ブロックチェーンの将来性3: ブロックチェーン関連スキル の習得方法

ブロックチェーン関連スキル

NFTやメタバース、デジタル通貨導入への動きなど、ブロックチェーン技術の必要性は年を追うごとに強くなっています。 その一方で、ブロックチェーンの実装には、特殊な知識やスキルが求められるため、エンジニア不足が問題になっています。つまり逆を言えば、 ブロックチェーン関連スキル を身につければ、自身の市場価値を確実に高めることが可能となる、と考えてよいでしょう。 

そこで今回は、ブロックチェーン関連スキルの習得法や必要な技術、資格についてまとめました。 

ブロックチェーン関連スキル の必要性

暗号資産の基盤として知名度を高めたブロックチェーンは、今や金融分野のみならず、物流、流通、製造、医療、不動産、行政など、その用途は拡大の一途をたどっています。その理由は、ブロックチェーンが、信頼性、安全性、非改ざん性、迅速性に富んだ高度な技術と仕組みに裏打ちされた優れたシステムだからに他なりません。 

しかしその特殊性ゆえ、ブロックチェーンエンジニアはニーズに対して大幅に不足しているのが現状です。よって、ブロックチェーン関連スキルを習得する意義は非常に大きいといってよいでしょう。 

ブロックチェーン関連スキル その1 暗号技術の理解

早速、ブロックチェーン関連スキルにどのようなものがあるのか、具体的にみていきましょう。 

まず一つ目として、ブロックチェーンの安全性を生み出している暗号技術への理解が挙げられます。 

具体的には、データの改ざんを防止するハッシュ関数、通信データを秘匿するのに欠かせない公開鍵暗号や電子署名、マルチシグ、スマートコントラクトで活用する擬似乱数生成器などについて知識を深める必要があります。 

ブロックチェーン関連スキル その2 仕組みの理解

さらにブロックチェーンが機能する仕組みについての理解も必要です。 

P2Pによってすべてのノードが一対一でつながり、これら全ノードが同じデータを共有するために、全体で合意形成を行います。 

ブロックチェーンでは、時にまったく相手の顔も見えなければ、どこの誰かもわかりません。もちろん信用できない相手が潜んでいる可能性も十分にあり得ます。しかし、その中で取引の正当性やデータの真正性を担保できなければ、システムとして機能しないのはいうまでもないでしょう。そこで不可欠なのが、コンセンサスアルゴリズムといわれる合意形成です。 

ビットコインに代表されるPoW(プルーフ・オブ・ワーク)、イーサリアムに代表されるPoS(プルーフ・オブ・ステーク)、Hyperledger Fabricなどに使われるEndorse+Ordering Serviceなど複数の方法があります。 

またDappsを作成するのに必要なスマートコントラクトへの理解も大切でしょう。スマートコントラクトはプログラムにしたがって契約を自動実行する仕組みで、これにより、ブロックチェーンにさまざまな機能を持たせることが可能となります。 

ブロックチェーン関連スキル その3 プログラミング言語

最後に欠かせない関連スキルが、プログラミング言語の習得です。 

具体的には、ビットコインの開発に使われたC++、イーサリアムの提供するクライアントソフト「Go Ethereum」を実装するために使われているGo言語、Web内でブロックチェーンを実装するのに利用されるJavaScript、さらにスマートコントラクトの開発に用いられるSolidity などが、主となります。 

いずれも特殊な言語ではなく、すでに開発現場では馴染みがあったり、比較的マスターしやすかったりするため、必要に応じて習得できるとブロックチェーン開発が身近な存在となるでしょう。 

ブロックチェーン関連資格

ブロックチェーンスキルを身につけるのに有効な資格を2つ紹介しましょう。 

暗号通貨技能検定 

一般社団法人「日本暗号通貨技能検定協会(JCCA)」によって実施されています。規定の講座を受講のうえ受験する形となります。暗号資産とブロックチェーンの仕組みや法律、ビジネス利用 

などについて学び、それら知識を有することを客観的に証明できるようになります。 

初級の「暗号通貨アドバイザー」、上級の「公認暗号通貨技能アドバイザー」さらに最上級の「公認暗号通貨技能上級アドバイザー」の3段階に分かれています。初級と上級は有料で講座を受けたり、オンライン試験、口頭試問などを受けたりして取得できます。最上級は、暗号通貨アドバイザーの資格を取得していることや一定の活動実績を積むことが、前提となります。 

応用情報技術者試験 

情報処理推進機構が主催する試験で、年2回、春と秋に実施されます。 

情報戦略の立案、ITソリューションの実現、情報システムやデータベース、ネットワークの開発、運用、保守などに通じた高度なIT人材を目指す人に向けた難度の高い資格です。午前と午後に150分ずつ、計5時間に及ぶハードな試験ですが、パスできればブロックチェーン開発にも大きく役立つでしょう。 

ブロックチェーン関連スキル の習得法

プログラミングスクール・家庭教師 

ブロックチェーンスキルはプログラミング言語だけでなく、ブロックチェーンの仕組みへの理解を深めたり、ソフト開発能力を身につけたりと多くの学びが必要になります。よって、通学できるプログラミングスクールや講師が自宅に来て教えてくれる家庭教師はモチベーションが維持しやすく、疑問はその場で講師に尋ねることができるので、メリットが大きいでしょう。 

tech boost : 通学(東京都渋谷区のみ)とオンライン講座の好きな方を選ぶことができます。オーダーメイドのカリキュラムのため、進捗状況に合わせて学ぶことが可能です。オンラインの場合は、週一回のメンタリングに加えて、チャットやビデオ通話での相談や質問もできるので、初心者でも安心でしょう。 

Tech Teacher:レベルや習熟度に合ったオーダーメイドのカリキュラムにそって自身のペースで学べるのが大きなメリットです。講師が直接自宅まで来てくれ、わからないことがあればその場で質問できるため、理解度はかなり高まるでしょう。指導を受けた時間に対して料金が発生し、加えて講師の住まいから自宅までの交通費も支払う必要があります。 

オンライン講座 

現在、ブロックチェーンが学べるスクールは、ほとんどがオンライン受講となっています。場所や時間の融通がきき、費用も安いので、忙しい人や学生にはおすすめですが、強い意志がなければ修了まで行きつくのが難しいかもしれません。ただ、マンツーマン形式を選択すればモチベーション維持に有効でしょう。 

Tech Academy: テキストベースのカリキュラムは、オンラインでいつでも好きな時に閲覧可能で、受講後も無期限に見続けることができます。週2回、1回30分のパーソナルメンターによるマンツーマンレッスンが受けられ、チャットサポートによる質問や相談への回答も毎日行われています。 

Aidemy : ブロックチェーン開発に必要なPythonについて基礎から応用までしっかりと学ぶことができます。料金は少し高めですが、目標設定に始まり、オリジナルの学習計画が相談できるうえ、講座修了までのサポートもしてくれるので挫折リスクが少ない点がメリットです。 

書籍で独学 

理屈だけでいうと、書籍でブロックチェーン関連スキルを習得することは、可能です。ただし、一から学ぶのは、強固な意志が必要なうえ、習得に時間がかかるので、挫折リスクは高いといえるでしょう。 

『ブロックチェーンの仕組みと開発がしっかりわかる教科書』技術評論社  コンセンサス・ベイス株式会社 著 

ブロックチェーンについて本格的に学びたい人向けの図解型入門書です。基礎技術から最新技術の具体例までを幅広く解説しているので、ブロックチェーン関連スキルについての具体的イメージがもてるようになるでしょう。 

『ブロックチェーンアプリケーション 開発の教科書』マイナビ 加嵜長門・篠原 航 著 

ブロックチェーンの詳しい仕組みがわかるだけでなく、実践についても具体例とともに解説されているので、開発経験のあるエンジニアにおすすめです。 

『ブロックチェーン技術概論 理論と実践』 講談社 山崎重一郎 著 

ブロックチェーンの基礎技術から応用、ビジネス利用まで必要なことはすべて網羅されているため、本格的に学びたいエンジニア向けの教科書として最適です。テーマによって15のチャプターに分けて解説されており、わかりやすいイラストも豊富なため、抵抗なく学習が進められるでしょう。 

まとめ 

ブロックチェーンエンジニアへのニーズは、今後ますます高まってくるに違いありません。それを見越して今から準備しておくと、先でやり甲斐のあるビジネスチャンスを手にできる可能性が大きく広がります。興味があれば、早速スキル習得に動いてみてはいかがでしょうか。 

レリパには、本記事でご紹介したブロックチェーンスキルを高いレベルで習得し、かつ開発経験の豊富なエンジニアが多数在籍しております。ブロックチェーン開発についてのご要望があれば、ぜひ当社まで気軽にご連絡ください。