2023.04.28

Web3.0 とは?できることやサービス例・最新の動向も詳しく解説!

Web3.0 とは?できることやサービス例・最新の動向も詳しく解説!

導入文 

次世代型インターネットといわれる「 Web3.0 」へのムーブメントが本格的に加速しはじめています。そのメインプレイヤーはブロックチェーンです。 

製造業におけるトレーサビリティや独自トークンの発行、DeFi、DAO、さらにNFTやブロックチェーンゲームと、その用途は拡大の一途を辿っています。中央集権的管理者がなく、セキュリティや透明性に優れているため、Web2.0にはなかった利便性や安全性が呼び水となってさまざまな業界においてユースケースが広がっています。 

そこで今回は、Web3.0の基礎知識や仕組み、特徴、さらにWeb3.0でできること、サービス例、2023年の動向についても解説します。 

web3.0(web3)とは?わかりやすく解説 

まずWeb3.0とは何かについて基本的なことから解説しましょう。 

web3.0(web3)とは?わかりやすく解説 
web3.0(web3)とは?わかりやすく解説 

web3.0(web3)までのインターネットの歴史 

Web3.0にいたるまでに、「Web1.0」「Web2.0」という2つの世代がありました。それは一言でいうとインターネット変遷の歴史です。時代のニーズとテクノロジーの進化によってインターネットでできることも、その使い方も大きな変貌を遂げてきました。そして Web3.0 においてさらなるイノベーションと地殻変動が起きようとしているのです。 

そこでまずは、現在にいたるまでのインターネットの歴史を辿っていきましょう。 

1990年代(Web1.0) 

1990年代はインターネットの黎明期です。当初はまだワープロの利用者も多く、携帯電話も一部にしか普及していなかったため、とくに個人にとってはデジタルといえばゲームが主流でした。潮目が変わり始めたのはマイクロソフト社が「Windows95」を発売したあたりからです。 

OSの爆発的な売れ行きにともなってパソコンの普及率が急拡大すると同時に、インターネットの利用者も徐々に増加し始めます。この頃のインターネットは、ごく一部の配信者が提供する情報を多くのユーザーがただ一方的に閲覧するというスタイルが主流でした。これが「Web1.0」です。 

2000年代~2021年(Web2.0) 

2000年代に入るとAmazonや楽天といったeコマース(電子商取引)の存在感が高まり始めます。それでもパソコンを使った買い物が主流だった頃はその利用者も限定的でした。ところが2008年のiPhoneの登場以降、わずか数年で携帯電話からスマートフォンへのシフトが急速に進むと、スマホを使ってネット通販を利用するユーザーが急増します。と同時に、SNSやYouTube、ブログなどを使って個人や企業による情報発信やインタラクティブ(相互的)なやり取りが、劇的な人気を博すようになりました。これが「Web2.0」で、配信者から閲覧者への一方的な流れが主体だったWeb1.0との大きな違いになります。 

Web2.0はWeb1.0の約2倍の期間に及び、この間に世界中で大幅なデジタルシフトが進みました。その代表格としてIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、スーパーコンピューターなどがあり、同時にビッグデータのビジネス利用も飛躍的に高まります。 

この流れで徐々に問題視されるようになったのが、プラットフォーマーによるデータの搾取と多額の手数料です。とりわけGAFAMをはじめとする巨大テックの市場寡占は甚だしく、それらを批判したり規制したりする動きが世界各地で起き始めました。これら中央集権的管理者のサービスを利用するには、そのルールに従うほかありません。すると高い利便性がある反面、個人情報をただで使われ、その情報が漏洩したり、表現の自由を規制されたり、法外なコストを請求されたりといった代償を払うことへの不満や不公平感が噴出。その代替技術へのニーズが大きく高まります。 

web3.0(web3)に必須なブロックチェーン技術 

上記のようなWeb2.0の流れを受けて、登場したのがブロックチェーン技術という全く新しいテクノロジーに裏打ちされた「Web3.0」です。 

Web 3.0 とは 

Web3.0とは、中央集権的管理者が運営するクライアントサーバーを介さず、すべてのノード(デバイス)がP2P(Peer to Peer) でつながって直接データのやり取りができるブロックチェーンを主体とした次世代型インターネットと、その技術を活用したサービスが提供される時代を指します。 

Web 2.0と Web3.0 の違い 

Web2.0は、プラットフォーマーのクライアントサーバーを介してでなければサービスを利用することができませんでした。例えばYouTubeを使用するには、Googleでアカウントを作って個人情報を登録したり、視聴すれば履歴が残ったりして、それらのデータはすべて無料でGoogleに提供することになります。そのデータをもとにユーザーの趣味や嗜好に合わせたターゲティング広告が配信されることがプライバシーの侵害につながるとして、しばしば問題となっているのです。 

一方 Web3.0 の場合は、個人同士が直接取引を行うため、プラットフォーマーにデータを提供する必要もなければ、それらを知らないところで自由に利用されることもありません。手数料も無料かごくわずかしか必要ありません。また、Web2.0の場合は管理者によってデータを修正・削除されることがあり得ます。しかし、後述しますがブロックチェーンはすべての取引履歴がブロック内に格納され複雑な暗号メカニズムによって厳正に管理されるため、第三者によるデータの改ざんがほぼ不可能で、本人が書き換えることもできません。この堅牢性によってデータのハッキングリスクが極めて低く抑えられる点は、Web3.0ならではの利点といってよいでしょう。 

さらにWeb2.0の場合は、クライアントサーバーがシステムダウンすると全利用者がサービスを利用することができなくなります。ところがブロックチェーンなら一部にトラブルが生じても、他の複数のノードが稼働しているためデータは問題なく管理・共有されすべてのシステムが停止することはほぼありえません。 

加えて、Web2.0は常に管理者が必要なため、人による作業や人的コストが発生します。しかしブロックチェーンはスマートコントラクトを利用することによって取引の自動化が可能となります。スマートコントラクトとは、あらかじめプログラムされた通りに契約を自動実行するプロトコルのことです。これにより、「だれが」「何を」「いつ」「どれくらい」「どのようにしたいか」といったことを人手に頼らずすべてシステム内で自動的にオペレーションできるようになるのです。よって例えば、送金しても銀行のように手数料を支払う必要はなく、証券や保険、不動産の取引などでも余分な手数料が発生しません。 

日本政府も Web3.0 を推進している 

日本政府も、Web2.0にはない魅力とポテンシャルに注目し、とくに2022年に入った頃からWeb3.0の本格的な推進に乗り出しています。 

具体的には、自由民主党デジタル社会推進本部が、「Web3プロジェクトチーム」を設置し、Web3をデジタル経済圏の新たなフロンティアとしてブロックチェーンを使ったNFT(非代替性トークン)を含む経済圏を国家戦略にすえる考えを提言しました。 

その後、成長戦略にWeb3.0の環境整備を盛り込む旨、閣議決定します。デジタル庁も各方面の有識者を集め「Web3.0研究会」を発足。さらに「スタートアップ5か年計画」において「ブロックチェーン技術とWeb3.0(分散型ウェブ)の税制を含む環境整備を進める」との文言が明記されました。 

Web3への動きは、あきらかに海外の方が先行しています。とくに税制面ではシンガポールを筆頭に海外の方が圧倒的に優遇されるためスタートアップの海外進出が目立ちます。しかしこれは大きな成長の芽を摘みかねないとして、国内でも首相肝煎の政策として、金融庁、経済産業省、デジタル庁を巻き込んでのWeb3.0推進計画が急ピッチで進められているのです。 

web3.0(web3)の仕組み 

web3.0(web3)の仕組み 

ブロックチェーンは日本語で「分散型台帳」と訳されます。そもそもなぜ「分散型」かというと、巨大テックをはじめとするサービス企業が管理するクライアントサーバーを経由することなく、ノード同士が100台でも10,000台でも一対一で分散してつながり、それぞれが全て同じデータを共有、管理できる仕組みだからです。ノードの場所は関係ありません。インターネットさえつながればどの国のどの地域にいても世界中でネットワークを繋げることが可能です。 

すべての取引データはある程度の時間が経過するごとに、その時間内に発生した取引データをブロックと呼ばれる塊にしてデータベースに登録していきます。その後またある程度の時間が経過するとその間に発生した取引データをさらに別のブロックの塊にしてデータベースに登録する、という作業を延々と続けていきます。 

ところでブロックがそれぞれ単独でデータベース化されているだけだと、システムとしては脆弱でハッキングリスクが残ります。そこで生成したブロックのデータをチェーンのように繋げて前後で整合性を持たせるようにしたため、「ブロックチェーン」と命名されました。 

具体的には、ブロック内のデータをハッシュ関数を使ってハッシュ値というダイジェストデータに変換し、このハッシュ値を次に続くブロック内に含ませるようにします。ハッシュ関数は、同じデータを入力すれば必ず同じハッシュ値が算出されるようになっています。しかしハッシュ値からハッシュ関数に入力されたデータを逆算することはできません。もしブロック内のデータを改ざんしようとしてもハッシュ値が変わり、ブロックの前後で整合性が取れなくなります。よって、すべてのブロックのハッシュ値を変えなければいけなくなり、その作業が極めて困難で、一つでもハッシュ値が変わった時点でデータを修正あるいは改ざんしたことはすべてのノード(ブロックチェーン参加者)にバレてしまいます。このメカニズムにより、例えば通貨の送金や売買といった取引データ、ある商品の原料の中身と調達先、それが、いつどこに運ばれてどんなプロセスで完成に至り、どの卸や店舗を通じて消費者に届けられたか、といった経緯をすべてデータ化して管理できるのです。いったんブロックに記録されるとだれも書き換えることはできず、消滅することなく永遠に残ります。しかもすべての参加者はそのデータを閲覧することができます。これによりブロックチェーンの信頼が担保されるのです。 

web3.0(web3)の特徴 

Web3.0のおもな特徴を6つ紹介しましょう。 

web3.0(web3)の特徴 

中央集権的管理者が不在 

Web3.0ではすべてのシステムがブロックチェーンで稼働するため、巨大テックや金融機関、政府、自治体といった中央集権的管理者を介する必要がなくなります。すると、いたずらに個人情報を知られたり、多額のサービス手数料を支払ったりしなくて済むでしょう。管理者の都合ではなく、独自のルールでビジネスや資産形成を行ったり、趣味などを楽しんだりすることも可能になります。しかもWeb2.0のように国や地域ごとでURLが変わるのではなく、一つのURLでグローバルにネットワークを広げることができます。したがって、サービス展開の範囲や取引できる領域についてもWeb2.0の比ではないといってよいでしょう。 

透明性が高い 

ブロックチェーンでは、どのノードでどのような取引がなされたかがすべて公開されます。パブリックチェーンといって仮想通貨のようにだれでも取引に参加できるブロックチェーンプロジェクトの場合は、不特定多数の参加者がデータを閲覧することができます。組合や企業連合など限定されたメンバーで構築するコンソーシアムチェーンや、企業などの一組織内で形成するプライベートチェーンであれば、その限られたメンバー全員がいつでもデータを閲覧することが可能です。これにより極めて透明性が高くなるため、不正行為を阻止したり抑制したりすることができます。 

セキュリティが強固 

ブロックチェーン自体は非常にセキュリティレベルが高いため、ハッキングリスクは極めて低いのも大きな特徴です。ハッシュ関数、公開鍵暗号、電子署名といった偽造防止や暗号技術によってその安全性と堅牢性が維持されています。 

ブロックチェーンというと仮想通貨のイメージが強く、これまでにハッキング事件があまりにも多いため、疑問に思う方もいるかもしれません。しかし多くの場合、詐欺事件の被害は、仮想通貨取引所で発生しており、そのシステムはブロックチェーンではないのです。ある通貨をいくらで、どれだけ買いたいかという買い手と、いくらなら売りたいという売り手をマッチングさせるサービス企業が管理者として存在している状況下でハッキングが起きているにすぎません。あるいは、ある通貨を別の通貨に両替する際に利用するブリッジといわれるシステムが狙われる例も多発しています。しかしこれもブロックチェーンではありません。 

表現の自由 

後述するNFTを利用すると、画像や動画、音楽、テキストなどのデジタルコンテンツをブロックチェーン上で取引することができます。Web2.0であればプラットフォーマーのサービスを利用することが主流のため、動画にしても音楽にしてもブログにしても、管理者の意に沿わない内容の場合は修正されたり、削除されたりすることがありました。しかしブロックチェーンならユーザー同士で直接コンテンツのやり取りができるため、そのような心配はないでしょう。 

クリエイターのチャンスが広がる 

Web3.0では、デザイナーやミュージシャン、アーティスト、作曲家といったクリエイターの存在が際立つチャンスが広がると考えられます。魅力ある作品を作りさえすれば、世界中からダイレクトにオファーが寄せられたり、契約を結べたりするかもしれません。企業に所属したり、マッチングサービスを使ったりすると、報酬の一部を差し引かれてしまいます。しかしブロックチェーンなら直接取引のため全額を自分の報酬にできるので、一石二鳥といってよいでしょう。 

誰でも資産を保有できる 

スマートコントラクトを活用すると、さまざまなアプリケーション(Dapps)を開発することができます。そのうちの一つに「DEX」があります。DEXとは「分散型取引所」のことで、身分証明を行わずにだれでも仮想通貨の取引が行えます。 

従来の仮想通貨取引所はCEXといわれる中央集権型取引所が主流でした。CEXは、管理者を介して取引を行うため、手数料が必要なうえ、ウォレットや秘密鍵を管理者に預けなければなりません。その点、DEXの場合は自身のウォレットを直接ブロックチェーンに接続し、秘密鍵も自己管理するかたちとなります。よって、銀行口座を持てない新興国の人たちでもDEXで仮想通貨を入手したり売買したり、あるいは後述するDeFi(分散型金融)を活用してさまざまな金融サービスを利用し、資産を形成することが可能になります。 

Web3.0 でできること 

それではここから、Web3.0でできることについてさらに詳しく解説していきましょう。 

トレーサビリティ

ブロックチェーンを使うと、製造業や物流におけるトレーサビリティが可能となります。例えば食品や医薬品の生産から輸送、販売にいたる全プロセスのデータをブロックチェーンで管理します。すると異物混入や不良品の発生といったトラブルが生じた際に、どの工程に問題があったのかを迅速かつ正確に突き止めることが容易になります。その発生源に関わりのある商品のみを回収すれば、被害を最小限にとどめたり、食品ロスを抑えたりすることにも役立つでしょう。 

製造工程の適切なマネージメントや製造物責任に対しては、取引先やステークホルダーから厳しく求められる傾向が年を追うごとに強くなっています。よって、Web3.0でブロックチェーンを活かしたトレーサビリティが普及すると、さまざまな業界で品質管理が向上し、より安全で安心なサプライチェーンの構築に寄与すると考えられます。 

医療データや成績証明の管理と共有 

ブロックチェーンを使うと、個人の健康状態や既往歴、治療歴、薬歴といった医療データの管理と共有が可能になります。医療機関や薬局でこれらのデータを共有できれば、緊急の手術が必要で本人が持病や薬歴などを口述できないときや、薬剤師が飲み合わせの是非などを確認したい場合に大変役立ちます。 

また大学などの成績証明書をはじめとする、正確なデータ管理が必要で、かつそのデータを入力した後に内容を書き換えることがない書類の管理と共有にも、ブロックチェーンは非常にうってつけでしょう。 

DeFi 

Web3.0では、スマートコントラクトを使ったDeFi(分散型金融)も非常に注目されています。送金や決済のみならず、仮想通貨を貸し付けるレンディングや保険サービスなどを人の手を介さずにすべて自動実行することが可能になります。銀行や証券で金融サービスを利用するとかなりの手数料を支払わなければなりません。その点、DeFiの場合は無料か非常に安価で利用することができるため、メリットが大きいでしょう。 

NFT 

スマートコントラクトを使えば、画像や動画、音楽、テキストメッセージなどのデジタルデータをトークン化して流通させることが可能となります。それがNFT(非代替性トークン)です。 

NFTは、従来いくらでも複製可能だったデジタルコンテンツに唯一無二の価値をつけて所有権を証明することができます。しかも売買のたびに、売上金の一定割合を原作者の報酬とする二次利用についてもスマートコントラクトによって対応することができます。 

すでに世界中の有名スポーツチームや高級ブランド、アイドルやアーティストなどが画像や動画、トレーディングカードなどをNFTにして販売している例が数多くあります。なかには億単位の高値で取引されるものがあり、その将来性は計り知れません。 

加えて、NFTはメタバースとの親和性も高く、仮想空間内で建物やギャラリー内に展示した絵画などをNFTとして取引できるサービスも広がっています。 

ブロックチェーンゲーム 

ブロックチェーンゲームとは、独自トークンやNFTを使ったゲームのことです。プレイヤーは、NFT化されたキャラクターやアイテムを仮想通貨で購入し、ステージをクリアしたり、バトルに勝利すると報酬として仮想通貨を得ることができます。しかもゲーム内で使用しているNFTはいつでも好きな時に売買することが可能です。つまりゲームを楽しみながら報酬が得られるという、従来のゲーム業界にない画期的なシステムがブロックチェーンによって実現したのです。このプレイしながら稼ぐことを「GameFi」とか「Play to Earn」と呼びます。後の「Web3.0の具体的なサービス例」でも紹介しますが、すでに国内外でさまざまなブロックチェーンゲームが登場してます。 

DAO 

DAOとは、「Decentralized Autonomous Organization」の略で、「分散型自律組織」のことです。実は上記のDEXもDAOの一種なのですが、すべての取引がスマートコントラクトを使ってブロックチェーン上で自動実行されます。資金調達や仕事の受発注、プロジェクトの運営など、人同士が直接コンタクトを取らずにさまざまなパフォーマンスを自動実行することができます。参加者は、DAOの独自トークンを入手し、その保有量によって得られる投票権を行使してプロジェクトなどの意思決定がなされます。中央集権的管理者が存在せず、上司や部下といった概念もありません。24時間・365日いつでも取引可能な点も従来の組織と大きく異なる点です。 

分散コンピュータ(エッジコンピュータ)  

データとサービスをオンラインで提供することがエッジコンピューティングの主な目的です。中央集権型のコンピュータが「ビッグデータ」の処理に問題がある場合、エッジコンピューティングが発生することがあります。たとえば、データはローカルのPCで処理された後に、集約のために中央のサイトに送信されることがあります。分散コンピューティングまたはエッジコンピューティングでは、ネットワークの端にあるデバイスの処理能力を組み合わせることで、大規模な分散型スーパーコンピュータを作成することができます。 

機械学習と人工知能  

自然言語処理(NLP)により、あなたの要件を理解できるスマートなワーカーと話すことができます。大量のデータをリアルタイムで処理するために機械学習が使用され、顧客のニーズや行動を予測します。どこに行っても、IoT(モノのインターネット)によりスマートにネットワーク化されたユーティリティがあります。これにより、ビジネスはデータを収集して、ビジネス戦略において価値ある情報に変えることができます。 

Web3.0 の具体的なサービス例 

続いて成功したWeb3.0開発の事例を紹介し、その成功要因について考察します。Web3.0開発の導入を検討している企業やビジネスパーソンの皆様は、ぜひ参考にしてください。  

マーケットプレイス「元素騎士オンライン」 

Web3.0 の具体的なサービス例 
Web3.0 の具体的なサービス例 

多人数参加型RPG『元素騎士』は、専用のMVトークンをステーキングすることで、基軸通貨RONDを獲得することができます。さらに、キャラクターやアイテムをNFTとして取引することも可能です。日本のアップストアでリリースされると、台湾や中国でも人気に火がつきました。スマートフォンアプリやNintendo Switch上の異なるハードウェア間をまたいでプレーできることから注目を集め、すでに800万件以上ダウンロードされています。  

元々はオンラインゲームでしたが、2021年12月にレリパがブロックチェーンゲームとして開発し直したうえで再リリースされました。2022年9月15日からは、元素騎士マーケットプレイスがオープンし、保有するNFTの売買が可能となりました。このマーケットプレイスで使用可能な仮想通貨は、MV(Polygon)とUSTD(Polygon)です。 

■「LAND NFT」について 

GENSOメタバースの世界は、LAND(土地)の上に構成されています。LANDには家(ハウジング)を持つ事ができ、一人ひとりがUGC機能を使用することで様々な世界を作ることが可能です。例えば、元素騎士オンラインのゲームマップの一部をオリジナルで制作し、そこにモンスターやドロップアイテムなどを設定して自身が運営者のような形でゲームに関わることができるようになります。 

■tofuNFTについて 

tofuNFTは、30以上のEVM互換チェーンに対応する世界最大のマルチチェーンNFTマーケットプレイスです。取引量の殆どはブロックチェーンゲーム、GameFiで構成されております。 

2021年10月にBSCでスタートし、12月から同チェーン上で最大規模NFTマーケットプレイスに成長。また、Arbitrum、Metis、Boba、Aurora、Moonbeam、Astarでもすでに最大のNFTマーケットプレイスとなっており、Avalanche、Polygon、Fantom、Cronos、Optimism、その他のチェーンではトップ3以内の取引量を持ちます。2022年9月に世界で最も出来高を持つNFTマーケットプレイスであるX2Y2との提携を発表しました。 

■ 担当内容  

プロジェクトの要件定義から基本設計、開発、テスト、そしてリリースまでの全体的な業務をレリパが担当しました。要件定義の段階では、顧客のニーズを明確に把握し、技術的な要件を決定。基本設計においては、設計書を作成し、開発チームに具体的な指示を与えました。開発段階では、コードの作成、テスト、および修正を担当し、品質を確保。最後に、リリース前のテストを実施し、品質保証を確保してリリースに至りました。  

ちなみに、NFTゲーム開発にあたってレリパが提供しているサービスは、以下の内容になります。   

【NFTマーケットプレイスの新規開発】  

対応範囲:    

  • 要件ヒアリングおよび業務分析    
  • UIデザイン    
  • インハウスのようなチームを結成してのサービス開発   

技術  

  • Polygon   
  • ETH / ERC721  

チーム体制  

  • PM 1名  
  • ブロックチェーン開発者 2名  
  • 開発者 13名  
  • テスター 3名  

合計 17名 / 月  

WIDILAND:NFTゲーム  

Web3.0 の具体的なサービス例 
Web3.0 の具体的なサービス例 

WIDILANDでは、ブロックチェーン技術によってゲーム内のデジタルアイテム、土地、キャラクター等に娯楽要素と金銭的価値を持たせています。​ 

・Play to Earnが可能なNFT化されたゲーム[Text Wrapping Break]・Twitterで10万人フォロワー 

WidiLandは、2022年1月にリリースされた比較的新しいNFTゲームです。可愛らしいデザインが特徴で、初心者でも簡単に始めることができます。2022年3月には、Google PlayストアやApple Storeでモバイルアプリとしても登場し、いつでもどこでも気軽に遊べるようになりました。これまでに30種類以上のNFTゲームをプレイしてきましたが、Web版からスタートして、AndroidとiPhoneの両方で遊べるようにしたNFTゲームはほとんどありません。多くの場合、開発チームの実力や資金の不足が理由です。そのため、Android版とiOS版の両方をリリースしているWidiLandは、開発チームや経営陣のチーム力が高く、信頼できるゲームといってよいでしょう。 

また、WidiLandは無課金でプレイできるFree-to-Playである点も初心者におすすめできる理由の一つです。 

一見すると可愛らしいそのデザインからは想像できない壮大な設定がゲームストーリーに込められており、地球の未来をリアルに暗示しているかのようです。 

「WidiLand」は、2130年の地球が舞台です。深刻な環境汚染と資源の枯渇、そして食料とエネルギー不足の危機に瀕するなか、WIDIプロジェクトの科学者たちが地球に似た青緑色の天体「TKE-1012」を発見します。この巨大な惑星には地球とほぼ同じ条件がそろっており、人類の新たな居住地候補として選ばれることになりました。そして選出されたエリートたちがTKE-1012に移住し、そこを「WidiLand」と名付けたのです。 

しかし着陸の際、地磁気嵐によって、さっそく宇宙船全体とそのハイテク機器、通信などに深刻なダメージをうけます。そして乗組員たちは食料やエネルギーの枯渇、地球との交信手段の喪失という危機に直面。そこで、WidiLand上に独自の食料エネルギーシステムを構築することがミッションとなるのです。 

ゲーム内の場面設定は深刻ですが、それとは対照的にキャラクターや背景などは可愛らしいデザインとなっており、ゲーム初心者でもとっかかりやすいのが特徴で、2022年1月に正式版がリリースされ、2022年3月にはGoogle Play StoreやApple Storeでモバイルアプリとしても登場しています。 

契約形態 

ラボ型 

技術 

  • BSC 
  • Polygon 
  • Java, MySQL, Redis, ELK, Kafka, NodeJS 
  • Unity, Web3.js, ReactJS 
  • VR, AR 

担当内容 

要件定義・基本設計・デザイン・開発・テスト・リリース運用・保守 

チーム体制 

・PM 1名 

・ブロックチェーン開発者 2名 

・開発者 13名 

・テスター 3名 

合計 17名 / 月 

その他 

制作費用~2000万円 

レリパは、オフショア開発の中でもとくにラボ型を得意とし、お客様のブロックチェーン開発を強力にサポートいたします。日本語に精通した経験豊富なPM(プロジェクトマネージャー)と高度な開発スキルをもつブロックチェーンの専門家やエンジニアが、設計から開発、リリースまで責任をもって担当いたします。ブロックチェーン開発をご検討なら、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。 

Web3.0 の2023年の最新動向 

Web3.0の最新トレンドとしてまず注目すべきは「BaaS(Blockchain as a Service)」の台頭です。BaaSは、クラウド上でブロックチェーンアプリを構築できるサービスで、これを活用するとブロックチェーンを一から開発する必要がなくなります。構築プロセスが簡略化されているので、ブロックチェーンの開発期間を大幅に短縮することができます。 

その一例とも言えるのが、2022年12月にローンチされたゲーム特化型ブロックチェーンの「OASYS」です。国内の主要ゲーム会社のトップが協力して開発したブロックチェーンゲームを開発するためのプラットフォームです。これにより従来は膨大な手間と資金が必要だったブロックチェーンゲーム開発のハードルが大幅に下がりました。 

また現代の最新テクノロジーはAI(人工知能)を抜きにしては語れませんが、そのAIとブロックチェーンを融合させる取り組みも各方面で急ピッチに進められています。例えば、AIが生成した画像をNFTにし、その著作権までをブロックチェーンで管理するといった具合です。 

上述したように政府もWeb3.0の推進に本腰を入れ始めていますし、ブロックチェーンを使ったデジタル通貨である「デジタル円」の実証実験を大手企業やメガバンクなどが共同で行っている点も注目に値します。 

このように、2023年に入ってますます多方面においてブロックチェーンの有用性が認知され、新サービスが開発、導入される例が飛躍的に増加しています。今後もこの傾向は強まり、Web3.0への期待がさらに高まっていくと考えて間違いないでしょう。 

まとめ 

Web3.0の主役であるブロックチェーンは、透明性と非改ざん性、安全性に優れた管理者不要の分散型システムです。その用途は、製造、金融、物流・貿易、ゲーム・エンタメ、芸術、スポーツなど拡大する一方です。AIやIoTといった最新テクノロジーやビッグデータとの融合により、さらなるイノベーションの可能性を十分に秘めています。今後この流れに乗って確実に進化・発展を求めるなら、すぐにでもブロックチェーン開発に乗り出すことが重要でしょう。 

レリパでは、Web3.0におけるブロックチェーン開発を手広くサポートしております。ブロックチェーンゲーム、NFT、DAO、DeFiなど、お客様のニーズに十分にお応えできる優秀なエンジニアやスタッフが多数在籍しております。ご用命の際は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。