体的な利点があります。

技術者(ITスキルのある方)の場合

  • 柔軟な拡張性により、スクリプトや複雑なロジックのカスタマイズが可能
  • API、Webhook、データベース、社内システムとの統合が簡単
  • すべてを手作業でコーディングする必要がなく、開発時間を大幅に短縮

非技術者(Non-IT)の場合

  • 直感的なドラッグ&ドロップ操作で簡単にワークフローを作成できる
  • すぐに使える多くのテンプレート(ワークフローのひな型)が用意されている
  • 技術部門に頼らず、自身の業務効率を高められる

企業の場合

  • オープンソースを活用することで開発コストを削減
  • 手作業の業務時間を減らし、社員の生産性を向上
  • オンプレミス(自社環境)での導入により、データやシステムの主導的な管理が可能(セキュリティ強化)
  •  企業規模の拡大に応じて、システムの柔軟な拡張が可能
  • CRM、ERP、メールなど、既存の各種業務システムとの連携を強化

ご覧の通り、n8nは企業にとって非常に実用的なメリットをもたらします。これらのメリットは、単に業務の効率化にとどまらず、人的リソースの最適活用にもつながります。

具体的には、n8nを活用することで、人が複数の役割をこなしたり、一部の業務を自動化で代替したりすることが可能になります。その結果、手作業の負担が減り、社員のマルチタスク能力を高めることができます。

以下では、n8nが実際にどのように特定の業務を代行したり、一人の社員が複数の役割を兼任できるようにサポートする具体例をご紹介します。

事例1: システム監視・障害アラート担当のDevOpsエンジニアの場合

n8n導入前

DevOpsエンジニアは常にサーバーの状態を監視し、ログの確認、パフォーマンスのチェック、障害発生時のアラート送信などを手作業ま1:個別のスクリプトで対応する必要がありました。

n8n導入後

n8nは、PrometheusやDatadogといった監視ツールのAPIを利用し、システムの状態を自動監視します。CPU負荷の増加やサービス停止などの異常を検知すると、Slack、メール、PagerDuty経由で自動的にアラートを送信します。さらに、ワークフロー内で自動的にサービスの再起動や、インシデント管理システムへのチケット作成も実行可能です。

結果

監視とアラート対応が完全自動化され、24時間体制での人的対応が不要に。DevOpsエンジニアはより高度な業務に集中できるようになります。

事例2: マーケティング担当者がカスタマーサポートを兼任する場合

導入前

カスタマーサポート担当者の主な業務は、メールやSMSを活用したマーケティング配信や顧客対応をはじめ、リード管理や顧客セグメント分け、CRMシステムとのデータ同期など多岐にわたります。さらに、よくある質問への対応や、チャット・メールを通じた顧客サポートも重要な役割です。これらの業務を通じて、顧客満足度の向上と効率的な顧客管理を実現することが求められます。

n8n導入後

顧客の行動(登録・購入・サイト閲覧など)に基づき、パーソナライズされたメールを自動送信し、リードナーチャリングを強化

Webサイト・CRM(HubSpot、Salesforce、Pipedriveなど)・マーケティングツール間の顧客データを自動同期し、手入力作業を削減

よくある質問に自動で答えるチャットボットや、顧客データを分析して最適な商品やキャンペーンを提案

顧客からのフィードバックを自動収集・分析し、必要に応じてサポートチケットを自動生成、または専門部署へエスカレーション

結果

マーケティング担当者がn8nの自動化機能を活用することで、カスタマーサポートの業務も兼任可能に。メール送信・データ管理・チャットボット対応が自動化され、手作業が減り、顧客対応の質と効率が向上します。

n8nの仕組み

基本的な仕組み

n8nは、「ノードベース」(Node-based)と「ワークフロードリブン」(Workflow-driven)という仕組みに基づいて動作します。

  • ノード(Node)

各ノードは独立した機能ブロックであり、特定のタスク(例:メール送信、データベースからのデータ取得、API呼び出し)を実行します。ノードは、自動化プロセスの「積み木」のような役割を果たします。

  • ワークフロー(Workflow)

複数のノードを論理的につなげて、一連の自動化プロセスを構築します。これにより、最初から最後までシームレスな業務自動化が実現します。

さらに、n8nはCRMやマーケティングツール、データベースなど、数百種類のアプリケーションやサービスと柔軟に連携できます。そのため、自社のアプリケーションエコシステム全体をまたぐ、自動化ワークフローの構築が可能です。

n8nの基本的な仕組み


AIエージェントによる自律型自動化の仕組み

単なるルールベースの自動化にとどまらず、n8nは「考え、適応し、状況に応じて判断する」AIエージェントを組み込むことで、より高度な自律型自動化を実現できます。

AIエージェントとは

AIエージェントは、データを受け取り、適切な判断を下し、自身の環境内で目標達成のために行動する自動システムです。n8nでは、AIエージェントノードをワークフロー内の「意思決定センター」として活用できます。たとえば、Telegramからのメッセージを受け取り、その内容をAIエージェントが分析し、最適なアクションを判断し、結果をユーザーや他のノードへ返すことができます。

AIエージェントを活用したワークフロー型:

  • シングルエージェントー
    単一のエージェントが全体の状態を保持しつつ、複数のツールにアクセスし、会話や処理の文脈を維持しながら一連のタスクを遂行します。
シングルエージェントー
  • マルチエージェント協調型
    複数のエージェントが役割を分担し、連携しながら複雑または多段階のプロセスを効率的に処理します。

n8nの基本的な仕組み自体が非常に柔軟で、ユーザーを繰り返しの手作業から解放してくれます。さらに、AIエージェントを組み込むことで、n8nは単なる自動実行にとどまらず、データの分析、状況に応じた判断、適切なフィードバックまで実現できるようになります。

n8nの代表的な活用事例

n8nは強力な自動化ツールであるだけでなく、実際の業務プロセス改善やビジネス効率の最適化にも幅広く活用されています。

メール送信の自動化

  • 通知メールの自動送信

n8nを使えば、トリガーイベントに基づいて自動でメールを送信するワークフローを簡単に構築できます。たとえば、注文完了、新規登録、システムアラートなど、特定のアクションが発生した際に、メールで自動通知を送ることが可能です。実際、顧客がECサイトで注文を完了した直後に、注文確認メールを自動送信するワークフローを簡単に構築できます。

  • メール内容のカスタマイズ

n8nはデータ処理や変数の動的利用が可能なため、メールの内容を個別にパーソナライズできます。これにより、単なる自動送信ではなく、受信者に合わせた高いパーソナライズ性を実現し、メッセージの伝達効果を高めることができます。

データ管理と活用

  • データ統合・処理

n8nは、MySQLやPostgreSQLなどのデータベース、Google SheetsやAirtableといったスプレッドシート、各種クラウドストレージなど、様々なデータソースとの連携をサポートします。データ収集、加工、変換、保存といった一連の作業を自動化することができ、たとえば、スプレッドシートからデータを取得・フィルタリング・加工し、データベースへ保存したり、メールでレポートを自動送信することも可能です。

  • レポートや分析の自動化

自動データ処理機能により、定期的にデータを集計・分析し、最新のレポートを自動で生成することができます。これにより、企業は常に最新のビジネスデータを把握でき、迅速かつ正確な意思決定が可能になります。例えば、日次の売上データを自動集計し、Power BIやその他の分析ツールでレポートを作成することができます。

他ツール・サービスとの連携

  • マルチプラットフォーム連携

n8nはSlack、Trello、GitHub、Twitter、Facebookなど、350以上のアプリケーションやサービスとの連携に対応しています。これにより、各ツール間をシームレスに接続し、包括的な自動化エコシステムを構築できます。たとえば、ECサイトで新規注文が発生した際、n8nが自動でCRMへ情報登録し、Slackに通知を送り、Google Sheetsにデータを保存する、といった流れを自動化できます。

  • カスタムノードとHTTPリクエストによる拡張性

n8nに標準で用意されていないツールやサービスも、HTTPリクエストノードを使えば簡単に統合できます。これにより、APIを提供しているほぼすべてのサービスと連携可能で、各企業独自のツールやシステムとも自由に接続できます。たとえば、独自の社内システムや新しい外部サービスと連携させ、既存のアプリケーション一覧に縛られずに柔軟なワークフローを構築できます。

  • クラウドサービス・APIとの統合

n8nはAWS、Google Cloud、Microsoft Azureなどのクラウドサービスや、外部APIとのシームレスな連携をサポートしています。これにより、データの取得・処理・転送・保存まで、一連のプロセスを効率的に自動化できます。たとえば、天気予報APIから自動的にデータを取得・加工し、必要に応じて社内の管理チームに天気警報を送信するワークフローも構築できます。

>>>関連記事:1000以上の業界別n8n活用事例

n8nのインストール方法

クラウド版(Cloud-based)

メリット

  • インストール不要ですぐに利用開始できる
  • 自動アップデート対応
  • 公式の技術サポートあり

デメリット

  • 月額・年額の利用料金がかかる
  • データがクラウドサーバー上に保存される
  • カスタマイズの自由度が低い

セルフホスト版(Self-hosted)

メリット

  • データを完全に自社で管理可能
  • 月額費用なし(サーバー費用を除く)
  • 自由にカスタマイズ・拡張ができる

デメリット

  • 技術的な知識が必要
  • アップデートやバックアップを自分で管理する必要がある
  • サーバーやPCを常時稼働させる必要がある
  • 公式サポートは限定的

初心者向け n8nの使い方

n8nは、数百種類のアプリケーションと連携できる強力な自動化ツールでありながら、初心者にも扱いやすい直感的な設計が特徴です。プログラミングの知識がなくても、誰でも簡単に日々の業務を効率化し、時間を大幅に節約できる自動化プロセスを構築できます。

次は、n8nをもっとシンプルかつ直感的に使いこなす方法をご紹介します。

ステップ1:n8nにアクセスする

  • 公式サイト https://n8n.io/ にアクセスします。
  • Get started for free(無料で始める)」をクリックし、アカウント登録を行います。
  • ログイン後、n8nのワークフロー作成画面が表示されます。

ステップ2: 新しいワークフローの作成

  • +」ボタンをクリックし、新しい自動化プロセスを作成します。
  • 画面には空のキャンバスが表示され、ここにノード(各タスク)をドラッグ&ドロップしてワークフローを構築します。

ステップ3:ノードの追加と設定

 トリガーノードの設定

ワークフローの開始条件となるトリガーノードを選びます。

  • Webhook Trigger:外部からのHTTPリクエストを受け取ってワークフローを起動
  • Cron Trigger:一定間隔(毎時・毎日など)でワークフローを自動実行

必要に応じて、WebhookのURLや実行時間などを設定します。

アクションノードの追加

トリガーの後に、具体的な処理を行うアクションノードを追加します。

  • Email Node:通知メールの送信
  • HTTP Request Node:APIを通じてデータ送受信
  • Function Node:JavaScriptを使って複雑なロジックを実装

必要事項(URL、HTTPメソッド、メール内容など)を設定します。

ノード同士の接続

トリガーノードの出力から、アクションノードの入力へ線を引いて接続します。これにより、データがステップごとに自動的に受け渡されます。

ステップ4: 保存とテスト

  • Save」ボタンでワークフローを保存します。
  • Execute Workflow」をクリックし、実際にワークフローをテスト実行します。
  • Execution Log(実行ログ)を確認し、各ステップの動作状況やエラーをチェックし、期待通りに動作するかを確認します。

ステップ5: 最適化と拡張

ワークフローが問題なく動作するようになったら、さらに以下のような高度な設定が可能です:

  • 条件分岐(If/Else)を使い、状況に応じて異なる処理を実行
  • ループや「Split In Batches」を使い、大量データを効率的に処理
  • Function Nodeで独自のJavaScriptコードを組み込み、柔軟なロジックを実現
  • 最終的にワークフローを「Active(有効化)」モードに切り替えることで、指定した条件下で自動実行されるようになります。

本格的なn8n導入をご検討の方へ

n8nを自社システムに合わせて安定的かつ効率的に導入したい方は、ぜひRelipaにご相談ください。

Relipaは、Web3、AI、自動化ソリューションにおいて9年以上の実績を持ち、企業ごとのニーズに合わせたn8nカスタマイズ導入を提供しています。コストを抑えつつ、拡張性の高い自動化環境を実現します。

n8nとZapierの比較

Zapierは、n8nよりも早くリリースされたオンライン自動ツールです。ノーコードで、さまざまなアプリケーションやWebサービスを連携させ、業務プロセス(ワークフロー)を自動化することができます。

n8nとZapierは多くの共通点を持っていますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

インターフェース

n8n

n8nのインターフェースはフローダイアグラム形式で設計されており、ドラッグ&ドロップ操作でワークフローを直感的に構築できます。ただし、技術経験のあるユーザー向けに、より高度なカスタマイズ性と柔軟性が重視されています。

n8nでは、各ノードの詳細設定に深くアクセスでき、複雑なロジックが必要な場合は、JavaScriptコードを直接埋め込んでカスタマイズすることも可能です。これにより、非常に強力な自動化を実現できますが、初心者にとってはやや複雑に感じる場合があります。

Zapier

Zapierはクラウド専用のサービスであり、深いカスタマイズ性よりも「素早いセットアップ」と「幅広い連携」を重視しています。Zapierは、シンプルなステップバイステップ形式のエディターを提供しており、ユーザーはトリガーを選択し、その後、アクションステップを追加していくだけで設定できます。すべてが分かりやすい言語で表示されるため、直感的に操作できます。

最近では、「Zapier Canvas(ビジュアル設計機能)」や「Interfaces(カスタムフォーム・ページ作成機能)」といった新機能も追加され、柔軟性は向上していますが、全体のプロセスは引き続きシンプルで初心者にも使いやすい設計になっています。

強み

n8n

  • 柔軟なカスタマイズ性
  • セルフホストによる高いプライバシー管理
  • 大規模な自動化でもコスト効率が高い
  • LangChainとの高度なAI統合
  • JavaScriptやPythonによる強力なコード実行機能

これらの特徴により、n8nは開発者から高く評価されており、フルコントロール可能なカスタム自動化ソリューションを構築したい人に人気です。
さらに、独自ノードの作成や、公式にサポートされていないAPIとの接続も可能です。

Zapier

  • 直感的なインターフェース
  • 圧倒的な連携アプリの数
  • コード不要で素早く自動化を実現
  • 充実したドキュメントと大規模なサポートコミュニティ

これらの理由から、Zapierは中小企業、マーケター、IT非技術者に広く利用されています。

連携機能

n8n

  • アプリ連携
    約400〜1,000種類のビルトイン連携を提供。
    HTTP Requestノードやコード実行機能により、内部システムやニッチなサービスも含め、APIがあるほぼすべてのサービスと接続可能です。
    さらに、ユーザー自身が独自ノードを作成・共有することで、さらなる拡張が可能です。
  • 大規模言語モデル(LLM)連携
    オープンソースのLangChainフレームワークと深く統合されており、AIアプリケーション向けに約70種類の専用ノードが用意されています。
    OpenAI、Anthropic、Ollama、Azure、Google Gemini向けの専用ノードもあり、未対応サービスにはHTTP Requestノードを通じてカスタムAPI呼び出しが可能です。
    LangChain Codeノードを使えば、独自のLangChainロジックを記述することもできます。
  • AIエージェント構築
    コードやノードベースのワークフローを活用し、推論・計画機能を備えたAIエージェントを構築できます。

Zapier

  • アプリ連携
    7,000種類以上のアプリと連携可能で、主要なSaaSツールをほぼ網羅しています。
    アプリマーケットプレイスと豊富なテンプレートにより、一般的なビジネスアプリのセットアップが非常に簡単です。
  • 大規模言語モデル(LLM)連携
    「AI by Zapier」で、GPT-4o miniなどのモデルをAPIキーなしで簡単に利用できます。
    OpenAIやAnthropicとの連携も提供されています。
    Zapier MCPプロトコルを使えば、外部のAIエージェントがZapier内のアプリ操作をトリガーできるため、非開発者でもLLMを手軽に活用できます。
  • AIエージェント構築
    Google SheetsやNotionなどの情報ソースと簡単に接続可能です。
    Zapierエージェントはセットアップやトレーニングが非常に簡単ですが、n8nほど細かなAI構成のコントロールはできません。

料金モデル

n8n

  • 課金はワークフロー単位(ステップごとの課金なし)
  • セルフホスト版は無料・無制限利用可能
  • クラウド版は約20〜22ドル/月(2,500回実行まで)
  • このモデルは、LLM自動化に多い複雑かつ多ステップなワークフローにおいて、非常にコスト効率が高いのが特徴です。
  • 各ステップごとに追加費用が発生しないため、安心して高度な自動化構築ができます。

Zapier

  • 各タスク(Zap内のアクション)ごとに課金
  • 無料プランは月100タスクまで
  • 有料プランは約20〜30ドル/月から
  • ステップ数が多い、またはデータ量が多いワークフローの場合、コストが急激に増加する可能性があります。
  • 特に、LLMを多用する複雑な自動化には向かないケースもあります。
n8n Zapier
インターフェースビジュアルノード、完全なコード対応シンプルなステップバイステップUI
対象ユーザー開発者、技術チーム非技術者、中小企業、
マーケター
強み柔軟性、セルフホスト、コスト効率、AI連携直感的なインターフェース、幅広いアプリ連携、充実したサポートコミュニティ
連携機能アプリ:約1,000種類(APIや深い統合に特化)
LLM:LangChainノード、HTTP/API、AI専用ノード
AIエージェント:完全カスタマイズ可能、モジュール構造
アプリ:約7,000種類(幅広さとシンプルさ重視)
LLM:内蔵「AI by Zapier」
AIエージェント:簡単な設定、詳細なチューニングは限定的
料金体系ワークフロー実行ごとに課金タスク(アクション)ごとに課金

n8nとZapierは、それぞれ異なる強みを持つAI活用型ワークフロー自動化ツールです。
n8nは、柔軟性・制御性・カスタマイズ性に優れており、特に複雑なAI自動化を構築する開発者や技術チームに最適です。エンタープライズ企業にも人気が高く、完全なシステムコントロールと独自の自動化ソリューションの構築が可能です。また、n8nのアーキテクチャは、最新のAI技術を迅速に試すためにも理想的で、企業がトレンドに素早く対応できる環境を提供します。
一方、Zapierは使いやすさ、幅広いアプリ連携、ノーコード環境が大きな特徴です。小規模事業者、マーケター、非技術者のプロフェッショナルにとって、コードを書くことなく簡単に業務自動化を始められるため、初めての自動化ツールとして非常に適しています。

まとめ

McKinsey社の試算によると、2055年までに現在の仕事の約半分が完全に自動化可能になるとされています。
日々の業務や定期的なプロセスを自動化することは、企業の生産性向上だけでなく、時間と労力を要する複雑な業務にリソースを集中させるためにも、今や不可欠です。
ただし、自動化プツールの選定は、効果とコストのバランスを考慮し、慎重に判断する必要があります。

信頼できるn8n導入パートナーをお探しの方は、ぜひRelipaにご相談ください。

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