2022.08.15
ECサイト

自社でECサイトを制作する手順・オフショアでECサイトを制作する手順とは?それぞれのメリットとデメリットを解説!

オンラインストアの開設に不可欠なECサイトは、受注管理はもちろん、それ以外にもSNS連携による集客、おすすめ商品表示、ショッピングカートや決済サービスの設定、クーポン発行やプッシュ通知など、販売促進のためのあらゆる機能を持ち合わせています。もちろん、顧客情報を守るセキュリティの高さも重要です。

そんなECサイトを開発する方法として、自社で行うのとオフショア開発を活用する方法があります。それぞれに、良さがありますし、開発工程も大きく異なりますが、果たしてどちらの方法が得なのでしょうか。

そこで今回は、自社とオフショア開発、それぞれのECサイト開発手順と、それぞれのメリット・デメリットについて詳しくまとめました。

自社でECサイトを制作する手順

まずECサイトを自社で制作するにあたってのステップを順に見ていきましょう。

サーバを選択する

ECサイト構築にあたっては、まず商品情報や顧客情報、決済情報などを管理するためのサーバを確保する必要があります。

具体的には、自社内にサーバを構築する「オンプレミス」、ネット経由でサーバを利用する「クラウド」、サーバを業者から借りる「ホスティング」、通信事業者にサーバを預けて管理してもらう「ハウジング」の4パターンがあります。

それぞれに良し悪しがありますが、自社にサーバを設置するオンプレミスは、自社向けのカスタマイズが自由にできるものの、莫大な初期費用と、設置に相当の時間がかかります。その意味では他社の力を借りて、比較的スピーディーかつ安価にサーバ構築ができる、クラウドやホスティングの方が、運営しやすいといえるでしょう。

EC-CUBEをダウンロードする

自社開発する場合、ゼロからすべての開発を行うフルスクラッチや、パッケージ、クラウドECなど、さまざまな方法があります。本記事では、その中でもオープンソースで開発できる「EC-CUBE」を使うやり方を解説しましょう。

EC-CUBEは、株式会社イーシーキューブが提供するオープンソース型のECプラットフォームで、ECサイト構築に必要な機能がすべて揃っています。1,000以上もの中からプラグインが追加できるため、カスタマイズの範囲が広く、初期費用が無料という点も大きな特徴です。

メンテナンスフリーで使えるクラウド版と、サーバに無料インストールできるダウンロード版がありますが、本記事では後者のダウンロード版を前提に話を進めます。ちなみにサーバについては、「さくらインターネット」や「エックスサーバ」「KAGOYA」といった企業がEC-CUBEのオフィシャルパートナーのため、これらのサーバを使うとスムーズに導入作業を進めることができるでおすすめです。

インストール方法は複数ありますが、エンジニアでなくともできるもっとも簡単な方法は、「EC-CUBE Downloader」を使ってレンタルサーバ上にEC-CUBE本体をダウンロードして展開するというものです。

支払方法の設定

ダウンロードが済んだら支払方法を設定していきます。これはユーザーが商品を購入した際の商品代金の支払方法を選択できるようにするためのものです。EC-CUBEでは、「郵便振替」「現金書留」「銀行振込」「代金引換」の4つの支払方法がデフォルトで登録されています。これ以外に支払方法を追加したい場合は、新規入力という形で行います。

カスタム

EC-CUBEでは、約1,000種類にもおよぶプラグイン(拡張機能)が利用可能です(一部有料)。他社との差別化をはかったり、自社特有の課題を解決したりするために、決済や集客、顧客管理、販促、デザインテンプレートといったさまざまなテーマについて、カスタムが可能になっているのです。これらの機能を自由に活用しながら、自社ならではの特異性の高いECサイト作成を目指します。

製品登録と一般設定

オンラインストアで販売する製品を管理画面で登録します。その際CSVファイルを使って一括登録もできるので、必要に応じて活用すると便利でしょう。基本設定や利用規約設定、配送方法設定といった店舗設定や権限管理、ログイン履歴、セキュリティ管理などのシステム設定も、この管理画面で行います。

オンラインストアをリリース

各種設定が済み、各種テストを行い、特別な問題がなければいよいよオンラインストアのリリースです。実店舗と異なり、オンラインストアは24時間・365日休みなしの営業体制となります。よって、いつ何時、どんなトラブルが起きるか分かりません。その際の対応方法もリリースまでに検討し、完璧な状態で整備しておく必要があるでしょう。

自社開発のメリットとデメリット

自社開発のメリットとデメリットについて解説していきましょう。

メリット

社内ソースを利用できる

自社開発の場合、基本的にすべて自前で行うため、人材もシステムも社内ソースを活用することができます。特別に採用したり、サーバ以外のシステムを手配したりする手間が省ける点は大きなメリットでしょう。

コストを抑えながらECサイトの基本要件を満たす

新たに人材採用したり外注によって開発費用を支払う必要がなかったりするため、コストを最小限に抑えながらECサイトが構築できる点も魅力です。

デメリット

経験が乏しいと開発が困難

エンジニアによって開発能力には、かなりの開きがあります。社内のエンジニアが経験豊富であれば別ですが、開発に不慣れで知識やスキルが不足している場合は、開発終了までのプロセス管理が難しくなる可能性があります。するとECサイトの完成度が低くなり、かえって自社の価値を下げることになりかねません。

リソースの課題

自社開発の場合、エンジニアやそれに付随するIT人材の数に限りがあることがほとんどでしょう。すると、その多くは、すでに担当している業務に加えてECサイト開発業務を兼務することになるため、業務量が大幅に増すうえ、かなりタイトなスケジュール管理を強いられると予想されます。

複雑なカスタマイズが困難

サービス性に富んだクオリティの高いECサイトを作成しようと思えば、複雑なカスタマイズが必要となってきます。しかし、自社開発の場合、それに対応できる人材が手配できるとは限らないため、競争力の高いライバルと比べてリリースしたサイトが見劣りする可能性があるでしょう。

システムエラーの発生リスクがある

エンジニアが不足していたり、エンジニアの実装経験が足りなかったりする場合は、制御されていないシステムエラーが起きるおそれも十分にあります。するとユーザーからの信用が失われたり、その対応に追われたりすることが増えるため、かえってデメリットが目立つ結果となりかねません。

変動コストが大きくなる可能性がある

オフショア開発のようにワークフローが制御されていない場合、開発効率が悪いため、変動コストが大きくなる可能性があります。不慣れなこともあって、無駄な作業や、やり直しが重なり、結果として予算が想定を上回ってしまうおそれがあるのです。

オフショア開発を利用してECサイトを制作する手順

つづいて、オフショア開発によるECサイト開発手順を見ていきましょう。

オフショア開発業者を選定する

オフショア開発は、国籍も実績も千差万別のため、多くの中から自社の開発目的に合致した企業を選定する必要があります。そのためには、最初から一社に決めず、同業者にあたり情報を収集するなどして複数の候補から絞るようにするのがポイントです。またその際に大切なことは、依頼したい開発内容と似た実績が豊富にあるかどうかという点です。その方が、こちらの要望に柔軟に応じてもらえて、成果物の完成度も確実に高まるので、単に高いか安いかという経済的な理由だけを優先して決めないように注意しましょう。

ヒアリング&見積り作成

オフショア業者が決まったら、こちらの開発意図やオンラインストアについての構想などを細かくヒアリング(要件定義)のうえ、その内容を反映した見積りを作成してもらいます。どうしても予算が折り合わなければ、再度業者の選定からやり直す必要が出てくるかもしれません。

オンラインストアの作成

予算が確定し、正式に契約が済むといよいよ開発がスタートします。サイトが大まかに完成した時点でテストが行われますので、必ず参加してください。機能やデザインが依頼通りになっているか、また操作性にも問題がないか入念に確認します。もし問題があればこの時点で余すところなく修正依頼をかけて、修正でき次第再度チェックを行います。

オンラインストアのリリース

テスト結果に問題がなければ、プロダクトは正式に完成となり、オンラインストアをリリースします。ここでやれやれと一息つきたくなるのですが、そうはいきません。むしろECサイトはリリースしてからが本番です。

ユーザーからの予想外の問い合わせやフィードバック、システム上のトラブルは、必ず付いて回るため、開発業者と協力するなどしていつでも迅速に対応できる体制を整えておく必要があるでしょう。

オフショア開発を利用してECサイトを制作するメリット・デメリット

オフショア開発のメリット、デメリットについて解説しましょう。

メリット

初期コストの計算が可能

オフショア開発の場合は、依頼した業務の作業量をベースに、エンジニア単価と作業時間を掛け合わせた人月によって正確な初期コストが計算できます。途中で仕様変更があれば、金額の変更もありえますが、そうでない限り計算通りの金額が請求されます。よって予算確保の目安がつきやすいので安心です。

システムエラーのリスクを削減できる

オフショア開発では、ECサイト開発の専門チームが結成され、厳正な管理のもとに開発業務が進められるため、リリース後のシステムエラーリスクは、自社開発に比べて大幅に軽減できると考えてよいでしょう。

デメリット

適切な開発会社を探す必要がある

自社開発なら、準備が整い次第いつでも開発をスタートできます。しかし、オフショア開発は、自社に合った開発会社を探し当てる時間と手間が必要になります。しかも、前評判が良くて、金額的に折り合いがついても、理想通りのシステムが完成するかは、実際に開発してみなければわかりません。

オンデマンドによるカスタマイズの精度は開発会社の能力次第

ECサイトは、競合他社との差別化をはかる格好のツールになります。よって、どこかで見たのと同じ、ではなく、斬新でインパクトがあり、購買意欲を掻き立てられるとユーザーが感じる仕上がりを目指すことが大切でしょう。その意味で、オンデマンドによるカスタマイズの重要性が高いのですが、どこまで対応可能かは、開発会社の能力次第となります。

自社開発より初期コストがかかる

自社開発なら社内人材が活用できますが、オフショア開発はすべて外部人材頼りとなります。人月により、決められた単価をベースに初期コストが算出されるため、どうしても自前に比べると予算がかかってしまいます。

まとめ

レリパでは、ECサイト開発サービスを幅広くご提供しています。

EC-CUBEでの販売フローのコンサルティングを行い、お客様のご要望に応じて、EC-CUBEの既存機能をカスタマイズし、本番環境設定まで責任もって行わせていただきます。

ご希望のインターフェースに応じてたテーマのカスタマイズや、EC-CUBE 2.xからバージョン4.xへのアップグレードもお任せください。

レリパは、ECサイト開発の豊富な経験と熱心なコンサルティングにくわえ、迅速な対応スピードにより、お客様のニーズに最適なパッケージを提供します。ECサイト開発のご要望がありましたら、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

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