2022.04.01
CEXDEX

DEX(分散型取引所)とは?メリットとデメリット、CEX(中央集権型取引所)との違いも詳しく解説!

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暗号資産の新たな取引市場として急速に注目を集めているDEX(分散型取引所/デックス)。ブロックチェーンを基盤としているため、従来のように中央集権的な存在を介さずに個人間で暗号資産取引ができます。手数料が安く、ハッキングリスクも低いなど様々なメリットがあり、銀行や証券会社などを必要としない分散型金融・DeFiの代表的なサービスとして、さらなる成長が期待されています。

そこで今回は、DEXについて基本的なことから解説し、メリットやデメリット、さらにCEX(中央集権型取引所)との違いについても詳しく掘り下げます。

DEXとは?

DEXとは、Decentralized Exchangeの略で、日本語では「分散型取引所」と訳されます。主にイーサリアムブロックチェーンを基盤とし、従来の、特定の管理者を介するCEX(中央集権型取引所)とは異なり、複数の端末で分散管理されるP2P方式で、個人でも暗号資産を直接取引できるアプリケーションです。

CEXでは、特定の取引所で口座開設のうえウォレットを作成し、自分のウォレットから暗号資産を移さなければ取引ができませんでした。ところがDEXは、自分のウォレットから直接取引ができるため、わざわざ送金する必要がありません。取引所に管理を任せていた秘密鍵も自ら管理する形となります。

トランザクションは、ブロックチェーン上で決済のうえすべて記録される点も、データベースに記録するCEXとは大きく異なります。コードがオープンソースで公開されているので、その気になれば誰でも仕組みを知ることが可能です。そのため、2018年にローンチされた、DEX内では取引高がトップクラスの「Uniswap」のコードを使った、改良型の「SushiSwap」や「PancakeSwap」などのプラットフォームが相次いで誕生しています。

DEX内の流動性を高めるために、流動性プロバイダー(リンクイディティ・プロバイダー/以下、LP)と呼ばれる投資家が、流動性プールに複数の暗号資産をペアやセットにして同額ずつ提供することで市場が形成されます。

例えば2種類のトークンAとBがペアとなっている場合なら、トレーダーは、入手を希望するトークンAとは違うもう片方のトークンBを流動性プールに加えてから、トークンAを引き出します。流動性プール内は、あらかじめ設定されたアルゴリズムが、買われて価格が上がったトークンは数量を減らし、価格が下がったトークンは数を増やすというかたちで、各トークンの合計値が常に一致するようにプログラミングされています。

後述しますが、どのDEXもLPが提供するトークン量が少なければ、取引所として成立しません。そこで一定以上のトークンを集めるために、いくつかのインセンティブを設けて、LPに投資先として選択してもらえるような価値を創出します。

後述の内容も含めて、DEXとCEXの違いをまとめておきましょう。

 DEXCEX
管理者の有無なしあり
数の割合約5%(国内になし)約95%
手数料需給バランスにより変動一定(ただし高額)
報酬の有無流動性プールやステーキング取引による利益のみ
身分証の提示必要なし必要あり
秘密鍵の扱い方自己管理取引所が管理
安全性高いとは言えない高い
法律規制なし説明責任やセキュリティ保持の義務など

DEXの特徴

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スマートコントラクト

管理者が不在でも取引が可能なのは、DEXが主としてイーサリアムブロックチェーンを基盤とする、スマートコントラクトを利用したアプリケーション(Dapps)だからです。スマートコントラクトとは、あるルールに従って契約が自動的に実行されるようにプログラミングされた仕組みのことです。先ほどの例で言えば、ある量のトークンAが追加されて、ある量のトークンBが買われた場合に、それぞれの価格をいくらにするかを計算できるように、独自の数式が設定されているのです。

このシステムは、「AMM(自動マーケットメーカー)方式」といわれます。従来の暗号資産取引は、株や債券などと同様、売り注文と買い注文をマッチングして取引を成立させる「オーダーブック方式」で行われていました。特定の管理者がマーケットメーカーとして仲介して、その見返りに手数料を受け取ります。

しかし、オーダーブック方式は、マッチングに時間がかかり、スループットとブロックタイムがともに10~20秒平均とかなりのスピードが要求されるイーサリアム上では実用性がありませんでした。そこで、新たに開発されたのがAMM方式です。管理者不在ですべての取引がブロックジェーン上で行なわれるため、取引所への手数料が不要なうえ、AMMによりスピーディーな価格決定が可能となり、DEXが劇的に進化したのです。

流動性マイニング

先ほども述べましたが、DEXは、流動性を確保してプロジェクトを軌道に乗せるために、LPに少しでも多くのトークンを提供してもらうことが必要です。

そこで、各DEXプロジェクトは、新規のガバナンストークンやサービス内の取引手数料、さらに数十~数千%という、時に天文学的ともいえるほど高い利息を与えるというインセンティブを独自に用意します。流動性プロバイダーは、トークンを提供する見返りに、これらのインセンティブを享受するわけですが、これを「流動性マイニング」といいます。

ガバナンストークンがあれば、プロジェクト内のルール変更をはじめとする重要な意思決定への投票権が得られます。プール内で発生したすべてのトランザクションの手数料は、提供したトークンの割合に応じて各LPに分配されるのがルールです。そして何より、一般の金融機関では考えられない破格の利息が付与される点も、流動性マイニングの醍醐味といえるでしょう。

DEXが健全な取引ができる状態で稼働しているとすれば、その裏には投資目的で流動性マイニングを行うLPが必ず存在し、一定の流動性を担保するための潤沢なトークンを提供しています。現に、流動性マイニングの導入により、DEXの流動性の低さは、見違えるように解決しました。逆を言えば、何らかの理由で多くのLPが自らのトークンをプールから引き揚げてしまい、著しく流動性が乏しくなった場合、そのDEXは機能しなくなると言ってよいでしょう。

DEXのメリット

ここからは、DEXのメリットについてさらに詳しく見ていきましょう。

メリット1. 安全である

CEXの場合は、取引所に自身のウォレットを預けて秘密鍵も取引所が管理するため、ハッキングされたり、内部の不正により盗まれたり、取引所が破たんしたりした場合、暗号資産を失う可能性があります。

一方、DEXは、ウォレットを自身で管理するため、取引所に上記のような重大なトラブルが発生しても、被害に遭うことはほとんど考えられません。

メリット2. コストと手間がかからない

CEXは、管理者が、人件費やインフラ費用、自分たちの利益などを回収するために、トレーダーに対して手数料を請求します。一方、DEXは、CEXのように管理者側にサーバーがあるクライアントサーバー型ではなく、P2Pでユーザーの端末が個々につながるフルノードサーバーという形式をとっているため、トレーダーのみで暗号資産を取引できます。よって、トランザクションの認証に必要なガス代はかかりますが、CEXのように取引所に対する手数料は一切いりません。

またDEXでは、トレーダーが自身のウォレットから直接取引ができるので、CEXのように(自身のウォレットから)取引所内に作成したウォレットに暗号資産を送金する手間もいらないため、手続きが非常に楽です。

メリット3.本人確認がいらない

DEXは、CEXのように取引所に身分を証明したうえで口座開設をするといった手続きは一切不要です。本人確認なしで取引を開始できるため、個人情報が漏えいするリスクは皆無です。貧困などが理由で銀行口座が持てない人は世界で約25億人いると言われますが、その場合でもDEXなら問題なくサービスを利用できます。

DEXのデメリット

続いてDEXのデメリットです。

デメリット1.何が起きても自己責任

DEXをはじめとするDeFiのスマートコントラクトには、バグが発生することがあり、実際にその脆弱性を突いたハッキング事件も起きています。また、自己管理が原則の秘密鍵を紛失しても、暗号資産は一切引き出せなくなります。

ところがDEXは、国内において金融庁の認可を得ていません。法律も整備されていないため、CEXのように、管理者に対する法律的な縛りが一切ないのが現状です。よって、上記のようなトラブルが起きても、すべては自己責任のため何ら補償が期待できない点はデメリットです。

デメリット2.サポートが受けられない

DEXは、一旦取引を始めたら、すべてはスマートコントラクト主導で運営されるので、いわゆるサポートセンター的な存在がありません。ホワイトペーパーは発行されても、サービスの使い方や疑問点について細かな解説やアンサーはないので、ブロックチェーンに対する理解が浅いとか、セキュリティに関する知識が薄いといった初心者が参加するのはハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。

デメリット3.流動性が低くなる可能性がある

DEXは、CEXと違って、管理者が流動性を高めるために市場に介入することはなく、板の厚さや価格は、トークンの取引量にゆだねることになります。流動性プール内のトークンが豊富で、プール内にトークンを預けるトレーダーが多い局面では、価格が安定しやすいです。しかし、通貨量が減少すると、価格が上昇して取引がしにくくなるので注意が必要です。

まとめ

国内に限っていえば、暗号資産の取引所は100%CEXのみで、DEXは存在しません。よって、知名度としては圧倒的にCEXの方が高いですが、今後DeFi市場の拡大とともに、その状況も変化してくるかもしれません。

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