システム開発・運営にかけるコストを抑えるため、海外でのオフショア開発を検討する企業が増加しています。単価の安さに注目するのであれば、ベトナムでのオフショア開発を検討してみてはいかがでしょうか。
ベトナムを依頼先として推す理由は、リーズナブルな価格だけではありません。
今回はベトナムを含めた各国の平均人月単価と、依頼先としてベトナムを選ぶべき理由を紹介します。
【オフショア開発】ベトナムの平均人月単価はいくら?
人月単価とは、IT人材を雇う際に使われる業界用語です。ひと月あたりのエンジニアの単価を指すもので、その人の能力や地域差などによって変動します。
ベトナムでオフショア開発を利用する場合、平均人月単価は32.26万円です。価格帯別の割合は30~35万円(29%)が最も多く、35~40万円(21%)、25~30万円(19%)と続きます。
参照:http://www.offshore-kaihatsu.com/contents/vietnam/price.php
ベトナムでのオフショア開発が人気を集めている理由には、人件費の安さが第一に挙げられます。日本人エンジニアの人月単価と比べると、その安さがわかるでしょう。日本人エンジニアの平均人月単価はです(※ただし、業務内容や熟練度によって異なります)。つまり、ベトナム人エンジニアに依頼すると、人件費が日本人に依頼した場合の、もしくはそれ以下に抑えられることがわかります。
【オフショア開発】ベトナム以外の国の人月単価相場
ベトナム以外にも、中国・インド・タイ・インドネシア・フィリピン・ミャンマーなどでオフショア開発が行なわれています。これらの国は、日本人エンジニアよりも平均人月単価が低いため、コスト削減のメリットを享受できるでしょう。
ただし、依頼する国によって人月単価相場が異なることに注意が必要です。
各国の平均人月単価相場は、以下のとおりです。
オフショア開発国 | 平均人月単価相場 |
中国 | 35~40万円(※沿岸部と内陸部で金額が異なります) |
インド | 30~40万円 |
タイ | 35万円前後 |
インドネシア | 32万円前後 |
フィリピン | 25~30万円 |
ミャンマー | 18~20万円 |
オフショア開発が登場した頃は、中国やインドがおもな依頼先となっていました。特に中国は人口が圧倒的に多いこともあり、現在でも市場の規模は大きいです。ただし、中国とインドはオフショア開発の依頼先として老舗であるため、他の東南アジア各国よりも人月単価が高めとなっています。
近年はタイ、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどの新興国にも注目が集まるようになりました。これらの新興国は中国やインドよりも人件費が安く、プロジェクトにかかる費用をさらに抑えられる可能性があります。
【オフショア開発】ベトナムでブリッジSE・PMを付ける際の単価
オフショア開発では円滑にプロジェクトを進めるために、ブリッジSEやPMを付けるパターンが多いです。この場合、さらに追加の人件費が発生することを覚えておきましょう。
ブリッジSE、PMとは?
ブリッジSE(ブリッジシステムエンジニア)はオフショア開発において、日本企業と海外エンジニアをつなぐ架け橋です。例えば、現地チームの進捗管理を行なったり、エンジニアからの意見を取りまとめて日本企業に伝えたりします。
ベトナムのブリッジSEは、日本語を話せるベトナム人が担当するケースが多いです。ただし、英語でのコミュニケーションが中心となる場合は、英語の能力が求められます。ブリッジSEは現地チームのエンジニアに、日本企業の要望を細かなニュアンスまで伝えなくてはなりません。そのため言語能力のほか、システム開発の知識や技術力も必須といえます。
一方、PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトの責任者として先頭に立ち、全体の運営管理・指揮を担当します。システム開発に関する知識や開発経験が豊富で、リーダーシップやマネジメント能力に長けたエンジニアが担当するケースが多いです。PMは人材確保や企画、予算や納期の設定、作業計画や工数の決定、問題点の解決、クライアントの対応や交渉など幅広く担当します。
ブリッジSE、PMの単価はいくら?
オフショア開発でよくあるパターンとして、日本人がPMを担当し、日本語が堪能なベトナム人がブリッジSEを担当するパターンが挙げられます。日本人PMの平均人月単価相場は60~80万円で、ベトナム人のブリッジSEの相場は30~40万円です。
会社やプロジェクトの規模によっては、ブリッジSEを置かずに進行するケースもあります。ベトナムでオフショア開発を依頼する際には、コミュニケーションの要となる人物がいるかを確認しておきましょう。
低単価だけではない!オフショア開発でベトナムを選ぶべき理由
オフショア開発の拠点としてベトナムが適している理由は、「平均人月単価が低いから」というだけではありません。ここでは、ベトナムを依頼先として選ぶべき理由を見ていきましょう。
長い経験と実績があり、コストパフォーマンスが高い
コスト面だけに注目するのであれば、ベトナムより人件費の安い国を選ぶだけで良いかもしれません。しかし、経験や実績のことも併せて考えることが大切です。
例えば、ミャンマーのオフショア開発はベトナムと比べると経験が浅く、スムーズにプロジェクトが進行しないケースがあります。これに対して、ベトナムは10年以上のオフショア開発の経験があり、インフラ整備も進んでいるので安定しています。人件費とオフショア開発の経験、技術力、インフラの安定性などのバランスを考慮すると、ベトナムのほうがコストパフォーマンスが良いといえるのです。
政治が安定していて安心
オフショア開発を行なうのであれば、その国の政治事情や治安について把握しておく必要があるでしょう。ベトナムの場合は一党制度で政治が安定しているので、テロなどの心配が少ないメリットがあります。治安が良いので、日本人が現地へ出張する際も、犯罪に巻き込まれるリスクは比較的少ないといえるでしょう。
東南アジアやアフリカなど、他の国のほうがコスト面で魅力的に見えるかもしれません。けれども、政治不安がある国をオフショア開発の依頼先として選ぶことには、大きなリスクをともないます。「プロジェクトを最後まで問題なく進めることができるか」という観点で考えるなら、政治が安定しているベトナムを選ぶほうが安心できるでしょう。
大の親日国でビジネスがしやすい
プロジェクトを円滑に進めるためには、現地のエンジニアと良好な関係を構築することが肝心です。ベトナムは大の親日国であるため、日本企業にとってはビジネスのしやすい国といえます。
ベトナム人は勤勉で真面目な性格で、仕事に熱心に取り組む姿勢が評価されています。協調性があるため、組織で働くことに向いている人が多いです。向上心があり、スキルを磨こうとする意欲もあります。基本的な性格は日本人とよく似ているため、そういう意味でも日本とベトナムは相性が良いといえるでしょう。
さらに、ベトナムでは日本語を勉強している人が多いため、現地のエンジニアと日本語でやり取りできる場合があります。親日国であること、日本人の気質と共通点があること、日本語話者が多いことを考えると、オフショア開発の依頼先としてベトナムが選ばれるのも自然でしょう。
地理的なメリットが大きい
日本とベトナムは飛行機でのアクセスがしやすく、移動時間が短いこともメリットとして挙げられます。直行便の本数が多いため出張もしやすく、航空機代も安く抑えられるでしょう。
海外とのやり取りでは時差に注意する必要がありますが、日本とベトナムの時差は2時間ほどです。営業時間のズレも少ないため、リアルタイムでの打ち合わせもしやすいこともメリットでしょう。
まとめ
オフショア開発の依頼先を決める際には、単価の安さだけで判断するのではなく、単価以外のメリット・デメリットを把握したうえで決定しましょう。ベトナムは人件費が安いだけでなく、オフショア開発の経験・実績も豊富です。インフラも整備されているため、総合的に見てコストパフォーマンスが高いといえます。
多数のメリットがあることを考えると、ベトナムは非常に魅力的な依頼先であると判断できるでしょう。もし、ベトナムでのオフショア開発に興味があるなら、システム開発から運用まで総合的に支援できるレリパにぜひご相談ください。
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