オフショア開発 は、サービス品質が良く、コスト削減がしやすいため、すでに多くの国内企業が利用しています。しかし中には、オフショア開発の詳しい内容やメリットがよくわからず、活用する価値があるのかどうか疑問に思っている経営者や開発担当者の方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、オフショア開発の定義、メリット・デメリット、オフショア開発サービスを使用する際の注意点やプロセスについて詳しく解説していきます。
オフショア開発 とは
「オフショア」(offshore)とは、英語で「離れた」を意味する「off」と「岸」を意味する「shore」を合わせて、「海外で(開発をする)」ことを意味します。
製造業をはじめ建設業やIT開発業などは、国内サービスを利用するより材料費や人件費が安価な海外のサービスを活用した方が予算面において優位性が高いです。これがオフショア開発の大きな魅力といえるでしょう。
オフショア開発には、「請負開発」と「ラボ型開発(準委任契約)」の二種類があります。業務全般をまるごと依頼するのが、「請負開発」で、一定期間開発エンジニアをチームとして専属で確保できるのが、「ラボ型開発(準委任契約)」です。ラボ型開発の場合は、契約期間中であればプロジェクトの進捗状況に応じて開発内容の途中変更ができます。
オフショア開発 を使用する目的
国内企業がオフショア開発を利用する目的は、以下の2つのです。
① 開発コストの削減
国内企業がオフショア開発サービスを利用する第一の目的は、開発コストが安価なことです。オフショアサービスを提供する国の人的コストは国内に比べて安く、しかも質の高いエンジニアが豊富です。よって、プロダクトの修正リスクが低いうえその費用が安く抑えられる点も魅力といえるでしょう。
しかし近年の様な円安局面では、この価格における優位性が薄れる傾向が強まっています。それでも国内のIT人材不足を補う目的でオフショア開発を活用する企業が増えているのが現状です。
② 海外の優秀なIT企業や人材
経済産業省の「IT人材育成の状況等について」によると、将来的に国内のIT人材は40~80万人規模で不足する恐れがあると試算されています。
若年層の人口減少にともなって、2019年をピークにIT関連産業への就職者は退職者を下回り、その総数は今後減少に向かうと予測。同時に、その平均年齢も2030年までは上昇の一途をたどり、確実に高齢化が進むと見定めています。これらの試算を前提にIT 需要予測から推計すると、2030年までに国内のIT人材不足はより色濃くなり、需給ギャップが広がると考えられるのです。
以上の問題を解決する目的で、すでに海外のオフショア開発サービスを利用する国内企業が増えつつあります。オフショアサービスを提供する国のIT企業やエンジニアに開発を依頼し、優れた実績のある企業や人材とのつながりが持てれば、リソース不足を改善する効果が期待できるでしょう。
オフショアとニアショアの違いとは
オフショア開発もニアショア開発も、ソフトウェア開発をアウトソーシングするという意味では同じです。しかしその委託先に大きな違いがあります。
オフショア開発は、開発プロジェクトを他国にアウトソースすることを意味します。一方、国内の離れた地域にある開発業者にアウトソースするのが、ニアショア開発です。
両者の違いについて、さらに詳しく解説しましょう。
オフショア | ニアショア | |
定義 | 海外への業務委託。 例えば、ベトナムとか中国など。 | 国内の離れた企業に外注する。 例えば、東京の事務所から埼玉県や新潟県などの企業へ。 |
目的 | 品質を維持しながらコストを削減する。オフショア地域での安価な人的コストにより、開発予算の節約が可能。 | コスト削減。オフショアにありがちな時差による業務遅延や言語が違うことによるコミュニケーション上のトラブルがなくせる。 |
場所 | 海外 | 国内の地方都市 |
コスト圧縮 | 低コストの実現が可能。 | オフショアより高額で自社開発よりは安価。 |
コミュニケーション | 言語の違いがある。 | 言語の違いがない。 |
時差 | 大きい | なし |
文化の違い | 大きい | ほぼなし |
プロジェクト管理 | 意思疎通の対策やまめな進捗状況の確認が必要 | 容易 |
知的財産権 | 知的財産に関する法律や規制の違いにより、リスクが生じる可能性がある。 | 同じ法律や規制内のため、知的財産を保護しやすい。 |
仕事の質 | 委託する企業によって落差がある。 | 当てが外れることが少なく概ね高品質。 |
上記の比較表は、あくまで基本的な違いを説明したものです。すべてのオフショアとニアショア開発企業がこれらに当てはまるわけではないと理解してください。いずれを選択するかは、プロジェクトの内容や難易度、また委託先の経験によって違ってくるでしょう。
オフショア開発 のメリットとデメリット
オフショア開発 のメリット(トレンドになる理由)
オフショア開発の目的であるコスト削減や優秀な人材確保は、そのままオフショア開発のメリットにつながります。しかもオフショア開発のメリットはそれだけにとどまりません。
オフショア開発 のコスト削減
繰り返しますが、コスト面でメリットがあるのはオフショア開発費用のほとんどが人件費であり、なかでも開発先として選ばれる東南アジアは日本よりもかなり人的コストが安いためです。
■参考:オフショア開発先国別の人月単価
しかし近年は、海外人材の能力向上や円安の影響により、コスト削減のメリットがかつてのように実感されにくくなっています。また、費用ばかりを優先して開発企業を選んでしまうと技術面において期待する成果が得られない恐れがあります。よってオフショア開発を進めるなら、高い技術を持ったエンジニアとチームを組み、それに見合った対価を支払う方が、確実な成果を望むことができるでしょう。
オフショア開発 で優秀なエンジニアが確保できる
コスト削減と同じくらい大きなメリットとして、海外の優秀なIT企業や人材の確保が可能な点が挙げられます。現在、急激なグローバル化や情報化が進む中、日本ではITシステムやソフトウェアの開発に多くの人材を必要としています。
経済産業省が発表した「IT人材に関する各国比較調査」によると、日本のITレベルは東南アジア諸国と比較すると若干低い水準になっています。
2030年には現在よりさらに40万〜80万人のIT人材が必要になるとされており、日本国内のだけでは到底まかないきれないと考えられます。「せめてリードエンジニアだけでも社内で採用したい」と考える経営者も少なくありませんが、人材不足が著しい現段階では、高度なIT技術者を採用するのは非常に困難な状態です。この状況を解消し、IT開発を遅滞なく進めていくには、オフショア開発を通して海外の優秀なIT人材を確保する必要があるでしょう。
市場投入時間が短縮で柔軟な開発体制をつくれる
オフショア開発は、インターネットとクラウドなどを通して、国内外のエンジニアたちが同時に開発作業を行います。そのため納品にかかる期間を大幅に短縮することができます。
優秀な人材を多数確保し、納期が短縮できるオフショア開発は、大規模な開発や複雑なプロジェクトを簡略化します。加えて、製品を市場投入するまでのリードタイムを縮小できる点もメリットです。とくに新規製品開発案件や新テクノロジー開発プロジェクト(例えばブロックチェーン開発、NFTマーケットプレイスやWEB3など)などで大きく役立つでしょう。開発プロセスに多くのオフショア開発者を配置することで開発が迅速になり、製品の市場投入までの時間が短縮されます。これにより、自社リソースをより大きく複雑な案件にも柔軟に活用できるようになります。そのため、さまざまな業種を相手に大規模な市場でビジネス拡大を目指している企業にはうってつけでしょう。
オフショア開発 サービスのデメリット(失敗しやすい要因)
オフショア開発はメリットが多い反面、デメリットもあります。以下に、失敗しないための対策とともに解説しましょう。
コミュニケーションがうまくいかない
オフショア企業を使った開発を成功させるには、日本語に精通した人材の存在が不可欠です。ブリッジSEやプロダクトマネージャーが日本語堪能であれば心強いですが、そうでなければ通訳も必要でしょう。その様な人材が満足にそろっておらず、日本相手の開発経験がない企業を選ぶと、意思疎通が上手くいかずに時間ばかりが経過して完成に辿り着かない恐れが多分にあります。結果として両者の関係がもつれ、しこりを残してフェードアウトするケースもあるのです。
時差や文化の違いがある
オフショア開発諸国と日本とでは仕事の進め方に違いがあり、それがデメリットになることもあります。日本人にとっての常識が海外エンジニアからすると非常識と感じること、またその逆もあるのです。
オフショア開発企業で習慣化していることが、日本人の想定している内容やレベルに到達していないケースがあります。すると進捗管理が適切に行われていると報告を受けていても、蓋を開けてみると品質に問題があるケースも多々あるのです。
こうした商慣習の食い違いから、進捗に遅れが出たり、納期に間に合わなかったりするリスクが生じます。
=> これらの問題を回避するために、コミュニケーションを確実に行う必要があります。
メールやチャットなどのテキストベースのコミュニケーションだけでなく、ビデオ会議や音声通話などを活用してコミュニケーション手段を多様化し、顧客と開発チームの意思疎通を確実にします。
オフショア側の開発メンバーのスキル不足
オフショア側の開発メンバーのスキル不足もオフショア開発が上手くいかない一因になることがあります。スキル不足は、プロダクトの品質に直接影響を及ぼします。よって優秀なブリッジSEやエンジニアを擁するオフショア企業と提携しなければ、プロジェクトの成功は遠のくでしょう。
=> これを回避するために、以下の点に注意する必要があります。
- プロジェクト管理を適切に行う:スケジュールや予算といったプロジェクトの進捗を常に監視し、問題が生じた場合は速やかに対処する。
- 開発チームの選定を慎重に行う:開発チームを選定する際には、チームの技能、経験、過去の実績、コミュニケーション能力などを慎重に評価する必要がある。チームと自社との文化面(仕事の進め方)における相性も重要です。
- クライアント側からのサポートを強化する:クライアント側から必要な情報やフィードバックを迅速に提供することで、開発チームをサポートすることができる。クライアント側がプロジェクト管理や品質管理の責任を負うことで、プロジェクトの成功の可能性が高まる。
- 上記の2つの注意点は一見当たり前のように思えるかもしれません。しかしそこを甘く見て、オフショア開発会社選びに失敗した例が少なくないので、細心の注意が必要でしょう。
オフショア開発 の準備手順
オフショア開発会社を依頼する前に以下のような疑問や悩みを抱いたことがないでしょうか。
- 「オフショア開発を依頼するメリット、デメリットは?」
- 「海外オフショア開発会社は信頼できるのか?」
- 「どのオフショア会社を選定すればいいのか?」
- 「オフショア開発の単価はいくら?」
- 「どうやってオフショア開発会社とコミュニケーションをとるか」等
オフショア開発を活用したいと思いながらも、まだ躊躇している国内企業の皆様に向けて、具体的に7つの手順をご紹介しましょう。過去にオフショア開発を利用して、満足できなかったり失敗したりした経験のある企業の皆様もぜひ参考にしてください。 オフショア開発の準備(1)目的・意識をチーム内で統一する
オフショア開発の準備(2)役割分担や責任範囲を明確にする
オフショア開発の準備(3)国ごとのメリット・デメリットを把握する
オフショア開発の準備(4)委託企業を選定する
オフショア開発の準備(5)契約形態・開発方式を決定する
オフショア開発の準備(6)仕様書を作成する
オフショア開発の準備(7)キックオフ
もっと詳しくはこちら:オフショア開発の準備手順とは?必ず押さえておきたい7つのステップ
上記7つのステップはオフショア開発成功の前提条件ですが、これだけではまだ十分ではありません。成功をより確実なものにするために、オフショア開発の詳しい進め方と成功の秘訣をさらに挙げていきましょう。
オフショア開発 の進め方と成功のコツ
① プロジェクト開始
- ベンダー探しと選定
- オフショア開発の際、信頼できるパートナーを見つけ出すために、以下のような方法が多用されます。
- 知り合いの紹介
- 展示会
- セミナー / ウェビナー
- Googleで検索
- マッチングサイト
もっともよく使われるのは、Google、Yahooなどで「国名 システム開発」、「オフショア開発 企業」などのキーワード検索をする方法です。
二番目は、ITに関する展示会やセミナーに参加するパターンです。各オフショア企業のサービスや製品を詳しく調べることができるだけでなく、具体的な相談も可能です。直接コンタクトできるので、会社のニーズや文化にふさわしいパートナーが見つかりやすいでしょう。
パートナーを吟味する際には、
- ○○の実績を見せて欲しい
- ○○の実績はあるのか
- 何年くらいのオフショア開発経験があるのか
といったように実績と経験について具体的に問いかけてください。。
その際に、「何でもできます」と軽々に即答する企業があれば、逆に怪しいと疑う方がよいでしょう。
また、コミュニケーション能力を確認することも大事です。日本語でのやりとりは可能か、その言語レベルはどれくらいかもよく確かめてください。
大事をとって少なくとも5~6社程度の候補から検討することをおすすめします。
② 仕様書決定
仕様書は、発注する以前に作成しておかなければならないプロジェクトの核となる存在です。基本的には開発を依頼する発注者が作成します。
例えばNFTゲーム開発の場合なら、
- どのゲームをNFT化するのか
- 既存ゲームのNFT化か、新規のNFTゲームを作るのか
- どんな機能を持たせたいのか
といった具合に必要となるものをすべて列挙します。
「何を作成したいのか」について社内協議を十分に行った上で、オフショア開発企業への打診や相談も欠かせないステップです。
以下の3W1Hを事前に資料として落とし込んでおきましょう。
- WHY:背景、作りたい理由等
- WHAT: 何を作りたい? 開発範囲はウェブのみ?アプリも?
- WHEN: 開始時期 、 納期
- HOW MUCH:予算規模はどれくらか → 提案依頼書(RFP)の作成をオススメします。
仕様書に記載されていなければ、プロダクトに実装されない可能性が高いので、開発を希望する内容は全てリストアップすることが前提です。その中身が詳細かつ明確なほど、開発担当者には正しく意図が伝わると認識してください。
さらによりわかりやすい仕様書を作成するために以下の点に工夫するとよいでしょう。
- 図解・イメージ画像挿入
- シーケンス図の用意
- 細かな部分の説明
このようにして完成した仕様書をもとに、プロジェクトマネージャー(プロジェクトの責任者)やエンジニアが開発を進めていきます。
③ 開発実装
この段階でクライアントが積極的に参加することが非常に重要です。定例会を設けて進捗状況を確認しましょう。
プロジェクトを成功に導くには、オフショア会社側のレベルだけではなく、依頼者側の参加やフォローといった要素も欠かせません。オフショア企業への丸投げは厳禁です。
オフショア開発では、依頼する側と海外チームとの意思疎通を図ることが非常に大切です。しかも、国により時差や祝日が異なります。そのため、進捗確認やミーティングの時間帯、休日出勤の可否などについて、必ず双方で合意しておくようにしましょう。
具体的には、
- 毎週定例会議を開き、進捗確認を行う
- 画面を操作しながら意見交換を行う
- 微調整を行う :プロジェクトの進み具合はこのままで良いのか、他に問題がないか、改善点や納期の変更などについて相互の考えをこまめにすり合わせする。
- 週8時間以上を目安にコミュニケーションをとる
このようにすると、何か問題が生じたとしても直ちに解決でき、遅延の発生リスクが抑えられるでしょう。
④ テスト・修正
プロダクト完成の最終段階です。
- 不具合がないかどうか
- 修正が必要かどうかを確認する
開発チームのテスターは、製品が依頼者のリクエスト通りスムーズに動作するかどうか、想定されるケースを予測した上でテストを実行します。もし不具合があり、追加希望の機能や修正依頼がある場合はこの段階で協議・対応するのが基本です。
効率よくプロジェクトが完結できるように、オフショア開発会社の担当者と依頼者が一堂に介して動作確認を行うことが大切です。
⑤ プロジェクト終了
テスト段階で問題がすべて解決し、機能がアップデートされ再度確認して支障がなければ納品となります。また、請負契約の場合は、この後リリースまで行います。リリース当日は、トラブルに対処するためにチームは待機しておく必要があります。
リリースが終わると保証期間に入りますが、以下の点を認識しておく必要があります。
- リリース後チームは解散するため、迅速な修正対応は困難な場合がある
- 見積り範囲外の不具合は、保証期間内であっても無償での対応は不可能
プロジェクトの規模や目的に応じて理想の進め方は異なります。その点は、オフショア開発会社と細かな部分まで合意形成をして、全プロセスをくまなく把握した上で常にコミュニケーションを取りながら最後まで慎重に進めていくことが大切です。
オフショア開発 に最適な5つの国
オフショア開発は、多くの場合においてコスト削減のソリューションとして人気を博しています。2023年は、とりわけオフショア開発で優れた実績をもつ国々が注目を集めると予想されます。そこで続いては、オフショア開発に適切な5カ国について詳しく説明します。
ベトナム
ベトナムは、政府からの投資が充実していることもあり、IT産業がめざましく成長しています。政府は、ITスキルを備えた労働力を育成するための大規模な教育プログラムを実施するとともに、外国企業の進出を促進するための税制優遇策を導入しています。これらの施策により、ベトナムはオフショア開発先進国の1つとなりました。
- 人月単価:日本円で約25~35万円
- 公用語:ベトナム語。ビジネスシーンでは日本語と英語が使用されることが多く、ITエンジニアの多くが日本語と英語を話すことができる。
- 日本からの平均フライト時間:約6時間~7時間半
- IT人材のレベル:高い
- 長所:人件費が安く、大学の情報技術系の教育が盛んであることが強み。 政治的に安定しており、平和なビジネス環境が整っている。国民性が穏やかなため、コミュニケーションが円滑で、円満な業務進行が期待できる。
- 短所:欧米諸国に比べるとやや非効率的。プロジェクトが想定より遅延する恐れもある。
中国
世界最大の人口を誇り、ITアウトソーシング市場でもトップクラスに位置しています。近年、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能など、最新のテクノロジーに注力しており、プログラマーや開発者にとっても魅力が高いです。
- 人月単価:35~55万円
- 公用語:中国語
- 日本からの平均フライト時間:約3時間
- IT人材のレベル:高い
- 長所:大規模プロジェクトに適しており、高い技術力と生産性、多くのエキスパートを抱えている。
- 短所:コミュニケーション上の壁や知的財産権の問題がある。
インド
多数の企業から人気を集めるオフショア開発先進国です。世界中の企業が、インド国内に数多くの開発チームを構えています。ITスキルが高く、ビジネス上の共通言語として英語が使用されるため、コミュニケーション上の心配がありません。
- 人月単価:30~60万円
- 公用語:英語
- 日本からの平均フライト時間:約7時間
- IT人材のレベル:高い
- 長所:高い技術力と生産性。英語が公用語であるためコミュニケーションが容易。時差(3時間半)を活用できる。
- 短所:文化の違いによるコミュニケーションの壁。人口が多いため人材確保が難しい。
フィリピン
英語を公用語としています。アメリカとの文化的な共通点が多く、カスタマーサポートやアプリ開発目的で多くの企業が利用しています。
- 人月単価:25~30万円
- 公用語:英語
- 日本からの平均フライト時間:約6時間
- IT人材のレベル:中程度
- 長所:英語が公用語であるためコミュニケーションが容易。時差を活用できる。コストが低い。
- 短所:技術力がまちまちであるため、適切な企業選定が必要。文化の違いによるコミュニケーションの壁。
ミャンマー
近年、オフショア開発の人気が高まっている新興市場の一つです。IT開発に対する政府支援を強化しており、プログラマーのスキルセットが豊富でコスト面でも有利です。
- 人月単価:18~25万円
- 公用語:ビルマ語
- 日本からの平均フライト時間:約6時間
- IT人材のレベル:低め
- 長所:コストが低い。政府が積極的にIT産業を育成している。
- 短所:英語力が不足しており、IT人材の質がまちまちであるため適切な企業選定が必要。
以上5カ国は、それぞれに優れた実績があり、2023年にはさらに多くの企業がオフショアパートナーとして選択すると予想されます。
オフショア開発 の成功事例
続いて成功したオフショア開発の事例を紹介し、その成功要因について考察します。オフショア開発の導入を検討している企業やビジネスパーソンの皆様は、ぜひ参考にしてください。
Leeways
■ 概要
『Gate.』は、『Gate. Investment Planner』と『Gate. Market Survey』という2つのプロダクトを提供しています。前者は、データに基づいた不動産投資の予測を可能にします。後者は、どのエリアにどれだけの不動産があって、どういう人たちが住んでいるかという統計的な情報を地図ベースで確認できます。仕組みとしてはSPA(シングルページアプリケーション)で作られていまして、バックエンドはPython、フロントエンドはJavaScriptという構成です。
レリパはフロントエンドのアプリケーションを担当しました。
・Gate.Investment Planner1:不動産投資の将来を予測する唯一のツール
・Gate.Market Survey: ワンクリックの不動産市場調査ツール
■ 契約形態
ラボ型
■ 開発フェーズ
二つのサブシステムのフロントエンド開発を担当する
■ 技術
- PHP Laravel
- VueJS
Angular7でフロントエンド開発
■ 開発規模
規模:2.5人 x 12カ月(※現在継続対応中)
■ 成果
https://ai.gate.estate/investment-planner/
元素騎士
■ 概要
多人数参加型RPG『元素騎士』は、専用のMVトークンをステーキングすることで、基軸通貨RONDが獲得できます。さらに、キャラクターやアイテムをNFTとして取引することが可能です。初めて日本のアップ ストアでリリースされたものであり、台湾や中国でも非常に人気があります。スマートフォンアプリやNintendo Switch上の異なるハードウェア間をまたいでプレーできることから人気を集め、これまで800万本以上ダウンロードされてきました。
元々はオンラインゲームでしたが、2021年12月にレリパがブロックチェーンゲームとして開発し直したうえで再リリースされました。2022年9月15日からは、元素騎士マーケットプレイスがオープンし、保有するNFTの売買が可能となりました。このマーケットプレイスで使用可能な通貨は、MV(Polygon)とUSTD(Polygon)です。
■ 契約形態
■ 担当内容
要件定義
プロジェクトの要件定義から基本設計、開発、テスト、そしてリリースまでの全体的な業務をレリパが担当しました。要件定義の段階では、顧客のニーズを明確に把握し、技術的な要件を決定。基本設計においては、設計書を作成し、開発チームに具体的な指示を与えました。開発段階では、コードの作成、テスト、および修正を担当し、品質を確保。最後に、リリース前の最終テストを実施し、品質保証を確保してリリースに至りました。
ちなみに、NFTゲーム開発にあたってレリパが提供しているサービスは、以下の内容になります。
【NFTマーケットプレイスの新規開発】
対応範囲:
- 要件ヒアリングおよび業務分析
- UIデザイン
- インハウスのようなチームを結成してのサービス開発
■ 技術
- Polygon
- ETH / ERC721
■ チーム体制
- PM 1名
- ブロックチェーン開発者 2名
- 開発者 13名
- テスター 3名
合計 17名 / 月
■ 成果: https://market.genso.game/official/treasure-box
レリパでは、オフショアによるシステムやアプリの開発を幅広く承っております。日本語に精通した優秀なエンジニアやテストエンジニアが、お客様のご要望にスピーディーにコミットし、理想のシステム構築をお手伝いいたします。ご要望の際は、ぜひ弊社までご連絡ください。心よりお待ち申し上げております。
まとめ
レリパは、オフショア開発未経験のIT企業や中小企業の皆様のお悩みにしっかりと寄り添い、自信をもって最適なソリューションをご提供いたします。
レリパが、日本企業の皆様に高い評価をいただいている理由を改めて以下にご説明させていただきます。
- レリパの創設者は、「ベトナムの東大」と称される理系ではトップのハノイ工科大学の出身。日本での留学と勤務を経て、日本の数々のクライアント様を相手にビジネスを成功に導いてまいりました。高度な日本語スキルをもち、日本文化への造詣が深く、日本の皆様の働き方も熟知しております。さらに、ブリッジSE、翻訳者、通訳者のチームが、日本語能力検定N2レベル以上です。2018年には、日本法人も立ち上げ、創業から一貫して「日本の企業様」に特化したオフショア開発を行ってまいりました。卓越したコミュニケーション力を武器に、日本の皆様には安心してオフショア開発をお任せいただいております。
- 「リソースの確保」を重視し、IT人材の育成に力を入れております。最新の技術トレンドにキャッチアップするべく、人材への投資はレリパ自体の将来への投資と考え、社内人材の教育を絶えず続けております。それがお客様にご満足いただけるプロダクトの提供に直結しているのです。
- 他のオフショア会社にはないレリパならではの売りは、プロジェクトの最初から最後まで弊社部長がアドバイザーとして参加させていただく点です。レリパの開発チームは、すべてのプロジェクトにおいて顧客と密接な関係を築くことに余念がありません。
- ご要望があれば、日本までスタッフを派遣させることもございます。
- 問題が発生した場合は即時対応するためにも、「報、連、相」を徹底しております。