デジタル変革が加速する中、ローコード・ノーコードAIが主流のトレンドとなっており、大企業から中小企業まで幅広い注目を集めています。
Gartnerの2025年予測によると、2028年までに企業向けソフトウェアエンジニアの90%がAIコードアシスタントを利用するようになるとされています。
その理由は「業務プロセスを効率化したい」「お客様一人一人に合わせた体験を届けたい」「データを瞬時に活かしたい」といった現実的なニーズに、AIをできるだけ迅速に導入する必要が現れたのです。
そんな中、DifyとFlowiseは、複雑なコーディングをすることなく本格的なAIアプリケーションを構築できる強力なローコード・ノーコードAIツールとして支持されています。
本記事では、この2つのツールの特徴を紹介し、企業が自社に最適なソリューションを選ぶための比較をお届けします。
Difyとは?
Difyは2023年に公開された、大規模言語モデル(LLM)を活用したアプリケーション開発を支援するオープンソースプラットフォームです。生成AIアプリケーション、チャットボット、AIエージェントなどを、ほとんどコードを書くことなく構築できるように設計されています。2023年に米国のLangGeniusによって開発されて以降、OpenAIやHugging Faceなど主要LLMとの高い連携性から、開発者や企業に急速に採用されています。
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主な特徴:
- ドラッグ&ドロップの直感的なビジュアルイン ターフェース
- OpenAI、Claude、Google、Llamaなど幅広いLLMを対応
- 自動的にテキスト分割・ベクトル化を行い、正確性と根拠のある応答を生成できるRAG(検索拡張生成)の強力な実装
- 外部ツール連携で本格なAIエージェント作成が可能
- 開発工数を大幅に削減するバックエンド機能(BaaS)が完備
- 会話ログ・コスト分析・フィードバックで観測性と継続的改善
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Flowiseとは?
FlowiseもDifyと同じように、大規模言語モデル(LLM)を活用し、視覚的なノーコードインターフェースでアプリケーション開発を支援するオープンソースプラットフォームです。2023年2月にYC支援のスタートアップとして誕生し、現在GitHubでトレンド入りする人気ツールで、Fortune 500企業でも採用されています。
LangChain.jsを基盤としたローコード/ノーコードツールで、ドラッグ&ドロップUIによりAIエージェントやLLMフローを視覚的に構築します。アイデアから本番環境への移行を数分で実現する点が最大の魅力で、AI開発の民主化を推進しています。

主な特徴:
- ドラッグ&ドロップの直感的なビジュアルインターフェース
- OpenAI、Hugging Face、Anthropicなどの人気LLMモデルを対応
- ドキュメントアップロードで即RAG環境構築(Graph RAG、Retriever対応)
- 外部ツール連携で本格なAIエージェント作成が可能
- API管理・ログ監視・スケーリングなどバックエンド機能完備
- 実行トレース・フィードバック・評価で継続改善
DifyとFlowiseのメリットとデメリット
DifyとFlowiseはそれぞれ特有のメリットとデメリットを持ち、中小企業やプロトタイピングに適したツールです。導入前に自社のニーズに合った選択をすることが重要です。
Difyのメリット
- ドラッグ&ドロップのインターフェースが非常に使いやすく、数分でMVPを完成させられる
- 100種類以上のLLM(OpenAI、Claude、Gemini、Llamaなど)に対応+Zapier、Slack、Notionとの連携が可能
- Cloud Proプランが月額わずか59ドル、自前ホスティングは無料
- GitHubスター12万超、コミュニティが非常に活発
- Enterprise版ではSOC2、GDPR、SSO、監査ログなど充実のコンプライアンス対応
Difyのデメリット
- 複雑なロジックを実装する際は制限がある(ノーコードであることの限界)
- 大規模RAGを利用する場合は追加のチューニングが必要
- 自前ホスティング版ではセキュリティ設定を自分で実施する必要がある
Flowiseのメリット
- LangChainベースでカスタムノードが非常に強力(TypeScript/Python対応)
- 完全セルフホスティングで無料、データも100%自社管理可能
- Starterプラン月額35ドル→Proプラン月額69ドルでフロー数無制限
- マルチエージェント、Graph RAG、HITL(Human-in-the-Loop)が非常に優れている
- GitHubスター約4.7万、2025年8月にWorkdayが買収して以降、エンタープライズ対応がさらに強化
Flowiseのデメリット
- コードやLangChainの知識がない方には使いにくい
- 大規模RAGや高負荷環境では手動での最適化が必要
- エンタープライズレベルのセキュリティ機能(RBAC、SSO、SOC2など)はEnterpriseティアでのみ提供
DifyとFlowiseの比較
| 比較項目 | Dify | Flowise |
| 日本語UI | 完全対応 | 非対応(英語メイン) |
| 操作性 | 直感的なドラッグ&ドロップUI。非技術者でもすぐに使いこなせる。初心者向けに最適化されている。 | 直感的なドラッグ&ドロップUI。ただし、ノード設定が細かく開発経験者向け。n8nに近い操作感。 |
| RAG精度 | 業界トップクラスのRAGパイプライン:ハイブリッド検索、リランキング、引用追跡などにより精度20%以上向上。 | LangChain+LlamaIndexベースの基本的なRAG。 リランカーなどを自分で追加しないと精度は普通。 |
| セキュリティ | 企業向け基準をクリア(GDPR、SOC2 Type1)。SSO、VPC、監査ログ、DifySandbox(コード隔離)、Palo Alto/Azure Content Safety連携。 | 基本認証(JWT)あり。オンプレミスなら安全だが、企業向け機能(SSO・監査ログ等)はほぼなし。脆弱性(XSS等)は過去に報告・修正あり。 |
| 国内導入事例 | Kakaku.com、CyberAgent、Ricohなど大手・中堅企業での議事録・経費精算・社内ナレッジ活用事例 | 大規模事例はほぼ無し。個人開発者やスタートアップがQiita/GitHubで紹介する程度。 |
| コア機能 | Workflow(DAG+ループ)、Agentフレームワーク(ReAct)、高度RAGパイプライン、Multi-tenancy | ドラッグ&ドロップUI、カスタムNode(TypeScript)、Embedチャット、Multi-chat、ローカルLLM(Ollama等)対応 |
| スケーラビリティ&プロダクション | Cloud自動スケール、Kubernetes、SLA 99.9%、Observability完備。数万ユーザー対応実績多数。 | Self-hostでキュー+水平スケール可能だが自分で最適化が必要。中小規模向け。 |
| 連携 | 100以上のLLM(OpenAI、Claude、Gemini、Llama3.1、Qwen等)対応、MCPプロトコル、Zapier・Qdrant・Brave Search等プラグイン多数 | LangChainのほぼ全コンポーネント、300以上のカスタムNode、DB・API・Vectorストアなど自由に追加可能 |
| コミュニティ&サポート | 巨大なコミュニティ。Enterprise有償サポートあり。 | 開発者コミュニティが活発。ただし公式サポートはほぼコミュニティ頼み。 |
| コスト | 【自前運用】100%無料 【Cloudプラン】 ・Sandbox:0 USD(200リクエスト/日、GPT使用5回と1メンバー限定) ・Professional:59 USD/月(5000リクエスト/月、50アプリ+3メンバー) ・Team:159 USD/月(10万リクエスト/月、GPT 200アプリ、50メンバー) ・Enterprise:個別見積(大規模企業向け) ※Free self-hostも可能 ※学生・教育機関向け無料プランあり | 【自前運用】100%無料 【Cloudプラン】 ・Free:0 USD(2フロー、1日あたり100予測、100MBストレージ) ・Starter:35 USD/月(フロー無制限、10,000予測、1GBストレージ) ・Pro:[修正済み] 65 USD/月(50,000予測、10GBストレージ、チーム対応) ・Enterprise:個別見積(大規模・専用環境) ※self-hostなら長期コストがほぼゼロ |
全体として、Difyは「すぐに製品化・商用展開できる完成度」と「使いやすさ」で圧倒的に優れており、特に企業が短期間でAIアプリを立ち上げたい場合に最適です。一方、Flowiseは「カスタマイズ性」と「圧倒的な低コスト」が最大の強みです。
Relipaは、世界中の数多くの企業と実績を重ねた信頼できるパートナーです。 DifyやFlowiseなどのノーコード/ローコードAIプラットフォームを使って、AIアプリケーションを迅速に構築・展開したいお客様を、コンサルティングから実装、ビジネス最適化までトータルでサポートいたします。
日本企業が選ぶべきノーコードAIは?
DifyとFlowiseのどちらを選ぶかは、以下の要因を考慮して決めると良いでしょう。
- チームの技術的な専門知識: プログラミング経験がない場合はDify、ある程度の技術力があるチームにはFlowiseの柔軟性が役立ちます。
- プロジェクトの複雑さ: 単純なアプリケーションを開発する場合はDifyの使いやすさが有利です。複雑なアプリケーションが必要な場合はFlowiseの機能が役立ちます。
- 予算の制約: Difyの無料プランやコスト効率の良いセルフホスティングオプションは、スタートアップにとって魅力的です。一方、Flowiseのより広範な機能は、大企業にとって投資の価値があります。
- 長期的なニーズ: 広範なカスタマイズやスケーラビリティが必要とされる場合、Flowiseへの投資がより良い選択かもしれません。
まとめ
DifyとFlowiseは、いずれもオープンソースのローコード/ノーコードプラットフォームであり、大規模言語モデル(LLM)を活用したAIアプリケーションやワークフローを構築するためのツールです。DifyはRAG(Retrieval-Augmented Generation)とエージェントワークフローに特化した包括的なプラットフォームであるのに対し、FlowiseはLangChainを基盤とした視覚的なAIエージェント構築に特化しています。
Relipaは、約10年にわたり多くの大規模AIプロジェクトおよびシステム開発を手がけてきました。豊富な経験から、DifyやFlowiseをはじめとするノーコードAIプラットフォームの違いを深く理解しています。お客様がDifyを選ばれる場合でも、Flowiseを選ばれる場合でも、当社はコンサルティング、アーキテクチャ設計、データ統合、そして本番運用を見据えた導入まで幅広くご支援することができます。MVP構築から実運用まで、お気軽にご相談ください。
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