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2021.08.10
ITトレンド

DXしないとどうなる!?その市場規模とDX度を今すぐチェック!

2021年9月、日本でもいよいよデジタル庁が発足します。5Gの普及によりIoT(モノのインターネット)に拍車がかかり、AI(人工知能)やビッグデータの活用など、国をあげてデジタル化の流れを加速しています。そのような中、DXという言葉を聞かない日がありません。 

IT業界のみならず、あらゆる業界にとって不可欠といわれるDX。ところが日本は世界の先進国と比べDXが周回遅れといわれています。そもそもなぜDXが必要なのでしょうか。そして、しないとどうなるのか。また実現するにはどのようなことから始めれば良いのか。 

言葉ばかりが独り歩きして、遅々として進まないDXに不安を抱いている企業経営者や幹部の方々も少なくないでしょう。そこで今回は、DXの意味や市場規模、さらにDX度をチェックして具体的な推進方法を順を追って提示していきます。 

今からでも遅くありません。確実にDXを成功させるために、ぜひ参考にしてください。 

DXとは? 

DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、経済産業省(以下、経産省)の定義では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービスビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争上の優位を確立すること」とされています。 

つまり、単に業務をデジタル化すれば良いのではなく、企業そのもののあり方やビジネス手法を変革して、顧客や社会に今までにない利益を与えつつ、ライバルに負けない業績をあげていくこと、を意味します。そして、DX実現のためには、まずトップ自らが、世界的なデジタル化の波の中で、具体的な目標とビジョンを掲げ、そのために「何を」「どの様に」「誰と」「いつ」取り組むのか、を明確にする必要があるでしょう。 

DXの市場規模と今後の市場予測

ここでDX市場がどれくらいの規模なのか見ていきましょう。株式会社富士キメラ総研の2020年10月23日発表では、2019年の日本国内のDX市場は7,912億円で、2030年には、その3.8倍にあたる3兆425億円にのぼると市場予測されています。なかでも交通や運輸業界が突出しており、つぎに金融、製造業と続きます。 

この2030年までの期間は、日本が人類が経験したことのない超高齢化・少子化社会に本格的に突入していくため、大きな社会環境の変化の中で未曽有の課題が表面化すると考えられます。よって、様々な地域や業界でデジタル技術やデータの力を駆使してDXに挑まなければならない、といえるでしょう。しかも課題は、国内ばかりではありません。世界的にもDXの波がとてつもない勢いで押し寄せています。 

具体的には、2020年6月23日に発表されたIDCの調査によると、2020年の世界のDXへの支出額は、1兆3000億ドルを超える、と予測されています。これは前年比で10.4%増(2019年の前年比増加率は17.9%)で、新型コロナ流行による世界的な経済混乱期にあって、非常に高い数値といえるでしょう。またコロナ禍前ですが、2019年10月31日のIDCの発表では、2020~2023年の期間の世界DX投資は、7.4兆ドルに迫る勢いとの市場予測もあります。しかもアメリカと中国の2か国だけで、その半分以上を占めているという驚くべき数値も算出されました。 

日本はといえば、世界のDX市場のわずか100分の1程度。アメリカ、中国に次ぐ世界第3位の経済大国としては、あまりに見劣りする市場規模といわざるを得ません。ちなみに、スイスの国際経営開発研究所(IMD)の2020年9月26日発表の「世界デジタル競争力ランキング2020」で日本は27位。2位のシンガポール、5位の香港、8位の韓国など、欧米以外のアジア諸国にも大きく後れをとっています。今後この差をいかにして縮めるかが、DX成功の大きな鍵ともいえるでしょう。 

DXしないとどうなる?!

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そもそもDXをしないと、何がダメなのでしょうか。 

その理由は、 

  1. 労働力と競争力の低下 
  1. レガシーシステムの老朽化
  1. IoT化の波に乗り遅れる

の3点があげられます。 

具体的に一つずつ見ていきましょう。 

労働力と競争力の低下 

日本はこれからさらなる少子化と人口減少を迎えます。これにより、会社の次世代を担う若者世代が減少の一途をたどります。一方、上層部が高齢化して引退すると、あらゆる業界や地域で事業継承が円滑に行えなくなってくるでしょう。ベテラン社員がもつ貴重な技術が誰にも引き継がれずに途絶える恐れも十分にあります。 

くわえて、農業、漁業、建設、倉庫、介護など労働集約型の作業や爆発的に増加する宅配便の運送などの担い手は、そもそも慢性的な労働力不足にあるので、その負担は増す一方です。そうなると企業としての競争力が衰退するのはもちろん、存続すら危ぶまれる結果となりかねません。 

これらの問題を克服するためには、データやAIを活用して業務の効率化をはかったり、ロボットによる代替作業を増やす必要があるでしょう。 

レガシーシステムの老朽化 

日本の多くの企業では、長年使用し続けてきたITシステム(レガシ―システム)が追加や補修を繰り返すことでブラックボックス化していることが少なくありません。すると、一部の担当者しかそのシステムを理解していなかったり、部署によってもシステムの形式が異なり統一性がない、無駄なコストがかかる、など多くの問題をはらみます。また、ベンダーのサポートが終了したりシステムが古いことで、競争力が低下し、トラブルへの対応力が衰えセキュリティーも脆弱になると、情報漏洩リスクも高まるでしょう。 

よって、だましだましレガシーシステムを使い続けるのではなく、どこかで区切りをつけて、クラウドの大幅導入などリニューアルおよびアップグレードとセキュリティ強化に努める必要があります。 

IoT化の波に乗り遅れる 

5Gの登場により、いよいよあらゆるモノがネットでつながるIoT 化が本格化し、経済環境が音を立てて変化し始めています。しかもそのスピードは目を見張るものがあり、実店舗よりECサイトやネット経由のサブスクリプションなどを支持する傾向が強いスマホユーザーのニーズに応えなければ市場から取り残されかねません。キャッシュレス化や各種の手続きなど、世界と比べて日本のITシフトは大幅に遅れているため、早急に欧米諸国や中国などにキャッチアップして世界に存在感をアピールしなければ、世界第3位の経済大国としての地位もおぼつかなくなるでしょう。 

以上3つの理由から、DXが非常に重要な課題だとわかります。 

経産省は、2018年発表の通称「DXサポート」を通じて、もし2025年までにレガシーシステムの老朽化を克服できず、DXが進まなければ、年に12兆円の経済損失が生じることを意味する「2025年の崖」という言葉で、将来に向けて強く警鐘を鳴らしています。 

そこでDXを推進すると、デジタル技術(AIやロボティクス、ドローン、AR、VRなど)やデータ活用により、時間的、空間的、物理的、人的、経済的など、さまざまな制約や課題から従来とは異なる次元で解放され、新たなビジネスモデルを構築して新境地を開くことが可能です。 

よって、かつてなら不可能だったことや想像すらしなかったことの多くが、デジタルの力で現実となるのです。これにより、様々な課題が解決し、多くの顧客や社会全体の安心、安全、快適で質の高い暮らしが約束されるでしょう。しかし、そもそもこれらのことを実現させようと考えて実際に行動に起こさなければ、何一つ成果は得られません。DXを推進して顧客やステークホルダーに利する行為は、ビジネスチャンスを大きく広げ、そのまま自分たちの発展や幸せに跳ね返ってきます。つまり、DXを行うことは、利他であり自助でもあるということ。 

あっという間に2025年はやってきます。その時、本当に崖を見るのか、それとも想像だにしなかった得も言われぬ充足感に満ちた世界を目にするかは、今日からの行動にかかっています。今すぐDXに向けた的確な一歩を踏み出す以外、選択肢はないと言っても過言ではありません。 

今すぐDX度をチェック!

さて、最後にDXを現実のものにするために、何をどの様に手掛ければ良いのか、そのプロセスを具体的に掘り下げていきましょう。 

実は、経産省所管の情報処理推進機構(IPA)が公表している『DX推進指標 自己診断結果入力サイト』というものがあります。(参照:https://www.ipa.go.jp/ikc/info/dxpi.html) 

これは、経営者や幹部向けに、DXの進捗状況を9項目35問に渡って問いかけるものです。ネットで各問いかけに対してレベル0~レベル5の6段階で回答すると、DXの進捗状況についての分析結果やベンチマークが送られてきます。 

最後に、そのDX推進指標を大きく8項目に分けて大まかに解説しましょう。DXについて現実のものとしてかなり具体的にイメージ・シミュレートできるので、自分ごととして読み進めてみてください。 

DXのビジョン 

DXは今日・明日といった短いスパンで達成できるほど簡単ものではありません。まず会社を中長期的にどのような存在としてリボーン、リニューアルさせていくのか、その具体的なビジョンをしっかりと決めることが重要です。全社員が共有できるわかりやすい目標があってこそ、大変革が成就するといって良いでしょう。 

例えば、経産省が東京証券取引所とともに選ぶ「DX銘柄 2020」に、医薬品業界で唯一選出された中外製薬では、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を発表。「デジタル技術によって中外製薬のビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するイノベーターになる」という目標を掲げました。そしてこの目標に向けて、関係部署、ひいては一人一人の社員が何をするべきか、を細かく精査してあらゆる施策に落とし込んでいます。 

このDXビジョンは最後まで絶対にブレてはなりません。むしろいかなる時も社員全員の気持ちを鼓舞し、何をおいても成功にたどり着こうと強く思うに足るだけの崇高で説得力に富む内容でなければ、その時点で成功は危ういといって良いでしょう。 

経営トップのコミットメント 

企業の風土や文化を変革する行為は、起業して会社を一から作り上げるに等しいと言って過言ではありません。そして、その大なたを振れるのは、経営トップに他なりません。組織整備、人材・予算配分、プロジェクト管理や人事評価の見直しなどの仕組みが、経営トップの下に明確化され実践されること。そのためには、先ほど述べたDXビジョンを死守し、何をおいても実現するという覚悟をもち、経営者自らがコミットする姿勢が不可欠です。 

DXを実行と継続できる仕組み 

DXは今までに会社が経験したことのない大作業のため、失敗はつきものです。大切なのは、その失敗からも学んでスピーディーに次の動きに活かすマインドセットと仕組み作りです。そのためには、KPI(重要業績評価指標)の策定は必須です。KPIに即して、プロジェクト評価や人事評価、投資意思決定、さらに予算配分を行う仕組みの構築を図っていきます。 

DX部署の権限と役割の明確化・サポート体制の充実 

DXの推進にあたっては、デジタルに強い若手や中堅社員の活躍が非常に重要です。ただし、従来の慣習を打ち破る新しい動きは、えてして上役によって批判され封じ込められる傾向が強いです。しかし、これを続けているといつまで経ってもDXは達成できません。そこで、KRIに即した成果につなげるために、各部署や個人に必要な権限を適切に付与することが大切です。 

また、自社のリソースのみではなく、外部との連携を強化し、場合によってはシステムやソフト、アプリの製作や刷新にオフショア開発を利用するのも有益でしょう。別方向からの働きかけは、自社の取り組みや変革レベルを多面的に見直せるうえ、強力なサポートを受けることで、結果としてDXが加速すると期待できます。 

人材の育成と確保 

DXには、それを具体的に、しかも強力に推進するデジタル人材が不可欠です。しかし、日本ではその人材が圧倒的に不足している傾向にあります。よって、外部からの中途採用に加え、自社で人材育成をしていく体制は必須です。さらにデジタル技術やデータ活用に精通した人材と業務に精通した人材が融合し、相互に機能してこそ、会社全体としての変革が進みます。そのための仕組み作りも確実に進める必要があるでしょう。 

事業への落とし込み 

DX計画が絵に描いた餅とならないためにも、顧客視点での現実的価値創出のための具体的な変革方法やロードマップを策定する必要があります。そしてこれには、各現場からの抵抗や反発も大いに予想できます。しかし、その度に経営トップ自らが、その意義や重要性を説き続け、失敗や挫折にめげない持続的な改革姿勢を根付かせることが重要です。 

基盤となるITシステムの構築 

DXの心臓部ともいえるITシステムは、使うに最適な状態で稼働させることが欠かせません。そのためにも、求めるデリバリースピードに耐えうるシステムかを精査、不必要なものは廃棄、バリューチェーンワイドで顧客視点での価値創造ができるように連携体制を整えることが重要です。また、非競争領域においては、共通プラットフォームを確立し、属人化、カスタム化を廃して、広く標準化するのも有効でしょう。 

IT投資への資金と人材の重点配分・結果の評価システム 

ITシステムへの投資は、ともすると非常に巨額になります。よって、無駄のない全体設計と見積、相応な予算確保が重要です。また、ベンダーに丸投げせず、社内で企画、要件定義可能な人材を確保し、最適なシステム構築の実現を目指せているかも欠かせない要素です。 

さらに、「データの種類と場所を把握している人」と「データを実際に利用する人」の連携、くわえてITシステムの完成に満足するのではなく、ビジネスとしての成功に利しているかという点での現実的な評価システムも、企業の存在意義を問う意味で決して忘れてはなりません。 

さあDXを始めよう! 

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2025年の到来を間近に控え、DXは待ったなしの最重要課題です。ただし、DXの推進は決して生易しいものではありません。その方法や選択肢は無数にあるうえ、高い目標を掲げる必要があるので、何から手をつけて良いか戸惑う向きもあるでしょう。しかし、経営トップが何をおいてもやり抜くという気概と覚悟を持って挑めば、必ずや糸口が見え、成功の扉が開くに違いありません。 

記事内でご紹介したDX度チェックを行い、それでも具体的な動き方がわからなかったり、迷う場合は、お気軽にレリパまでご相談ください。レリパは、DXの専門家として数々の企業のコンサルティングを行って参りましたので、必ず御社がDXを推進する際のお役に立てることと存じます。 

さあ、今日から、今この瞬間から、大きな期待と希望を胸にDX街道を邁進していきましょう。