DAO(自律型分散組織)とは?メリット・デメリット・次世代型新組織といわれる理由を徹底解説!

世の中にインターネットが誕生して約30年が経過し、ウェブの世界はブロックチェーンを基盤とする「Web3.0」のフェーズへと突入しました。その象徴として注目されているのが「DAO(自律型分散組織)」です。 

従来の中央集権的存在により意思決定される組織と異なり、管理者不在で運営が自動化されるうえ、だれでも参加できるとあって、今までにない様々なサービスが提供されています。中でも特筆すべきは、メタバースとの融合によりDAOの特性が本領を発揮し始めています。 

そこで今回は、DAOが注目されている理由やメリット・デメリット、さらに実例や将来性について詳しく解説します。 

DAOとは

DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語では「自律型分散組織」と訳されます。 

政府や自治体、株式会社など、従来の組織は意思決定を行う中央集権があり、上意下達のヒエラルキー(階級)が定められているのが一般的でした。CEOや取締役の下に複数の部署が配置され、各部署の中でも上司・部下の関係がはっきりとしています。役割や権限も決まっており、そこを飛び越えて業務をこなすことは許されません。 

これに対してDAOは、ブロックチェーン上に構築され、中央集権的存在に支配されない組織で、だれでも参加可能(=分散型)な点が特徴です。すべての契約や取引、権利関係の構築はイーサリアムのスマートコントラクトにより自動的に実装され、ブロックチェーン上に記録されるため、極めて透明性と公平性に富んでいます。 

投資家をはじめとするDAOのプロジェクトに共感した参加者は、独自のガバナンストークンを購入し、意思決定のための投票権を保有します。意思決定の際は、投票により賛成が過半数を超えれば可決のうえ実行に移されます。加えて、ガバナンストークンのみならずステーブルコインなど他のトークンを手にすることで、経済的リターンを得るというインセンティブも伴います。 

スマートコントタクトにより運営上のルールが定義されているため、いったんデプロイされると、投票による意思決定をおいて他にルールや決定事項を変更する手段はありません。株式会社の場合、株主と実際に会社運営を行うCEOや取締役、執行役などは独立した関係性を保っています。ところがDAOは、プロジェクトの共感者がガバナンストークンを保有することで各業務に直接関与するという、いわば株主が会社運営においてマネージメントの権限を有するような次世代型新組織ともいえるでしょう。 

DeepDAOの調査では、2021年の1月からわずか9か月間でDAOが管理する資金は、約440億円から約1.8兆と40倍にも膨らんでいます。同年12月のDAOメンバーとトークン保有者の数も130万人と、年初の130倍に急増しています。 

DAOが注目されている理由

上記のように、とくに2021年に入ってからDAOの数は急増しています。 

その理由として大きく3つの要因が挙げられます。 

まず一つは、DAOは、だれでもブロックチェーン上で設立でき、スピーディーな資金調達が可能ということです。通常なら会社の設立手続きや銀行などから融資を取りつけるには、それなりの準備時間を要します。その点、DAOの場合は、24時間365日いつでもどこでも(オフィスがなくても)設立でき、スタートと同時に世界中から資金調達を開始できます。 

しかも、DAOに参加して独自のトークンを保有すれば、プロジェクトの意義が多くの投資家から評価されて仮想通貨市場で値上がりした際には、それに応じて資産が増やせる、という点が2つ目の理由です。 

3つ目は、DAOのベースとなるイーサリアムのスマートコントラクトにより、仮想空間で土地を購入したりバーチャルライブを行ったり、NFTの販売が行って収益化するなど、メタバースとの融合が可能な点です。2021年は、「メタバース元年」と呼ぶにふさわしい年で、仮想空間でアバターを使って自由にゲームを楽しんだり、様々な経済活動を行ったりする世界観への期待が、あきらかな広がりを見せ始めました。 

その背景として、コロナ禍により世界的に外出がままならなくなった影響で、ネットへの依存度が格段に増加したことも見逃せません。今までの楽しみ方以上に、より実用的かつ刺激的で、新感覚なツールへの需要の高まりと、ブロックチェーン技術の浸透が相まって、メタバースへのニーズと注目度が急速に高まったのです。 

DAOのメリット

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続いて、DAOのメリットを見ていきましょう。 

透明性と公平性に富む

ブロックチェーン上で稼働するDAOは、すべてのトランザクションがくまなく記録のうえ可視化されるため、極めて透明性に富んでいます。普通の会社や自治体などの中央集権に支配された組織ではそういかないでしょう。密室で意思決定が下されたり、トップ層の都合で新たな方針が打ち出されたりと、詳細については不透明な中で推し進められることが珍しくないからです。 

さらにDAOでは、だれでも参加可能なうえ、ガバナンストークンを保有すれば全員に投票権が付与されるので、平等に意思決定に参加できるという点で公平性も維持されます。 

細かな手続きが不要

DAOでは、すべての取引がスマートコントラクトによって実行されます。よって、契約に関して、人が一つひとつ契約書を作成したり、印鑑をついたりする必要がありません。一般的な組織の様にヒエラルキーがないため、いたずらに多くの部署を設けたり、人間関係で余計な気を遣ったり、忖度したりといったことも不要で、組織構造が簡潔化され、ストレスフリーな中で仕事が進められます。 

大きなリターンが期待できる 

多くのDAOでは、発行される独自トークンに上限があり、プロジェクトが認められ仮想通貨の人気が上がると、トークンの価格も上昇します。なかには数倍~数十倍に跳ね上がることもあるため、トークン保有者は大きな経済的リターンが期待できます。 

DAOのデメリット 

次はDAOのデメリットについて見ていきましょう。 

意思決定に時間がかかる

DAOでは、参加者すべてが意思決定に関われるという利点がある一方で、全員に意思を問い、投票を行って結果を出すまでに時間がかかるという欠点もあります。スピードが求められるビジネスの場で、これは大きなデメリットになりかねません。DAOの初めての成功例といわれる「ビットコイン」でも意思決定に3ヶ月の期間を要するくらいです。よって、通常のビジネス感覚からすると迅速性に欠けるでしょう。 

意思決定の内容が正しいとは限らない 

DAOには、だれでも参加可能ですが、逆にいうと、どんな人物や組織が参加してくるか予測できず、阻止することも困難です。よって、構成メンバーによっては、DAOで下される意思決定が必ずしも妥当なものとは言いきれません。とくに参加者が少ない場合は、投票によって過半数を獲得することが難しい場合があり、一旦意見が割れるとなかなか意思決定が進まず、プロジェクト自体が暗礁に乗り上げることもありえます。 

セキュリティに不安が残る

DAOは、すべての取引がブロックチェーン上で行われる以上、ハッキングのリスクは否定できません。とくに取引所で仮想通貨を購入する場合、取引所自体がサイバー攻撃を受けると換金できなくなり、投資した資産がすべて無駄になる可能性があります。DAOについては法整備が追い付いていないため、被害を受けても補償されるとは限らず、この点は軽視できないデメリットです。 

DAOの実例

ここからは、DAOの実例をご紹介しましょう。 

PleasrDAO

PleasrDAOは、NFTアートの収集を目的としたDAOです。ブロックチェーン業界で著名な投資家やプロトコル創始者が多数名を連ねていることに加え、数千万円という高額なNFTアートを個人ではなくDAOが落札したことでも非常に話題となりました。 

またPleasrDAOは、入手したNFTを担保にし、Defiを活用した資金調達に成功しています。さらに、自らもNFTアートを作って売り出すなど、その活動の幅を広げており、今後の動向が注目されています。 

Decentraland 

Decentralandは、アバターを介して独自の仮想空間内で様々な遊びや経済活動などが楽しめるDAOのプラットフォームです。ユーザーは、MANAというトークンを使って、仮想空間内の土地である「LAND」を購入・売却することができます。 

LANDには、思い思いの建物や施設を自由に建設でき、例えばギャラリーを建設してその施設内でNFTアートを展示・販売することができます。ゲームセンターを作れば、プレーヤーを招いてバトル大会を開催できたり、他のNFTゲームと連携したり、それらのキャラクターやアイテムをNFT化して売ることも可能です。ライブハウスを作ってバーチャルライブを開催すれば、入場料やチケット代金の売上により収益化がはかれます。 

Decentralandでは、仮想空間上の一大コミュニティーが構築されており、すでに世界中の投資家が成長を期待しているメタバース市場を牽引する自律的組織となっています。その証拠に、MANAの価格は、リリース以降長らく低迷や乱高下を繰り返してきましたが、2021年に入り状況は一変。クジラといわれる大口投資家が大量の資金をMANAに投入したり、FaceBookが社名を「メタ」に変更したりといった動きからメタバースへの注目度が一気に高まり、同年1月1日に9円だったのが、10月末には127円。さらに年を越して2022年1月2日の時点で384円の値をつけました。わずか1年で約40倍の高騰ぶりです。 

DAOの将来性 

2021年4月、アメリカのワイオミング州で、DAOを法人として認める法律が可決され、その3カ月後には、「American CryptoFed DAO」が第1号のDAO法人として登記を済ませました。これによりDAOの認知度はもちろん、社会的信頼度も大きく高まったといえるでしょう。 

2021年は、DAOと呼応するようにNFT市場が沸騰しました。先ほどご紹介したDecentralandは、人気のNFTゲームの「Axie Infinity」と連携したり、その仮想空間内に世界的オークション会社「サザビーズ」がバーチャルギャラリーをオープンしたりと、DAOに広くユーザーを呼び込むエコシステムが確実に構築されつつあります。 

国内でも多くの芸能人やモデルが所属するアソビシステム株式会社が、DecentralandのLANDを入手して仮想空間上での文化都市「メタトーキョー」を始動、世界で初めてメタバースを活用した本格的なエンタメやカルチャーの配信をスタートさせました。 

DAOはイーサリアム上で稼働しますが、参加に必要な仮想通貨ETHのガス代(手数料)の高さが問題視されてきました。しかし、Decentralandでは、MANAと仮想通貨Polygon間での移行が新たに可能となり、ガス代が大幅に安くなりました。DAOは、仮想通貨を活用するため、10~20代前半の若者には馴染みにくい印象がありますが、同世代のタレントがDecentralandで活躍し始め、さらにガス代が安価になれば、一気に親しみが増して幅広い世代でDAOが普及していくと期待できます。 

2030年には、市場規模が100兆円に到達するといわれるメタバースとDAOは切っても切れない両輪のような関係です。MANAをはじめとするメタバース関連の仮想通貨が勢いよく高騰していることを考えると、その動きに引っ張られるようにしてDAO市場もさらに発展していくに違いありません。 

まとめ 

DAOについて基本的なことから最新の動向まで詳しく解説しました。メタバースとの関連について知ると、DAOが今後いかに大きな発展の可能性を秘めているかが、よく理解できるでしょう。 

レリパも2022年には、パートナー企業の皆さまとともに、いよいよNFTゲーム「Widiland」をローンチします。まずはβ版からのスタートですが、その先に目指すのはDAOメタバースです。すでにコミュティも立ちあがりTwitterやFacebookから情報配信もスタートしております。ご興味がおありなら、ぜひアクセスしてみてください。 

また、レリパではこれからDAOを始動したいというお客様のお手伝いをさせていただいております。経験豊富なエンジニアがいつでもお待ちしておりますので、気軽にご相談ください。