2022.07.12

SocialFiとは?生まれた背景や仕組み・今後についても詳しく解説!

what is socialfi

Web3.0といわれる次世代型インターネット時代の到来とともに、世の中ではブロックチェーンメカニズムを活用したサービスが確実に存在感を増しています。

2021年にDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)が大きく注目されると、その後に脚光を浴び始めたのが、メタバースです。さらに、そのメタバースを支えている管理者不在のブロックチェーン基盤プラットフォームに、DAO(分散型自律組織)があります。

このDAOこそが、政府や大企業といった中央集権的存在に依存しないブロックチェーンによる分散型エコシステムの真骨頂であり、これを活用した金融メカニズムが、「SocialFi」です。

SocialFiは、もっとも新しいブロックチェーンサービスといってよく、2022年前半の時点で、まだ明確な定義は存在しません。しかし、その概念形成は確実に進んでおり、SocialFiが世に広まれば、SNSやブロックチェーンを活用したマネタイズ手法に地殻変動が起きる可能性があります。

そこで今回は、SocialFiとは何か、その誕生した背景や仕組み、そして今後の展望について詳しく解説します。

SocialFiとは

SocialFiとは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とブロックチェーン、さらに金融を融合させた概念です。

分かりやすく言い換えると「個人でマネタイズ可能なSNS」です。

従来のTwitterやInstagramといったSNSは、個人がさまざまなコンテンツを発信するツールとして利用されてきました。それらのサービスは、Twitter社やメタ社のような管理者によって提供されているため、プロフィールやコメント、画像や動画などは、すべて企業のサーバーで管理されてきました。

これらを管理者不在の状態で、ブロックチェーンを活用した分散型メカニズムによって、ユーザー自身が管理できるようにしたのが、SocialFiです。コンテンツの配信はもちろん、それらを売買することで、暗号資産によるマネタイズも可能になります。

つまり、今までSNSで発信していたコメントや「いいね」、画像や動画が、ビジネスの対象となり、それらに資産性を持たせることができるようになるということです。

SocialFiが生まれた背景

SocialFiが、誕生した背景について、もう少し掘り下げて解説しましょう。

単にインターネットが閲覧されるにとどまっていたWeb1.0から、SNSをはじめとするネット上でのインタラクティブな関係性の構築を可能にしたWeb2.0への移行は、GAFAに代表される巨大テック企業の飛躍的成長を促しました。

2004年にFaceBook、2005年にYouTube、2006年にTwitterと、SNSや動画サイトが次々とローンチされると、ネットにおけるインタラクティブな関係性の構築やコミュニティの形成が爆発的に普及し始めます。この動きと並行して、eコマースで世界規模の一大経済圏を築き上げたAmazon、スマホの開発によって大幅なデジタルシフトを可能としたAppleの成長は目を見張るものがあり、近年ではこの2社にGoogleとメタを加えたわずか4社の時価総額が、日本の東証1部上場約2170社のそれを上回るまでに巨大化したのです。

そしてこの裏にあるのは、巨大テックによる個人情報を中心としたビッグデータの掌握と活用です。SNSが普及するにつれ、本人の意思とは関係なく、プロフィールや行動履歴、趣味嗜好データを蓄積のうえ販売することで膨大な利益を独占する行為は、やがて世界的な批判を受けるようになりました。SNSにおけるコンテンツやリツイート、個人データについては、ユーザー自身に完全な所有権が認められておらず、これらを個人がビジネス目的で自由に利活用することが可能になれば、その収益は計り知れないものになるからです。

この様な社会的な不満とニーズを背景に、管理者不在でだれでも参入でき、なおかつ個人情報やコンテンツなどを自身で管理しながら収益化できる理想のシステムとして、「SocialFi」が開発されたのです。SocialFiが、いかにして上記のニーズに応えうるのか、について以下でさらに詳しく解説していきましょう。

SocialFiの仕組み

SocialFiの基本的な仕組みは、DAO(分散型自律組織)です。

DAOとは、イーサリアムをはじめとした、スマートコントラクトを搭載したブロックチェーンをベースに構築される、中央管理者を持たずに構成メンバー一人一人が運営に携わる組織のことです。

DAO内のトランザクションは、すべてスマートコントラクトによって自動的に実行され、その全てがブロックチェーン上に記録されるため、第三者でも閲覧可能なうえ、改ざんはほぼ不可能です。DAOのメンバーは、独自のコミュニティトークンを手にすることでプロジェクトの方針に対する投票権を得ると同時に、ステーキングや売買を通して報酬の獲得も叶います。

SocialFiでは、主にコンテンツをNFT化してDAO上で売買する手法が取られます。イーサリアムやソラナ、ポリゴンといった暗号資産を使えば、コメントやリツイート、画像や動画などをトークンと紐づけして(=非代替性トークン(NFT))、代替不可能な資産として自由に取引できるようになります。話を分かりやすくするためにたとえ話にして説明しましょう。

2021年、Twitterの創業者ジャック・ドーシー氏が世界で最初にツイートしたコメントが、オークションにおいて290万ドル(約3億1000万円)で落札されたニュースが、世界中を駆け巡りました。これを可能にしたのがNFTです。

NFTは通常、専用のマーケットプレイスに出品することで取引が可能となります。暗号資産を使ってデジタルコンテンツを購入すると、所有権はその買い手に移転し、唯一無二の価値を持ち続けます。この様にして、デジタルアートをはじめ、動画や画像、音楽、そしてツイートの内容などが、取引されるわけです。

このプロセスをさらに縮めて、マーケットプレイスを使わずにDAO内でNFTをそのまま売り買いするのが、SocialFiといえば分かりやすいでしょう。つまり上記の例で言えば、Twitterでつぶやいたコメントを単に発信するだけでなく、その場でNFTにして販売もできるということです。それだけでなく、「いいね!」やリツイートにもトークン報酬が反映されます。

DAOなら管理者が不在で、暗号資産のウォレットアドレスを使って取引できるので、だれにも情報は搾取されず、自分のデータを無断で販売される恐れもありません。しかも手数料が大幅に安くなるというメリットもあります。

YouTubeなら動画を配信しても、広告料の多くはGoogleの収益となっています。しかし、SocialFiが実現すると、優秀なコンテンツを作成すれば、そこに企業から直接広告料が支払われるというシーンも夢ではなくなるのです。これをもって、SocialFiは、「Write to Earn(書いて稼ぐ)」とか「Social to Earn(稼ぐためのソーシャルネットワーク)」と呼ばれることもあります。

タレントや俳優がCMに出演してギャランティを稼ぐように、SNSを使って、自分のコンテンツを投資対象にして報酬を得ることが実現するともいえるでしょう。このビジネスモデルが確立されれば、SNSの常識やブロックチェーンを活用したマネタイズ手法に大きなパラダイムシフトが起こるといっても過言ではありません。

関連記事:DAO(自律型分散組織)とは?メリット・デメリット・次世代型新組織と言われる理由を徹底解説!

SocialFiの例

SocialFiの事例の一つとして、2022年5月にα版がローンチされたばかりの「Lens Protocol」があります。

Lens Protocolは、分散型ソーシャルメディアネットワークを個人が自由に構築できるサービスです。ポリゴンのブロックチェーン上で稼働し、長文テキストや音楽、ゲームなどのコンテンツによって独自の世界観を展開し、配信範囲やマネタイズの方法もすべて自分で決めることができます。

ユーザーIDは、従来のSNSのように実名やメールアドレスを使って取得するのではなく、暗号資産ウォレットアドレスとNFTを紐づけすることで機能します。リリース直後の時点で、すでに50を超えるプロジェクトがLens Protocol上で構築されています。

SocialFiの今後

SocialFiの「Fi」は「Finace」つまり「金融」を意味します。SocialFiの存在意義は、あくまでも収益化することにあるということです。

従来は不可能であったSNSによるマネタイズが可能となれば、それがインセンティブとなり、価値あるテキストや画期的なデジタルアート、レアな動画など今までになかった魅力あるコンテンツが登場すると期待できます。その動きが呼び水となり、企業や投資家によってSocialFiプロジェクトへの投資が活発化すれば、その将来性は大いに高まるでしょう。

ただ、SocialFiで収益基盤となるのは暗号資産であり、サービス内のトークンが上昇すれば、報酬額は大きくアップしますが、激しく暴落すれば、手元に残る収益は微々たるものになりかねません。よって、法定通貨に比べると価値が不安定な点が、SocialFiの大きな懸念材料といえるでしょう。

先ほども例に挙げたYouTubeの場合、たしかに広告料の多くは管理者であるGoogleが回収します。しかし、コンテンツ作成者には法定通貨で報酬が支払われるため、価値については暗号資産と比較にならないほど安定しています。

SocialFiの例はまだ限られているため、実際にどれほどの収益が期待できるかは定かではありません。ただ、メタバースを代表するDAOとして人気の高いNFTゲームの『Decentraland』で利用できる暗号資産のMANAでさえも、非常に乱高下が激しいのが現状です。2022年に入ってからの価格推移をみても、わずか1ヶ月の間で3分の1以下に下落した例があります。

2021年10月にFaceBookが「メタ」に社名変更して依頼、世界的に注目されているメタバースの申し子のような『Decentraland』でさえ、この状態です。よって、SocialFiの存在意義は認められたとしても、実際にマネタイズの手法として市民権を得るには、なお時間がかかるともいえるのではないでしょうか。

まとめ

SocialFiは、NFTゲームで稼ぐ「Play to Earn」やウォーキングなど体を動かして暗号資産を入手する「Move to Earn」とともに、ブロックチェーンを活用したマネタイズ手法として注目すべき概念です。

ただ、現段階では、いささか理論が先行している面があり、実用化に向けたスキームは構築されていても、その多くはリリースされるまでにまだ時間を要すると考えられます。よって、今後の動向が注目されます。

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