システム開発受託におけるDevSecOpsとは?DX時代に求められるセキュア開発戦略を解説

システム開発受託におけるDevSecOpsとは?DX時代に求められるセキュア開発戦略を解説

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、システム開発 に求められる要件は大きく変化しています。新規サービスの立ち上げ、業務効率化、クラウド移行、AI活用など、企業が取り組むべきテーマは年々増加しており、それに伴ってシステム開発の重要性も高まっています。

その一方で、開発スピードを優先するあまり、セキュリティ対策が後回しになってしまうケースも少なくありません。特に近年では、クラウドネイティブ環境やOSS利用の拡大、生成AIによるコード生成の普及などにより、システム全体の構造はより複雑化しています。その結果、脆弱性や設定ミスを起因とした情報漏洩やサイバー攻撃のリスクも急速に高まっています。

こうした背景から、現在のシステム開発では「早く開発すること」だけではなく、「安全性を維持しながら継続的に開発・運用できること」が重要視されるようになりました。その中で、多くのエンタープライズ企業が注目しているのが「DevSecOps(デブセックオプス)」です。

本記事では、DevSecOpsの基本概念から、導入メリット、実際の受託開発における活用方法、さらに安全なシステム開発を実現するための開発パートナー選定ポイントまで、実務視点で詳しく解説します。

DevSecOpsとは?

DevSecOpsとは、「Development(開発)」「Security(セキュリティ)」「Operations(運用)」を統合した開発手法です。

システム開発受託 におけるDevSecOpsとは?
DevSecOpsとは?

従来のシステム開発では、まず開発を進め、最後のテストフェーズやリリース直前でセキュリティチェックを行うケースが一般的でした。しかし、この方法ではリリース直前に重大な脆弱性が発見され、大規模な修正やリリース延期が発生することも珍しくありません。

特にクラウドやAPI連携を前提とした現代のシステム開発では、リリース後に発生するセキュリティインシデントの影響は非常に大きく、単なる技術的な問題ではなく、企業のブランド価値や信頼性にも直結します。

そこで注目されているのが、開発ライフサイクル全体にセキュリティを組み込むDevSecOpsです。

DevSecOpsでは、設計・実装・テスト・デプロイ・運用監視に至るまで、継続的にセキュリティ対策を実施します。つまり、「最後に確認するセキュリティ」ではなく、「最初から組み込むセキュリティ」という考え方へ転換することが特徴です。

なぜ今、DevSecOpsが必要とされているのか?

現在、多くの企業がクラウド活用やアジャイル開発を進めています。開発サイクルが高速化する一方で、システム構成はより複雑になり、従来型のセキュリティ対策では十分に対応できないケースが増えています。

例えば、マイクロサービス化されたシステムでは、複数のAPIやコンテナが相互に連携して動作します。また、OSSライブラリや外部サービスへの依存も増えており、ソフトウェアサプライチェーン全体の管理が重要になっています。

さらに近年では、生成AIを活用したコード生成も急速に普及しています。開発効率は向上する一方で、AI生成コードに脆弱性やセキュリティリスクが含まれるケースも指摘されており、企業にはこれまで以上に継続的なセキュリティ管理が求められています。

こうした背景から、セキュリティを開発プロセス全体へ統合するDevSecOpsは、単なる技術トレンドではなく、現代企業にとって必要不可欠な開発戦略として認識されるようになっています。

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DevSecOpsにおける「Shift Left」の考え方

DevSecOpsを理解する上で欠かせないのが、「Shift Left(シフトレフト)」という考え方です。

これは、本来リリース直前や運用フェーズで実施していたセキュリティチェックを、より早い段階へ移行するという考え方を指します。つまり、設計・開発段階から継続的にセキュリティ対策を実施することで、問題を早期発見・早期修正しようというアプローチです。

一般的に、脆弱性は後工程で発見されるほど修正コストが高くなると言われています。運用開始後に重大な問題が発覚した場合、システム停止や顧客対応なども必要になり、企業への影響は非常に大きくなります。

一方、DevSecOpsでは開発初期から自動化されたセキュリティスキャンや脆弱性検査を実施するため、大規模な手戻りを防ぎやすくなります。その結果、開発効率だけでなく、品質やリリーススピードの向上にもつながります。

システム開発受託 においてDevSecOpsが重要視される理由

現在、多くの企業がシステム開発受託を活用し、外部ベンダーへ開発を依頼しています。しかし、現代の受託開発で企業が求めているのは、単に「システムを作ること」だけではありません。

重要なのは、セキュリティや運用性、拡張性まで含めて、長期的に安定運用できるシステムを構築できるかどうかです。

そのため近年では、開発パートナーを選定する際にも、DevSecOpsへの対応力が重要な判断基準となっています。

例えば、信頼できる受託開発会社では、要件定義や設計段階から脅威分析(Threat Modeling)を実施し、想定されるリスクを事前に洗い出します。また、開発フェーズではSAST(静的解析)ツールを活用し、ソースコード上の脆弱性を自動検出します。

さらに、テストやデプロイ段階では、DAST(動的解析)やIaC(Infrastructure as Code)のセキュリティチェック、コンテナ脆弱性診断などを組み込み、クラウド環境を含めた包括的なセキュリティ対策を実施します。

このように、DevSecOpsを導入しているシステム開発会社では、「リリース後に問題を見つける」のではなく、「問題を発生させにくい開発体制」を構築していることが大きな特徴です。

DevSecOps導入によって得られるメリット

DevSecOpsを導入することで、企業はさまざまなメリットを得ることができます。

まず大きなメリットとして挙げられるのが、開発コストと手戻り工数の削減です。開発後半や運用開始後に脆弱性が発見されると、修正コストは大幅に増加します。しかし、開発初期から継続的にセキュリティチェックを行うことで、大規模な修正を未然に防ぐことができます。

また、CI/CDパイプラインへセキュリティテストを組み込むことで、セキュリティを維持しながら高速リリースを実現できる点も大きなメリットです。従来は「セキュリティを強化すると開発スピードが落ちる」と考えられていましたが、DevSecOpsでは自動化によってその課題を解消できます。

さらに、GDPRやISO 27001、日本の個人情報保護法などへの対応も進めやすくなります。ログ管理や監査証跡を継続的に取得できるため、コンプライアンス対応の効率化にもつながります。

DevSecOpsを取り入れた受託開発プロセスの例

フェーズ実施内容
要件定義・設計Threat Modeling、Zero Trust設計、セキュリティ要件定義
開発・ビルドSAST、Secrets Detection、OSS依存性チェック
テストDAST、APIセキュリティテスト、コンテナ脆弱性診断
デプロイIaCスキャン、Kubernetes設定監査
運用監視SIEM、EDR、リアルタイム監視、異常検知

このように、DevSecOpsでは「リリース後」ではなく、「開発中」から継続的にセキュリティを管理します。

DevSecOps対応のシステム開発会社を選ぶポイント

システム開発受託 を依頼する際は、単に開発実績だけを見るのではなく、DevSecOpsをどのレベルで実践しているかを確認することが重要です。

例えば、GitHub ActionsやGitLab CI、Jenkinsなどを活用し、CI/CD環境にセキュリティスキャンを組み込んでいるかどうかは重要な判断ポイントになります。

また、AWSやAzure、GCPなどクラウド環境に関する知見も欠かせません。近年のシステム開発ではクラウドネイティブ構成が主流となっているため、KubernetesやIaCを含めたセキュリティ設計ができるかどうかが重要になります。

さらに、DevSecOpsを単なるツール導入としてではなく、「組織文化」として運用しているかも重要です。開発チーム、インフラチーム、セキュリティ担当者が共通責任としてセキュリティへ取り組んでいる企業ほど、継続的な品質改善を実現しやすくなります。

まとめ

DevSecOpsは、単なるセキュリティ対策ではありません。

クラウド・AI・DX時代において、スピード、品質、安全性を同時に実現するための、現代企業に不可欠な開発戦略です。特に、システム開発受託を活用する企業にとっては、「どの開発会社へ依頼するか」が、システム品質だけでなく、将来的な事業リスクにも大きく影響します。

そのため、これからの受託開発では、単なる開発力だけでなく、DevSecOpsを前提としたセキュアな開発体制を持つパートナー選びが重要になっていくでしょう。

レリパ(Relipa)では、Webシステム開発、クラウドネイティブ開発、AI・Blockchain関連開発など、さまざまなエンタープライズ向けプロジェクトを通じて、セキュリティと品質を重視した開発体制を構築してきました。

単にシステムを開発するだけではなく、要件定義から設計・開発・テスト・運用まで、一貫して品質と安全性を担保できる開発プロセスを重視しています。

また、RelipaではPQA(Process Quality Assurance)チームによる継続的なプロセス監査・品質管理を実施しており、各プロジェクトにおいて開発フローや品質基準が適切に運用されているかを常に確認しています。これにより、属人的な開発を防ぎながら、安定した品質とセキュリティレベルを維持しています。

  • 「セキュリティを担保しながら高速開発を進めたい」
  • 「クラウド・AI時代に適した開発体制を構築したい」
  • 「品質管理まで含めて安心して任せられる開発パートナーを探している」

そのような企業様は、ぜひRelipaへお気軽にご相談ください。

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