人気のあるブロックチェーンを徹底比較!ETH, Polygon, Solana マーケットプレイス の作成はどれがいい?

NFT人気やDeFi、DAOへの注目度の高まりによるイーサリアムエコシステムへの需要の増加ぶりは、目を見張るものがあります。しかし、その一方でイーサリアムのトランザクション数の急増による手数料(ガス代)の高まりや処理スピードの鈍化といったスケーラビリティ問題が、深刻化しています。

この問題を解決すべく登場したのが、イーサリアムのセカンドレイヤーである「ポリゴン」とイーサリアムに対抗すべく開発されたブロックチェーンの「ソラナ」です。両者ともスマートコントラクトが実行できるので、様々なDappsの開発に役立つだけでなく、手数料が安価で処理速度が桁違いにスピーディーなため、イーサリアムに代わるゲームチェンジャーとして暗号資産界隈では大変期待されています。

そこで今回は、「イーサリアム」「ポリゴン」「ソラナ」を様々な角度から比較し、新たにNFTのマーケットプレイスを作るとしたらどれがよいのか、についても解説します。

イーサリアムのスケーラビリティ問題

画像や動画といったデジタルコンテンツに唯一無二の価値を証明できるNFT、銀行や証券会社など中央集権的機関を介さない分散型金融のDeFi、メタバースと暗号資産の融合を可能にする分散型自律組織のDAOなど、イーサリアムの登場によって誕生した斬新なコンセプトやシステムは、短期間のうちに暗号資産界隈で圧倒的な存在感を放つようになりました。これに伴い、イーサリアムの人気は急上昇し、すべての暗号資産の中でビットコインにつぐ第2位の時価総額をマークしています。ただ、その影響でトランザクションの数が桁違いに増加し、マイニングに時間がかかって手数料(ガス代)が高騰化する「スケーラビリティ問題」が表面化しました。

NFTやDeFiなどの先進的かつ画期的なシステムを実現させたのは、イーサリアムのスマートコントラクトです。あらかじめ定められたルールに従って、プログラムを自動的に実行するスマートコントラクトは、数ある暗号資産の中でも主にイーサリアムにしかない独自機能のため、DeFiやDAOなどのDapps(分散型アプリケーション)を利用したり、NFTを売買したりするためには、イーサリアムを使うしかありません。

しかし、スケーラビリティ問題が深刻になるにつれ、投資家からは、イーサリアムに代わる手数料が安価で処理速度が速い新たなブロックチェーン開発への要望が高まりました。確かに、ガス代があまりに高すぎると、イーサリアムが入手できるのは、一部の資本力のある富裕層などに限定されてしまいます。これは、イーサリアムエコシステム全体の発展を妨げる結果を招きかねません。そこで、スケーラビリティ問題解決のために新たに開発されたのが、「ポリゴン」であり「ソラナ」なのです。

参考:イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法

イーサリアムのレイヤー2とイーサリアムキラー

イーサリアムのスケーラビリティ問題を開設すべく2019年にローンチされたプロジェクトが、ポリゴンです。独自トークンは「MATIC」。イーサリアムと互換性のあるレイヤー2として開発されました。

処理できるトランザクションは、1秒間に7,000件を超えることもあり、10~15件のイーサリアムとは比較にならないほどの多さです。しかも平均手数料はわずか「0.00002ドル」で、これもイーサリアムの10万分の1以下という安さです。

このパフォーマンスに対する開発者や投資家の評価は高く、わずか2年のうちに7,000を超えるDappsがリリースされ、時価総額は2022年3月末の時点で、約1.5兆円を超えるまでになりました。しかも、PoS(プルーフ・オブ・ステークス)という、イーサリアムから独立したコンセンサスアルゴリズムを有し、上記のDappsのうちの約62%はポリゴン単独で、イーサリアムとポリゴンの両方で展開されるアプリケーションの数をはるかに上回っています。これら明白な実績により、ポリゴンはもはやレイヤー2というサイドチェーンではなく、レイヤー1の独立したブロックチェーンであると認識されているのが、現状です。

イーサリアムの弱点を補完する位置づけで開発されたポリゴンに対し、イーサリアムにとって代わることを目的として2020年にローンチされたのが、イーサリアムキラーといわれる「ソラナ」です。独自トークンは、「SOL」。スマートコントラクトが実行できるため、NFTのマーケットプレイスを作成したり、DeFiに利用したりすることができます。

そして何より特筆すべきは、他に類のないコンセンサスアルゴリズムである「PoH(プルーフ・オブ・ヒストリー)」により、イーサリアムの4,000倍近い、秒間約5万トランアクションという天文学的な取引件数を実現した点です。

暗号資産の世界では、「スケーラビリティ」「分散性」「セキュリティ」の3要素のどれか2つを満たそうとすると、どうしても残りの1要素が犠牲になるという、「トリレンマ」が深刻な課題となっています。しかし、ソラナは、分散性に富み、セキュアで処理速度も驚異的に速いため、このトリレンマを見事に解消するブロックチェーンとして非常に強く期待をされています。さらに、これらの強みに加えて価格はイーサリアムの30分の1かそれ以下という安さのため、参入しやすい点も逃せません。

ちなみに、イーサリムブロックチェーンでも「イーサリム2.0」として大幅なアップデートがスタートしています。その最大の目的は、コンセンサスアルゴリズムを「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」から「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」へ移行することです。2020年12月にフェーズ0がスタートしたばかりで、いつアップデートが完了するかは定かではありません。しかし、これが実現すればスケーラビリティ問題が大幅に解決すると予想されるため、ポリゴンやソラナを含むイーサリアム関連市場の勢力図が変動する可能性は、大いにあります。

3つのブロックチェーンの特徴を比較

「イーサリアム」「ポリゴン」「ソラナ」の3つの暗号資産の特徴をわかりやすく表にまとめました。

 イーサリアムポリゴンソラナ
暗号資産(トークン)ETH(イーサ)MATIC(マティック)SOL(ソル)
ローンチ時期2015年2019年2020年
価格(2022年3月末)約380,000円約200円約12,500円
時価総額(2022年3月末)約22.5兆円約11.5兆円約4兆円
コンセンサスアルゴリズムPoW(プルーフ・オブ・ワーク)PoS(プルーフ・オブ・ステーク)PoH(プルーフ・オブ・ヒストリー)
トランザクション処理速度(秒間)10~15約6,000~7,000約50,000
平均取引手数料約6.5ドル約0.00002ドル約0.00025ドル
国内取引の可不可不可

新しい マーケットプレイス の作成にはどれがいい?

今回ご紹介している3種類のブロックチェーンを利用すれば、NFTマーケットプレイスを作成することも可能です。現在、NFTの取引が可能なプラットフォームで圧倒的なシェアを誇るのは、「OpenSea」です。しかし、2021年に火がついたNFT人気はすさまじく、マネタイズを狙って他にも続々とNFTマーケットプレイスが誕生しています。

では、実際に新しくマーケットプレイスを作るとして、「イーサリアム」「ポリゴン」「ソラナ」のうち、どのブロックチェーンを利用するのがよいのでしょうか。

NFTマーケットプレイスのクオリティは、主に「トークン(暗号資産)の安定性と信頼性」「売買できるコンテンツ量」「手数料と価格」「取引スピード」「アクティブユーザー数」などによって決まります。「コンテンツ量」と「ユーザー数」については、プラットフォームがリリースされてからの問題のため、作成段階で問われるのは、「トークン(暗号資産)の安定と信頼」「手数料と価格」「取引の処理速度」になります。

この3つの基準から、それぞれのブロックチェーンを見ていきましょう。

「トークンの安定性と信頼性」に関しては、イーサリアムが圧倒的です。しかし、2021年の秋には、一時50万円を突破するほどの高騰を見せており、2022年に入り、他の多くの暗号資産の例にもれず価格は下落傾向にあるものの、それでも30〜40万円の間を推移しています。しかも「手数料」は、日本円で「約800円超」という高さのため、だれもが気軽に手を出せない面があるのは否めません。

その点、「手数料と価格」でいえば、ポリゴンとソラナがおすすめです。加えて「取引の処理速度」についても、ポリゴンとソラナがイーサリアムに比して優位性がありますが、ソラナの方がポリゴンよりさらに7~8倍は速いため、ソラナに軍配があがります。

また、イーサリアムは、国内の取引所で売買できるようになって久しいですが、ポリゴンは海外の取引所でしか取引できません。よって一旦国内の取引所で別の暗号資産を入手する必要があります。その点、ソナラについては2022年2月に国内のLiquidが取引を開始したため、今後は取引がしやすくなると考えられます。

NFTマーケットプレイスの作成となると、やはりイーサリムの存在感が突出している印象が強いです。今後「イーサリアム2.0」が成功すれば、さらに不動の地位を維持することになるかもしれません。しかし、それはあくまでも仮定の話で、現状としてはポリゴンとソラナのクオリティの高さとスケーラビリティのソリューションとしての価値に対する市場や開発現場での評価は、確実に高まっています。

したがって、今後新たにマーケットプレイスを作るのであれば、圧倒的シェアをもつ「OpenSea」に同じイーサリアムブロックチェーンで対抗するよりは、ポリゴンやソラナを活用してニッチな面から攻める方が、将来性があるかもしれません。

参考:OpenSeaとは?使い方の手順やNFTの買い方・売り方を徹底解説!

まとめ

NFT、DeFi、さらにメタバースのメインプレーヤーであるイーサリムブロックチェーン。今後「イーサリアム2.0」がいかに進捗するかで、その圧倒的存在感はさらに勢いを増すかもしれません。

しかし、イーサリアムに対する優位性が顕著な「ポリゴン」、新たなコンセンサスアルゴリズムで驚異的なコスパの良さを見せる「ソラナ」が、イーサリアムの独壇場に一石を投じ、ゲームチェンジを起こそうとしているは、明らかです。これ以外にも、イーサリアムのリプレースを狙うブロックチェーンが続々と誕生しているので、今後もシェア争いが激化していくのは確実でしょう。

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